mastery
1. 基本情報と概要
単語: mastery
品詞: 名詞 (不可算名詞)
意味(英語):
• The complete control, knowledge, or understanding of a subject or skill
意味(日本語):
• ある物事や分野を完全にコントロールし、熟知・熟練している状態
「mastery」は、「何かを完全に習得している」「自分の思い通りに扱えるほどのレベルで理解やスキルを身につけている」というニュアンスの単語です。学習者が「一通り学べた」状態ではなく、「非常に高いレベルの理解やスキルを持つ」ことを表すときに使われます。
活用形:
- mastery は名詞で、複数形はとりません(不可算名詞として扱われることが多い)。
例: (×) masteries → 通常は使わない
他の品詞になったときの例:
- master (名詞 / 動詞): 「主人」「師匠」 / 「習得する」
- masterful (形容詞): 「巧みな」「熟練した」
CEFRレベルの目安:
- C1(上級):高度な語彙力を必要とする文脈で使われる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- master(元の語幹) + -y(名詞化の接尾辞)
「master(熟練者・支配する)」の概念から派生し、「熟練状態」「習熟度」を表す名詞になっています。
よく使われる共起表現(コロケーション)10選
- have mastery over 〜
(〜を完全に掌握している) - achieve mastery
(熟達を達成する) - demonstrate mastery
(熟練度を示す) - gain mastery in 〜
(〜で熟達を得る) - linguistic mastery
(言語の熟達) - technical mastery
(技術的な熟達) - complete mastery
(完全なる習得) - mastery of a subject
(ある科目・分野の熟練) - practical mastery
(実践的な熟練度) - mastery approach
(習熟を重視するアプローチ)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 中英語 (Middle English) の maistrie、アンゴ=フランス語 (Anglo-French) の maistrie からきており、maistre(= master の古形)に由来します。
- 「主導権を握る」「他を凌駕する」「熟練する」といった意味合いがもとになり、そこから「熟達度」「制御能力」を表すようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「mastery」は特に高度なスキルや大きな熟達度を示すときに使われます。
- 堅めの文章やフォーマルなシーン、学術的文脈でもよく見られますが、カジュアルな場面でも「すごい習得ぶり」を言いたい時に使う場合があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 不可算名詞として用いられるのが一般的です。通常は「(a) mastery of 〜」と冠詞なし、もしくは the や some などの限定詞をつけて「the mastery of 〜 / some mastery of 〜」という形で使われます。
- 前置詞としては「of」や「over」をよく伴います。
- mastery of a subject / mastery over a skill など
例:
- have mastery of the language (その言語を熟達している)
- seek mastery over one’s emotions (感情を制御しようとする)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“I admire your mastery of cooking; everything you make tastes amazing!”
(あなたの料理の腕前には感心するよ。何を作ってもすごくおいしいからね。)“Her mastery in playing the piano is evident from her flawless performance.”
(ピアノを弾く彼女の熟練ぶりは、完璧な演奏から見て明らかだよ。)“I'm working towards mastery of this video game level, but it's really tough.”
(このゲームのステージをマスターしようとしてるんだけど、すごく難しいんだよね。)
(2) ビジネスシーンでの例文
“John’s mastery of negotiation tactics has significantly improved our client relationships.”
(ジョンは交渉術に非常に長けているので、顧客との関係が大幅に改善しました。)“We’re looking for candidates who demonstrate a strong mastery of project management.”
(私たちはプロジェクト管理に高い熟達度を示す人材を探しています。)“Her mastery of data analysis sets her apart from other applicants.”
(データ分析のスキルがずば抜けていることが、彼女を他の応募者と一線を画す理由です。)
(3) 学術的な文脈での例文
“Achieving mastery in a foreign language often requires immersive study and consistent practice.”
(外国語を習熟するには、現地での学習や継続的な練習が不可欠です。)“The scholar’s mastery of ancient texts allowed her to publish groundbreaking research.”
(その学者は古文献を巧みに扱えるため、画期的な研究成果を発表できました。)“His mastery in theoretical physics is evident in the complexity of his publications.”
(理論物理学における彼の熟達ぶりは、彼の論文の高度さを見れば明らかです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- proficiency(熟達、習熟度)
- 「ある能力や技術を十分に身につけている」という点で似ていますが、「mastery」が「完全に使いこなす」ニュアンスが強いのに対し、「proficiency」は「かなり高い技能や知識がある」程度の幅広いレベルにも使えます。
- 「ある能力や技術を十分に身につけている」という点で似ていますが、「mastery」が「完全に使いこなす」ニュアンスが強いのに対し、「proficiency」は「かなり高い技能や知識がある」程度の幅広いレベルにも使えます。
- expertise(専門知識・熟練技能)
- どちらも高いレベルのスキルを示しますが、「expertise」はより専門性やプロとしての見識を強調する傾向があります。
- どちらも高いレベルのスキルを示しますが、「expertise」はより専門性やプロとしての見識を強調する傾向があります。
- command(自在に扱う能力)
- “have a good command of English” などで見られるように、言語などを「自由に操る能力」を示します。「mastery」と同様の意味ですが、やや口語的な印象です。
- “have a good command of English” などで見られるように、言語などを「自由に操る能力」を示します。「mastery」と同様の意味ですが、やや口語的な印象です。
反意語
- incompetence(無能、無力)
- 意味合いは真逆で、「能力や知識に欠けている」状態を表します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ˈmæstəri/
- イギリス英語: /ˈmɑːstəri/
アクセント:
- 最初の音節 “mas-” にアクセントがあります。
よくある発音ミス:
- “master” (マスター) との混同で “マスターリー” と伸ばしすぎることがありますが、実際には “mas-ter-y” と3音節で、真ん中の “ter” は弱めに発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「mystery」と混同することがあるので注意。
- mastery(熟達) / mystery(謎)
- mastery(熟達) / mystery(謎)
- 「master’s」との混同: master’s は「修士課程」や「〜の所有格」を示す場合がありますが、「mastery」とは意味が全く異なります。
- TOEICや英検での出題傾向:
- 高度な語彙力を問うReadingセクションや、熟達度や能力を問う設問などで見かける可能性があります。
- 「熟達」のレベルを表す選択肢として “mastery” という単語が出ることもあるので、単語の意味・用法を押さえておくと有利です。
- 高度な語彙力を問うReadingセクションや、熟達度や能力を問う設問などで見かける可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「master(師匠・マスター)」が「-y」という形をとって「熟達状態」を表す、とイメージすると覚えやすいでしょう。
- 発音のポイントは「mas- (短め/強調) + ter (弱め) + y」。「master」+「-y」を意識すると音の変化が理解しやすいです。
- 勉強テクニックとしては、「何度も繰り返して『習得する』」という「master」自体の動詞的な感覚を覚え、そこから名詞形の「mastery=完全な習熟」に繋げると記憶に残りやすいです。
「mastery」は、単なる上手い・できるというレベルを超えた「自在にコントロールできる」くらいの高度な習熟度を表す重要単語です。ぜひ自分の得意分野やスキルに対して「mastery」を目指してみてください!
(…に対する)支配,統御《+of(over)+名》
(…に)熟達していること,精進していること《+of+名(do*ing*)》