shatter
以下では、英単語 shatter
について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: shatter
品詞: 動詞 (Verb)
意味 (英語で)
- To break something into many small pieces, often suddenly and with force.
意味 (日本語で)
- 「粉々に砕く」「粉々に壊れる」「(希望や幻想などを)打ち砕く」という意味を持ちます。
- 「壊れやすいものが衝撃や圧力でバラバラになってしまう」ときや、「精神的なショックで気持ちが砕け散る」と比喩的にも使いやすい単語です。
たとえばコップが床に落ちて「粉々に割れる」イメージから、人の夢や自信が「音を立てて崩壊してしまう」というような比喩にもよく使われます。意味としてはかなりインパクトがあるイメージです。
活用形
- 現在形: shatter
- 過去形: shattered
- 過去分詞: shattered
- 現在分詞/動名詞: shattering
他の品詞形
- 名詞形 (例): shatter の名詞形はあまり一般的ではありませんが、「the shatter of glass」のように「砕け散ること」を指す使い方があることはあります。ただし日常ではあまり使われません。
CEFR レベルの目安
- B2 (中上級) 〜 C1 (上級) レベル
- ある程度の語彙力が必要ですが、難しすぎず、ニュースや一般的な会話でも見聞きする機会があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- shatter は接頭語や接尾語がはっきりと分かれるような造語ではありません。
- 語源などは後述しますが、「砕け散る」「壊す」という意味が含まれています。
関連語・派生語
- shattered (形容詞) : 「粉々になった」「(精神的に)打ちのめされた」
- 例: I was shattered by the news. (その知らせに打ちひしがれた)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ (10 個)
- shatter glass (ガラスを粉々に壊す)
- shatter a window (窓ガラスを粉々にする)
- shatter illusions (幻想を打ち砕く)
- shatter dreams (夢を打ち砕く)
- shatter confidence (自信を失わせる)
- shatter hopes (希望を打ち砕く)
- shatter the silence (沈黙を破る)
- shatter records (記録を打ち破る)
- shatter into pieces (粉々に砕ける)
- shatter one’s peace of mind (心の平穏を壊す)
3. 語源とニュアンス
語源
Shatter
は中英語schateren
から来ており、「乱暴に壊す」「打ち壊す」のニュアンスを持つとされています。さらに古いゲルマン系の語源につながっており、「破壊」や「砕け散る」という意味を持っていました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「単に壊す」というよりも「勢いよく壊す」「粉々にする」といった強い破壊のイメージがあるため、感情的・比喩的に使われることもしばしばです。
- 比喩的に使う場合は、人の心や信念などが完全に打ち砕かれるイメージを強調したいときに用いられます。
口語・文章スタイル
- 口語でも文章でも使いますが、口語では「粉々に割れる」のような破壊場面を鮮明に表現するために多用されます。
- フォーマル度はやや中立〜カジュアル寄りで、論文や公式文書で使うことも可能ですが、口語的な迫力ある表現として特に使われます。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 / 自動詞:
- 他動詞: The stone shattered the window. (その石が窓を割った)
- 自動詞: The window shattered into tiny pieces. (窓は小さな破片に割れ散った)
- 他動詞: The stone shattered the window. (その石が窓を割った)
一般的な構文
- “shatter + O” (他動詞として目的語を壊す)
- “S + shatter (into ...)” (主語が粉々になる)
- “shatter + O” (他動詞として目的語を壊す)
イディオムや関連表現
- “shatter one’s nerves” (神経をすり減らす)
- “shatter one’s worldview” (世界観を打ち砕く)
- “shatter one’s nerves” (神経をすり減らす)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“Don’t drop that vase! It will shatter if it hits the floor.”
- 「その花瓶を落とさないで! 床に落ちたら粉々になっちゃうよ。」
“I heard a loud noise and realized my phone screen had shattered.”
- 「大きな音がして、スマホの画面が割れてしまったことに気づいたよ。」
“His sudden departure shattered our plan for the trip.”
- 「彼が急に行かなくなったせいで、私たちの旅行計画が崩れちゃった。」
(2) ビジネスでの例文
“The negative sales report shattered our expectations for this quarter.”
- 「売上の不調なレポートが、今期の期待を打ち砕いた。」
“If we’re not careful, the data breach could shatter our company’s reputation.”
- 「もし気をつけなければ、データ流出が会社の評判を壊しかねない。」
“We need to shatter outdated practices and embrace new technologies.”
- 「時代遅れの慣行を打ち破って、新しいテクノロジーを取り入れる必要があります。」
(3) 学術的な文脈
“The discovery shattered long-held theories in particle physics.”
- 「その発見は、素粒子物理学の長年の理論を打ち砕いた。」
“A single counterexample can shatter an entire mathematical conjecture.”
- 「一つの反例で、数学の仮説全体を覆すことがある。」
“The study’s findings could shatter conventional wisdom about dietary habits.”
- 「この研究結果は、従来の食習慣に関する常識を覆す可能性がある。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- break (壊す)
- 一般的な「壊す」。shatter よりも広い意味で、粉々になるイメージは必ずしも伴わない。
- 一般的な「壊す」。shatter よりも広い意味で、粉々になるイメージは必ずしも伴わない。
- smash (激しく打ち壊す)
- shatter と似て、激しい壊れ方をするイメージだが、shatter は特に「粉々」になった結果を強調。
- shatter と似て、激しい壊れ方をするイメージだが、shatter は特に「粉々」になった結果を強調。
- fracture (骨折・割れる)
- 割れ目が入るニュアンス。shatter ほど完全に粉々にはならないイメージ。
- 割れ目が入るニュアンス。shatter ほど完全に粉々にはならないイメージ。
- crush (押しつぶす)
- 大きな力でつぶす意味。shatter は「粉々」となる程度の破片イメージに重点。
- 大きな力でつぶす意味。shatter は「粉々」となる程度の破片イメージに重点。
反意語 (Antonyms)
- mend (修理する)
- repair (修復する)
- いずれも「壊す」と逆に「直す、修復する」を示す動詞。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈʃæt.ər/
- アメリカ英語: [ʃˈæɾɚ] (“t”の発音がややフラップ音になることが多い)
- イギリス英語: [ˈʃæt.ə(r)]
- アメリカ英語: [ʃˈæɾɚ] (“t”の発音がややフラップ音になることが多い)
- アクセント(強勢)は、最初の音節「SHAT-」に置かれます。
- よくある発音ミスとして、 /ʃ/ を /s/ と混同しないように注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “shatter” と “shatterd” (誤) → 正しくは “shattered”。過去形や過去分詞形の “-ed” をつけるのを忘れないこと。
- 同音異義語との混同はあまり多くありませんが、
scatter
(まき散らす) と少し似たつづりなので注意。 - 「壊す」= break (汎用) と混同しがち。shatter はより激しい壊れ方や粉々になるイメージが強いです。
- 試験対策: TOEIC や英検で出題される場合は、文脈問題として「壊す」ニュアンスを選ばせる問題や、派生形 (shattered, shattering) が正しい形かを問う問題が考えられます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「シャッター」(shutter) と音が似ていますが、意味は「窓の雨戸・カメラのシャッター」であり異なります。発音も異なるので注意しましょう。
- 覚え方のイメージ: ガラスが落ちて割れると「シャッ」という短い衝撃音が響く感じが “shatter” の頭文字
sh-
とリンクすると覚えやすいかもしれません。 - 「粉々になる」ビジュアルを心に描きながら、単語と結びつけると印象に残りやすいでしょう。
以上が、動詞 “shatter” の詳細解説です。単に「壊す」だけでなく、「完全に粉々にしてしまう」イメージを覚えておくと、より適切に使いこなせるようになります。ぜひ実際の会話や文章で使ってみてください。
〈物〉‘を'粉々に打ち砕く,粉砕する
(回復の余地なく)〈計画・健康・希望など〉‘を'壊す
粉々になる