元となった辞書の項目
lance
IPA(発音記号)
名詞
(槍騎兵(そうきへい)が突撃のときに使う)やり / (魚を突く)やす,もり / 槍騎兵(=lancer) / =lancet / …‘を'やりで突く / …‘を'ランセット(lancet)で切開する / …‘を'投げつける,投げ飛ばす
解説
以下では、英単語 “lance” をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: lance
品詞: 名詞 (主に「槍」の意味で使われる)
※「lance」は動詞として「 lance a boil(腫れ物を切開する)」のように使われることもありますが、ここでは名詞としての意味を中心に解説します。
英語での意味:
- A long weapon with a pointed steel head used by knights and cavalry.
日本語での意味:
- 「長槍」「騎士が使う槍」のこと。長い棒状の武器で先端がとがっています。
騎士や中世の戦いをイメージさせる、少しかためで歴史的なニュアンスのある単語です。
活用形と他の品詞
- 名詞として複数形は lances。
- 動詞としては「to lance 〜」(〜を突き刺す、または外科的に切開する)という形になります。
- 例: “The doctor decided to lance the boil.” (医者は腫れ物を切開することにした)
CEFRレベル(目安):
- B2(中上級): 「lance」は日常的に使われる単語ではありませんが、一部の文学作品や歴史的文脈で見かける可能性があります。中上級レベルぐらいで学習することがあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: なし
- 語幹: “lance”
- 接尾語: なし
もともと「槍」を意味するシンプルな語です。古フランス語などを経て現代英語に入ったため、はっきりとした接頭・接尾語の区別はありません。
関連語・派生語
- Lancer: 槍兵、ランサー(騎兵の一種)
- Lancing: 動詞 lance の現在分詞形(医療行為の切開など)
コロケーション(共起表現)10選
- “a knight’s lance”
- (騎士の槍)
- (騎士の槍)
- “cavalry lance”
- (騎兵の長槍)
- (騎兵の長槍)
- “wooden lance”
- (木製の槍)
- (木製の槍)
- “the tip of the lance”
- (槍の先端)
- (槍の先端)
- “wield a lance”
- (槍を振る)
- (槍を振る)
- “break a lance”
- (槍が折れる/槍試合で折れる)
- (槍が折れる/槍試合で折れる)
- “lance in jousting”
- (馬上槍試合で使われる槍)
- (馬上槍試合で使われる槍)
- “long lance”
- (長い槍)
- (長い槍)
- “to draw a lance”
- (槍を構える)
- (槍を構える)
- “decorative lance”
- (装飾用の槍)
3. 語源とニュアンス
語源
- 語源: ラテン語の “lancea” から古フランス語 “lance” を経由して英語へ。
- 中世ヨーロッパにおける騎士文化と深く関係しており、騎馬戦や馬上槍試合(jousting)などで使われた長槍を指します。
ニュアンス・使用時の注意
- 主に歴史や文学、ファンタジー作品の文脈で出てくる単語です。日常会話ではあまり使いません。
- 現代で医療用語で使われる “to lance” は、比喩的に「切開する・突き開ける」を指すほか、「槍を構えて突くように切り開く」イメージをもった古風な表現です。
- 文章でも口語でも使えますが、歴史的・特定の文脈(ファンタジーや医療等)に限定されるのでフォーマル/カジュアルというより専門的・特定シーン向けです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (可算名詞):
- “a lance” / “two lances”
- “a lance” / “two lances”
- 動詞 (他動詞):
- 例: “to lance something” (何かを切開する、突き刺す)
- フォーマルというよりは専門語や文学的表現になりやすいです。
- 例: “to lance something” (何かを切開する、突き刺す)
一般的な構文・イディオム
- “to break a lance with someone”
- 昔の慣用句で、「(槍試合をするように)論争する、競い合う」の比喩表現。現在では古風または文学的表現。
- 昔の慣用句で、「(槍試合をするように)論争する、競い合う」の比喩表現。現在では古風または文学的表現。
- “to lance a boil”
- 医療の現場で使われるフレーズで、「腫瘍やできものを切開する」こと。
5. 実例と例文
ここでは文脈ごとに例文を示します。
日常会話 (あまり頻繁には登場しませんが、ファンタジー好きなどの文脈想定)
- “I saw a medieval knight holding a lance at the festival.”
- (お祭りで中世の騎士が槍を持っているのを見たよ。)
- “He collected replica lances as a hobby.”
- (彼は趣味でレプリカの槍を集めていました。)
- “The museum displayed an ancient lance from the 15th century.”
- (その博物館には15世紀の古い槍が展示されていました。)
ビジネスシーン(医療現場の連想含む)
- “Our clinic sometimes needs to lance small abscesses.”
- (当院では時々、小さな膿瘍を切開する必要があります。)
- “The procedure to lance the cyst must be done carefully.”
- (嚢胞を切開する処置は慎重に行わなければなりません。)
- “The surgeon used a sterile blade to lance the swelling.”
- (外科医は腫れを切開するのに滅菌したメスを使いました。)
学術的・歴史的文脈
- “The cavalry relied on the lance for close combat in medieval warfare.”
- (中世戦争において、騎兵は接近戦で槍に頼っていました。)
- “Historical texts describe how knights trained with the lance.”
- (歴史書には、騎士が槍の訓練をどのように行ったかが記されています。)
- “Jousting tournaments showcased the knights’ skill with the lance.”
- (馬上槍試合は、騎士の槍さばきの技量を披露する場でした。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- Spear (槍): より一般的な「槍」を指します。lance は特に騎士や騎兵が使う長槍または馬上槍のニュアンス。
- Pike (パイク): 歩兵用の長い槍。騎兵用ではなく、投げる目的にもあまり使いません。
- Polearm (ポールアーム): 「柄の長い武器」の総称。槍や薙刀、斧槍など広義に含みます。
反意語 (Antonyms)
- 「lance」に直接対立する“武器でないもの”や“盾”などを反意語とすることはあまりありません。明確な反意語は存在しないと言えます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /læns/ (語中の “a” はカタカナ表記なら「ランス」)
- イギリス英語: /lɑːns/ (少し長めに「ラーンス」っぽくなる)
- アメリカ英語: /læns/ (語中の “a” はカタカナ表記なら「ランス」)
- 強勢(アクセント):
- “lance” の “l” の前に特別な弱音はなく、単音節語なので、そのまま /læns/ (米) /lɑːns/ (英) と発音します。
- “lance” の “l” の前に特別な弱音はなく、単音節語なので、そのまま /læns/ (米) /lɑːns/ (英) と発音します。
- よくある間違い:
- “launch”(打ち上げる)と混同しやすいですが、スペルと音が微妙に異なります (“lance” vs. “launch”)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル:
- “lance” を “launch” や “lanch” と誤記しないよう注意してください。
- “lance” を “launch” や “lanch” と誤記しないよう注意してください。
- 同音異義語との混同:
- 同音異義語としてはあまりありませんが、読みやすさから “lance” と “lens” が混同されることもまれにあります。
- 同音異義語としてはあまりありませんが、読みやすさから “lance” と “lens” が混同されることもまれにあります。
- 試験対策:
- TOEICなどの日常ビジネス英語ではほとんど出題されません。英検の読解や、大学入試の文学的な英文でまれに登場する可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ランス」という日本語表記から、中世ファンタジー・騎士のイメージを思い浮かべましょう。
- 「ランサー」(槍兵)という言葉から派生をイメージすると覚えやすいです。
- 医療的文脈「lance a boil」として「腫れ物に槍を当てるイメージ」=「切開する」という連想で記憶しやすいです。
以上が “lance” という名詞の詳細な解説です。
中世の騎士による馬上槍試合や、医療現場での切開イメージがある単語だと覚えておくと、はっきり記憶に残るでしょう。
意味(1)
(槍騎兵(そうきへい)が突撃のときに使う)やり
意味(2)
(魚を突く)やす,もり
意味(3)
槍騎兵(=lancer)
意味(4)
=lancet
意味(5)
…‘を'やりで突く
意味(6)
…‘を'投げつける,投げ飛ばす
意味(7)
…‘を'ランセット(lancet)で切開する