元となった辞書の項目
expert
解説
1. 基本情報と概要
単語: expert
品詞: 形容詞(名詞としても使われます)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 「専門的な」「熟練した」という意味です。英語では “having special skill or knowledge” のように説明されます。
- 「expert」は、ある分野で高度な知識や技術を持っている人(名詞)またはその状態(形容詞)を表す単語です。「こういう場面で使われる」「こういうニュアンス」という点では、「専門家レベルの熟練度を持つ」といった感覚があります。
活用形:
- 形容詞: expert
- 比較級や最上級は一般的には使われませんが、文脈によって“more expert”や“most expert”とする場合もあります(一般的ではなく少し硬い表現です)。
他の品詞形:
- 名詞: an expert (専門家)
- 副詞: expertly (熟練して)
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: 「expert」は、ラテン語の「experīrī(試す、経験する)」を語源とし、「経験から熟練した」といったニュアンスがあります。
- 接頭語・接尾語として明確に分かれる部分はありませんが、「expert」自体が「ex(外へ)+peritus(経験豊富な)」が変化した形ともいわれます。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- expert advice (専門的なアドバイス)
- expert opinion (専門家の意見)
- expert knowledge (高度な知識)
- expert witness (専門家証人)
- expert at something (何かに熟達している)
- highly expert (非常に熟練した)
- expert skill (熟練した技術)
- financial expert (金融の専門家)
- legal expert (法律の専門家)
- become an expert in... (~の専門家になる)
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の「experīrī」(試す、経験する)からきています。試行錯誤によって身につけた知識や技能を強調する形容詞(または名詞)として発達しました。
- ニュアンス: 「expert」は、単に「上手」と言うよりも、非常に高い専門性を有し、しっかりとしたトレーニングや経験を経て身につけられた能力を指します。熟練度を強く感じさせるため、フォーマル/カジュアルを問わず使われやすい単語ですが、特にビジネスや専門的な場面でよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての用法: 「He is expert in computer programming.(彼はコンピュータプログラミングに熟達している)」のように、be動詞の補語として用いられます。
- 名詞としての用法: 「He is an expert in computer programming.(彼はコンピュータプログラミングの専門家だ)」
- 可算名詞として使われる場合は「an expert / experts」のように不定冠詞や複数形を用います。形容詞としては冠詞なしでそのまま使います。
- 「expert on/at/in + 名詞/動名詞」の前置詞の使い分け
- expert at: 熟練した「行為・技術」
- expert in: 分野や学問分野
- expert on: もっと専門的な領域・トピック
- expert at: 熟練した「行為・技術」
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “He’s really expert at fixing bikes.”
- 「彼は自転車修理が本当に得意です。」
- 「彼は自転車修理が本当に得意です。」
- “I’m not expert enough to give you advice on that.”
- 「私はそれについてアドバイスをするほど熟練していないよ。」
- 「私はそれについてアドバイスをするほど熟練していないよ。」
- “She’s an expert dance teacher.”
- 「彼女は熟練したダンス教師です。」
(2) ビジネスシーンでの例文
- “We hired an expert consultant to optimize our processes.”
- 「私たちは業務プロセスを最適化するために専門家のコンサルタントを雇いました。」
- 「私たちは業務プロセスを最適化するために専門家のコンサルタントを雇いました。」
- “This report was prepared by an expert in market analysis.”
- 「このレポートは市場分析の専門家によって作成されました。」
- 「このレポートは市場分析の専門家によって作成されました。」
- “He gave us expert guidance on expanding into new markets.”
- 「新しい市場への進出に関して、彼は専門家としての指針を示してくれました。」
(3) 学術的な文脈での例文
- “Expert review is essential before publishing scientific articles.”
- 「科学論文を出版する前に専門家による査読は不可欠です。」
- 「科学論文を出版する前に専門家による査読は不可欠です。」
- “Several expert opinions pointed out potential biases in the experiment.”
- 「いくつかの専門家の意見が、その実験には潜在的な偏りがあることを指摘しました。」
- 「いくつかの専門家の意見が、その実験には潜在的な偏りがあることを指摘しました。」
- “He provided an expert assessment of the archaeological findings.”
- 「彼はその考古学的発見に専門家としての評価を提示しました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- skilled(熟練した)
- 「expert」ほどの専門性を強調するわけではなく、より一般的に「技術がある」というニュアンス。
- 「expert」ほどの専門性を強調するわけではなく、より一般的に「技術がある」というニュアンス。
- proficient(堪能な)
- 「かなり高い能力を持つ」という意味で、技能や言語などに長けているときに使われる。
- 「かなり高い能力を持つ」という意味で、技能や言語などに長けているときに使われる。
- masterful(熟達した)
- 「卓越した」「見事な」といった表現で、より芸術的なニュアンスを含む場合が多い。
- 「卓越した」「見事な」といった表現で、より芸術的なニュアンスを含む場合が多い。
反意語
- amateur(アマチュア、未熟者)
- 専門的には従事していない、または趣味や練習中というニュアンス。
- 専門的には従事していない、または趣味や練習中というニュアンス。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈɛk.spɜːrt/ (米: /ˈɛk.spɚt/)
- アクセント: 第1音節 “ex” に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語: アメリカ英語では “r” が強く発音され(/ˈɛk.spɚt/)、イギリス英語では「アール」があまりはっきりしない(/ˈɛk.spɜːt/)発音が一般的です。
- よくある発音ミス: “ex” の部分が「イックス」ではなく「エクス」に近い発音であること、語尾の “t” もしっかり意識しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “expert” を “exper” や “exprt” と書き落としやすいので注意。
- 同音異義語: 似た発音の単語は少ないですが、「export(輸出する)」と混同しないように気を付けましょう。
- TOEIC・英検などでの出題傾向: ビジネス文書や会議、専門家のコメントなどのリスニング・リーディング問題で「expert」の用例が出題されることがあります。前置詞との組み合わせ(expert in / on / at)を問われるケースもあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「熟練度を”試す”(ラテン語:experīrī)ことで専門性を得た」─「試す・経験する」イメージで覚えると良いでしょう。
- 「ex(外へ)+ peritus(経験豊富な)」のイメージで「内に秘めた技術を外に発揮できる人」というように覚えるのも面白いです。
- スペルは「ex」のあとに「p」が続くことを意識して、かつ「expert」に強い “t” で終わる、と音読練習すると定着しやすいでしょう。
以上が形容詞「expert」の詳細な解説です。専門的な能力を表現する際、名詞・形容詞いずれも頻出なので、用法をしっかり押さえておくと便利です。
意味のイメージ
意味(1)
(特定の知識・技術に)熟達した,熟練の,名手の
意味(2)
専門家の(による),権威のある