元となった辞書の項目
tatter
解説
1. 基本情報と概要
単語: tatter
品詞: 名詞 (ただし、稀に動詞として使われる場合もあります)
意味(英語)
(主に複数形で) Torn pieces of cloth, paper, or other material.
「ボロ切れ」「ぼろ切れ状の紙片」などを指すことが多いです。(比喩的に) A small piece or shred of something.
物事の名残や断片を示すときに用いられることもあります。
意味(日本語)
「ボロ切れ」や「ぼろぼろになった紙片」のことを指します。特に、使い古されて破れてしまった布・紙などの細かい破片をイメージします。「tatter」という単語は、物理的に破れたりほつれたりしたものを表すときに使われます。日常会話ではあまり頻繁には登場しませんが、「服がボロボロ」「布が小さく裂けた」状態などを描写したいときに使われる、やや文学的・描写的なニュアンスを持つ単語です。
活用形
- 名詞: tatter (単数形), tatters (複数形)
- 例: in tatters (「ボロボロの状態で」)
- 例: in tatters (「ボロボロの状態で」)
- 動詞: tatter (あまり一般的ではないが、古い英語表現や文芸作品で「~をボロボロにする」「ボロボロになる」という意味で使われることがある)
- 例: tattering, tattered
なお、形容詞としては tattered (「ボロボロの」「ほつれた」) があります。
難易度(CEFRレベル推定)
- B2 (中上級) 以上
日常会話で頻繁に使う単語ではありませんが、文学作品などでよく見かける可能性があります。「絵本や童話、海外の古い文章」などで目にすることがあるため、中上級レベルの学習者が語彙を広げる際に学ぶ単語と言えます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- tatter という単語は、はっきりした接頭語や接尾語の区分はありません。
- 語幹は
tatter
全体で、古英語・中英語発祥の言葉から変化してきたと考えられています。
派生語・関連語
- tattered (形容詞): ボロボロになった
- tatters (名詞複数形): ボロ切れ、ボロボロの状態
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- “in tatters” – 「ボロボロの状態で」
- “torn to tatters” – 「ズタズタに引き裂かれる」
- “a tattered flag” – 「ボロボロの旗」
- “tattered clothes” – 「ボロボロの服」
- “threadbare and tattered” – 「すり切れてボロボロ」
- “tatter of dignity” – 「わずかな面目」 (比喩的)
- “worn to tatters” – 「擦り切れてボロボロになる」
- “left in tatters” – 「完全に破壊された状態で残される/損なわれたまま放置される」
- “tattered remnants” – 「ボロボロになった残骸」
- “reduced to tatters” – 「ボロ布同然になる、破綻する」
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語での “tater” や “tatter” に由来すると考えられ、さらに古い言語の「ほつれた布」を意味する言葉から派生した可能性があります。
歴史的な使用
- 中世や近代初期のイギリス文学などで「破れた布」や「襤褸(ぼろ)」を表現する際にしばしば使われました。
- 文学的には、物が傷んでいるイメージだけでなく、人の名誉や心情が「ズタズタに傷ついた」状態を比喩的に表すときにも使われてきました。
使用時の注意点・ニュアンス
- 「tatter」を単数形で「a tatter」と使うケースは限られますが、文学的・描写的なニュアンスが強いです。
- 多くの場合「tatters」(複数形)で用いられ、「ボロボロの状態」「細かく破れたもの」を総称して指します。
- ややフォーマル・文学的な響きがあるため、手紙や文芸作品で使われることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
名詞 (可算・不可算)
- 「tatter」を可算として、一片のボロ切れを指す場合もありますが、現代ではほとんど複数形の「tatters」で使われます。
- “in tatters” のように慣用表現的に不可算のように扱われることもあります。
- 「tatter」を可算として、一片のボロ切れを指す場合もありますが、現代ではほとんど複数形の「tatters」で使われます。
動詞 (稀・古風)
- “to tatter” は「ボロボロにする」「ボロボロになる」という意味で、やや古風または文語的表現です。
一般的な構文・イディオム
- “be in tatters” – 「ボロボロになっている」
- 使用例: “His reputation was in tatters.” (彼の評判はボロボロだった)
- 使用例: “His reputation was in tatters.” (彼の評判はボロボロだった)
- “tear something to tatters” – 「~をズタズタに引き裂く」
- 使用例: “The storm tore the sails to tatters.” (嵐が帆をズタズタに引き裂いた)
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “After playing outside, my pants were in tatters.”
(外で遊んだ後、ズボンがボロボロになってしまったよ。) - “I found an old teddy bear in tatters in the attic.”
(屋根裏でボロボロになった古いテディベアを見つけた。) - “My notebook is already in tatters after just two weeks.”
(わずか2週間でノートがもうボロボロになっているよ。)
ビジネス (ややフォーマル)
- “Our marketing strategy was left in tatters after the competitor's big campaign.”
(競合他社の大規模なキャンペーンの後、私たちのマーケティング戦略は完全に破綻しました。) - “If the proposal is torn to tatters in negotiations, we'll have to start over.”
(もし交渉で提案がズタズタになったら、最初からやり直さなければならないでしょう。) - “The company's reputation was in tatters following the scandal.”
(そのスキャンダルの後、会社の評判はボロボロになった。)
学術的/文芸的
- “The ancient manuscript survived, though only in tatters, bearing witness to its former glory.”
(その古代の写本は、わずかにボロボロの状態ながらも当時の栄光を伝えている。) - “Her emotions were left in tatters, reflecting the trauma she had endured.”
(彼女の感情はボロボロになっており、彼女が耐えたトラウマを物語っていた。) - “He held onto a tatter of hope in the face of overwhelming hardship.”
(圧倒的な苦難に直面しながら、わずかな希望のボロ切れにしがみついた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- rag (ボロ布)
- より一般的に、古くなりボロボロになった布。日常会話でもよく使われる。
- より一般的に、古くなりボロボロになった布。日常会話でもよく使われる。
- shred (切れ端、断片)
- 「細かく裂いた破片」を強調する。紙や布以外にも広く適用可能。
- 「細かく裂いた破片」を強調する。紙や布以外にも広く適用可能。
- scrap (くず、切れ端)
- より一般的に「小さな切れ端」全般を指す。金属、紙など多岐にわたる。
- より一般的に「小さな切れ端」全般を指す。金属、紙など多岐にわたる。
- fragment (破片、断片)
- 硬いものなどが割れたときの破片など、やや硬いイメージ。
- 硬いものなどが割れたときの破片など、やや硬いイメージ。
反意語 (Antonyms)
- whole (全体の)
- intact (無傷の、完全な)
“tatter” と相反するのは「全く壊れていない」「完全な状態」を表す単語になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈtæt.ər/ (英), /ˈtætər/ (米)
- アクセントは最初の “ta” の部分に置かれます。
- アクセントは最初の “ta” の部分に置かれます。
- アメリカ英語: [タッター] のように “r” をしっかり発音します。
- イギリス英語: [タッタ(ー)] のように、語尾の “r” が弱くなる場合があります。
よくある発音の間違い
- 「ターター」のように伸ばして発音するなど、母音を長く引きすぎると不自然になります。
- アクセントは “tát” の部分にしっかり置くことが大事です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- 「tatter」を「tater」「tatther」などと綴りミスしやすい。
- 「tatter」を「tater」「tatther」などと綴りミスしやすい。
- “tatters” との混同
- 単数形と複数形を混同しやすいが、実際には「in tatters」でほぼ慣用表現化している。
- 単数形と複数形を混同しやすいが、実際には「in tatters」でほぼ慣用表現化している。
- 同音異義語との混同
- “tatter” と同音異義語はあまりありませんが、「tatter」と「tattered」は形が似ており、使い分けに注意が必要です。
- “tatter” と同音異義語はあまりありませんが、「tatter」と「tattered」は形が似ており、使い分けに注意が必要です。
試験対策
- TOEICや英検では頻出単語ではありませんが、“in tatters” という熟語が読解問題・語彙問題で出る可能性があります。
- 文学作品や英字新聞での比喩表現として目にすることがあるため、読解力アップのためには覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「tatter」は「破れているものが散らかっている」イメージを持つと覚えやすいです。
- 「タッター」と発音する音の響きから「タタタと切り裂かれた布」をイメージすると記憶に残りやすくなります。
- “in tatters” という表現から入ると、使い方がわかりやすいでしょう。“Her dress was in tatters.” とイメージすれば、「ドレスがボロボロの状態」を連想できます。
以上が “tatter” の詳細解説です。
物が破れてボロボロになっている様子はもちろん、比喩や文芸作品で感情や評判が「ズタズタになっている」様子を描写する際にも役立つ表現です。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉(1片の)ぼろ,ぼろ切れ
意味(2)
《複数形で》ぼろ服