元となった辞書の項目
sincerity
解説
以下では英単語「sincerity」について、学習者向けに詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: sincerity
品詞: 名詞 (noun)
活用形:
- 単数形: sincerity
- 複数形: sincerities (ただし、実際にはあまり使われません)
英語での意味: The quality or state of being honest, genuine, and free from deceit.
日本語での意味: 「誠実さ」「真心」「偽りのない態度」を表す名詞です。
「相手にうそをつかず、真心を持って接する、というニュアンスを持つ単語」です。人の本音や正直な気持ちを大切にする場面でよく使われます。
難易度 (CEFR): B2(中上級)
「英語である程度の語彙を身につけている方向けの単語ですが、日常生活でも使用されるややフォーマル寄りの単語です。」
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- sincere(形容詞: 誠実な)
- -ity(接尾語: 「~という性質・状態」を表す名詞化)
「sincerity」の中核は「真実味・誠実さ」を表す「sincere」という形容詞で、それに「-ity」がついて名詞化されています。
派生語や関連形
- sincere (adj.): 誠実な
- sincerely (adv.): 誠実に、本当に
- insincere (adj.): 不誠実な
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- genuine sincerity(心からの誠実さ)
- show sincerity(誠実さを示す)
- question someone’s sincerity(誰かの誠実さを疑う)
- speak with sincerity(誠実に話す)
- sincerity of purpose(目的に対する誠実さ)
- heartfelt sincerity(心からの誠意)
- doubt his sincerity(彼の誠実さを疑う)
- act out of sincerity(誠意をもって行動する)
- sincerity in one’s voice(声・話し方に表れる誠意)
- honest sincerity(偽りのない誠実さ)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の「sincerus」(純粋な、混じりけのない)に由来し、それに名詞形を作る接尾語「-itas (-ity)」がついた「sinceritas」が形を変えて英語化されました。
- 歴史的には「偽りがなく、純粋な状態」という意味合いを持って、古くから「誠実」「真心」という文脈で使われてきました。
ニュアンス・使用上の注意
- 誠実さ、真心、本音といったポジティブなイメージがあり、主にフォーマルな文脈や大切な気持ちを伝える場面で使われます。
- 口語でも使われますが、やや改まった印象が強く、ビジネスや手紙の結びなどにも適しています。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞/不可算名詞: 通常は不可算名詞として用いられますが、きわめて稀に「sincerities」の形も見られます。ほとんどの場合は不可算として「a sense of sincerity」のように表現します。
主な構文例
- “(Subject) + appreciate(s) + (person’s) sincerity.”
例: “I appreciate your sincerity.”(あなたの誠実さに感謝します。) - “Sincerity + in + (something).”
例: “There is sincerity in her words.”(彼女の言葉には誠実さがある。)
- “(Subject) + appreciate(s) + (person’s) sincerity.”
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: 手紙の文末やスピーチ、ビジネス会話など
- カジュアル: 日常会話で使わないわけではないですが、「honesty」のほうが自然に聞こえる場合が多いです。
- フォーマル: 手紙の文末やスピーチ、ビジネス会話など
5. 実例と例文
それぞれの文脈で3例ずつ提示します。
① 日常会話での例文
- “I really appreciate your sincerity when you apologize.”
「謝る時にあなたが見せる誠実さをとてもありがたく思います。」 - “I can sense true sincerity in her smile.”
「彼女の笑顔には本物の誠実さを感じます。」 - “He always speaks with sincerity, so I trust him.”
「彼はいつも誠実さをもって話すので、私は彼を信頼しています。」
② ビジネスでの例文
- “Our company values sincerity in all customer interactions.”
「当社はすべての顧客対応で誠実さを大切にしています。」 - “She showed great sincerity when explaining the project’s challenges.”
「彼女はプロジェクトの課題を説明する際、大変な誠実さを示しました。」 - “Sincerity in negotiation often leads to better business relationships.”
「交渉における誠実さは、より良いビジネス関係につながることが多いです。」
③ 学術的な文脈での例文
- “The concept of sincerity has been discussed extensively in philosophical ethics.”
「誠実さという概念は、哲学倫理学の中で広く議論されてきました。」 - “Scholars debate whether true sincerity can be objectively measured.”
「研究者たちは、真の誠実さを客観的に測定できるかどうかを議論しています。」 - “In sociological studies, sincerity is often linked to social trust.”
「社会学の研究では、誠実さはしばしば社会的信頼と関連付けられます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- honesty(正直さ)
- 「率直に話す」ことにフォーカス。ややカジュアル。
- 「率直に話す」ことにフォーカス。ややカジュアル。
- genuineness(本物らしさ)
- 「偽りでないこと」、やや抽象度が高い。
- 「偽りでないこと」、やや抽象度が高い。
- authenticity(真正性)
- 「自分らしく、本物であること」。文脈によっては一般概念。
- 「自分らしく、本物であること」。文脈によっては一般概念。
- earnestness(真剣さ)
- 「真剣で真面目に取り組む姿勢」を強調。
- 「真剣で真面目に取り組む姿勢」を強調。
反意語 (Antonyms)
- insincerity(不誠実さ)
- deceit(欺き)
- dishonesty(不正直)
- 反意語は「相手を欺くことや、本心を偽ること」を表し、まったく正反対のニュアンスになります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- 米: /sɪnˈsɛr.ə.ti/
- 英: /sɪnˈseə.rə.ti/
強勢(アクセント)の位置
- 「sin-CER-i-ty」のように、2つ目の音節“cer”にアクセントがあります。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- アメリカ英語では「シンセ'rəティ」と “r” をはっきり発音します。
- イギリス英語では「シンセ'ərəti」のように「r」の発音が弱まる場合があります。
よくある発音の間違い
- “sin-se-ri-ty” と、アクセントを間違えて最初や最後につけてしまうことが多いので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “sinserity” や “sincerety” など、つづりを間違えやすい。
- 同じ接頭語の勘違い: “sincerity” と “serenity” (静穏)や “seniority” (年功)を混同することがあるので注意。
- 試験対策(TOEIC・英検など)で、類義語や対義語とセットで覚えさせられることが多い単語です。文脈上、「誠実さ」に関する選択肢として出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「心が真に(sin-)澄んだ(cere)状態 → sincerity」とイメージすると覚えやすいです。
- 「sincere」 + 「t(y)」=「(形容詞)が持つ性質」と考えるのも便利です。
- 「sincerity」は手紙やメールの締めで使われる “Sincerely,” と関連付けて覚えると効果的です。
以上が「sincerity」の詳細な解説です。文章の中で使いながら、ぜひ繰り返し学習してみてください。誠実さ(sincerity)は人間関係を支える大切な要素としても重要な単語なので、ぜひそのニュアンスを意識して使ってみましょう。
意味のイメージ
意味(1)
誠実,偽りのないこと,正直