元となった辞書の項目
misconception
解説
以下では、名詞“misconception”を、学習者の方に役立ちやすいように詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: misconception
品詞: 名詞(可算名詞)
意味(英語): a wrong or incorrect understanding or interpretation of something
意味(日本語): 「誤解」「思い違い」「誤った考え方」
「misconception」とは、何かの事柄や情報について正しい理解をしていないときに使われる単語です。たとえば、ある事実を勘違いしていたり、思い込みをしていたりするときに「それは誤解(misconception)だよ」と表現します。誤った先入観や、間違ったイメージを指す点がポイントです。
活用形
- 単数形: misconception
- 複数形: misconceptions
他の品詞形
- 動詞形: misconceive (誤解する)
- 形容詞形: misconceived (誤解された、間違った前提に基づいた)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 学術的な文章や、ややフォーマルな文章によく登場し、抽象的なテーマを扱う際に使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭辞: “mis-” (「誤った」「間違った」という意味を表す)
- 語幹: “concept” (「概念」「考え」)
- 接尾辞: “-ion” (名詞を形成する一般的な接尾辞)
「mis-」は、誤りや否定を表す接頭辞です。そして「conception」は「概念」や「考え方」を示します。そこに“-ion”がついて名詞化されています。
関連語・派生語
- misconceive (動詞): 誤解する
- misunderstanding (名詞): 誤解(類義語)
よく使われるコロケーション(10個)
- common misconception(よくある誤解)
- popular misconception(広く信じられている誤解)
- widespread misconception(広範囲に広がった誤解)
- prevalent misconception(一般に広がっている誤解)
- address a misconception(誤解に対処する)
- dispel a misconception(誤解を解く)
- perpetuate a misconception(誤解を長引かせる/広める)
- correct a misconception(誤解を正す)
- clear up a misconception(誤解を晴らす)
- hold a misconception about ~(~について誤解を持つ)
3. 語源とニュアンス
語源
- “misconception”は、Middle English(中英語)の頃から続く “mis-”という接頭辞と、“conception”の組み合わせによる造語です。“mis-”は古英語で「間違い」を表すことで知られ、人が抱く概念やアイデアが「誤った形」であることを意味します。
ニュアンス
- 使用シーン: 学術論文やニュース記事、議論など、ややフォーマルな場面で使われやすいですが、口語でも「あなたは誤解してるよ」というような軽いニュアンスで使うことも可能です。
- 注意点: 「misunderstanding」との違いは、しばしば「misconception」はより体系的・根本的な誤解を指すことが多い点です。話し合いの中の一時的なすれ違いではなく、持続的・根本的な誤ったイメージを指す傾向があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「a misconception」「two misconceptions」のように数えられます。
- 一般的な構文例
- “There is a common misconception that …”
- “It’s a misconception to assume that …”
- “Correcting misconceptions about …”
- “There is a common misconception that …”
使用シーン(フォーマル/カジュアル)
- フォーマル: 論文やビジネスミーティングなどで誤った認識を指摘するとき
- カジュアル: 日常会話でも「Oh, that’s a misconception!」のように間違いを軽く指摘するとき
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例文
- “There’s a misconception that eating late at night always makes you gain weight.”
(夜遅くに食べると必ず太るという誤解があるんだよね。) - “It’s a common misconception that coffee stunts your growth.”
(コーヒーを飲むと背が伸びなくなるというのはよくある誤解だよ。) - “Many people have the misconception that cats don’t like their owners.”
(猫は飼い主を好きじゃない、という誤解を持つ人が多い。)
ビジネスシーンでの例文
- “We need to address the misconception that our product is only for large enterprises.”
(私たちの製品が大企業向けだけだという誤解に対処する必要があります。) - “There’s a widespread misconception about the cost structure of our services.”
(当社のサービスのコスト構造について広範囲にわたる誤解があります。) - “We’ll launch a new campaign to dispel any misconceptions about our brand.”
(私たちのブランドに関するいかなる誤解をも払拭するため、新キャンペーンを行います。)
学術的/専門的な文脈での例文
- “The research aims to correct misconceptions regarding the efficacy of this vaccine.”
(その研究は、このワクチンの有効性に関する誤解を正すことを目的としています。) - “A prevalent misconception in this field is that correlation equals causation.”
(この分野で一般的に広がっている誤解は、相関が因果関係を意味すると考えることです。) - “The study dispels the long-standing misconception that memory is static and unchanging.”
(その研究は、記憶が固定的で変化しないという長年の誤解を解いています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- misunderstanding(誤解)
- 個別の事柄を取り違える、といった日常的な誤解を指すことが多い。
- 個別の事柄を取り違える、といった日常的な誤解を指すことが多い。
- fallacy(誤った推論/考え方)
- 論理的に誤りがある際に用いられる語。
- 論理的に誤りがある際に用いられる語。
- myth(神話/根拠のない俗説)
- 必ずしも誤解と同義ではないが、多くの人が信じる根拠のない通説を指す。
反意語
- correct understanding(正しい理解)
- fact(事実)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˌmɪs.kənˈsɛp.ʃən/
- アクセントは “-cep-” の部分(第3音節目)に強勢があります。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな差はありませんが、アメリカ英語ではやや “mɪs-kən-” 部分が短めの音になりやすい傾向があります。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな差はありませんが、アメリカ英語ではやや “mɪs-kən-” 部分が短めの音になりやすい傾向があります。
- よくある発音の間違い: 最初の “mis-” と “con-“ の間を強く発音しすぎて “MIS-CON-ception” となるケースがありますが、実際には中間の “kən” は弱く発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “misconception” の “mis-” と “-tion” が混同されやすい。とくに “misconseption” と誤って綴る人がいます。
- 同音異義語と間違えやすい単語: 「misconception」は特に同音異義語は多くありませんが、「misunderstanding」と意味が混同されがち。どちらも「誤解」を表しますが、 “misconception” はより「根底にある考え方の誤り」を強調するニュアンスがあります。
- 試験対策: TOEICや英検でも、中程度以上のレベルで “common misconception” のようにセットで出題されることがあります。推測問題や文章内のコンテクストで正しい意味を把握する力が試されることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “mis-”を「ミス」と覚えると「ミスによる考え(conception)」=「間違った考え」とイメージしやすいです。
- スペルの最後は “-tion” なので、「miss + con + cept + ion」と4つに区切って覚えるとよいです。
- イメージトレーニングとして「誤ったメガネをかけたまま物事を見ている状態」と考えるとしっくりくるかもしれません。
以上が、名詞 “misconception” の詳細な解説です。
「root(語根)」+「mis-(誤)」+「-ion(名詞化)」を意識しながら学習すれば、関連語も理解しやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
誤解,誤認,思い違い