元となった辞書の項目
embrace
解説
1. 基本情報と概要
単語: embrace
品詞: 動詞 (他動詞 かつ 自動詞としても使われることがある)
活用形:
- 現在形: embrace
- 三人称単数現在形: embraces
- 過去形: embraced
- 過去分詞形: embraced
- 現在分詞形: embracing
意味 (英語)
- To hold someone or something closely in one's arms, especially as a sign of affection.
- To accept or support (a belief, change, or idea) willingly and enthusiastically.
意味 (日本語)
- 誰かや何かを腕でしっかりと抱きしめること。スキンシップとしての抱擁を含みます。
- (考え方・変化・アイデアなどを)積極的に受け入れること、歓迎すること。
「腕で包みこむ感じ」「心から歓迎する気持ちを表す動作や態度」というニュアンスがあります。体を抱きしめるだけでなく、新しい考え方などを「受け入れる・取り込む」意味にも使われます。
他の品詞例
- 名詞形: embrace(「抱擁」や「受け入れ」を表す名詞として使うこともあります)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 抽象的な概念の受容や感情表現など、やや高度な語感を伴うため。
- B2: 中上級レベル。抽象的話題についてもある程度表現できるレベルの単語。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- em-: ラテン語の接頭辞「en- (中に)」の変化形。
- brace: ラテン語由来の「腕(bracchium)」からきているとされる語源に近い要素。
「腕の中に取りこむ」のイメージが説として考えられています。
派生語・類縁語
- embraceable (形容詞): 抱きしめられるような、受け入れられるような
- emphasis (強調) は直接の派生語ではありませんが、同じ接頭辞「em-」(中に) をもつ単語として挙げられます。意味上の繋がりは薄いので注意。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- embrace an idea(アイデアを受け入れる)
- embrace a change(変化を歓迎する)
- embrace diversity(多様性を受け入れる)
- embrace an opportunity(機会を積極的に活かす)
- warmly embrace(温かく抱きしめる/受け入れる)
- fully embrace (something)(何かを十分に取り入れる)
- openly embrace(オープンに受け入れる)
- embrace a challenge(挑戦を受け入れる、立ち向かう)
- mutual embrace(お互いを抱きしめ合うこと)
- embrace one’s fears(恐れを受け止める)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の in(中に)+ bracchium(腕)→「腕の中に抱き込む」
- 英語に取り入れられたのは中世フランス語 (en)bracer を経由とされます。
ニュアンス
- 肉体的にも精神的にも「包みこむ・積極的に受け入れる」イメージ。
- 愛情や温かさを含む行為・態度を示す場合が多い。
- ビジネス文書やフォーマルな会話でも「新しいシステムを受容する」という意味で使われる。
- カジュアルな場面でも「抱きしめる」の意味で日常会話に登場する。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞としての用法
- “embrace + 目的語” で、「~を抱きしめる」「~を(勇気や熱意をもって)取り入れる」と表す。
- 例: “They embraced each other before saying goodbye.”
- “embrace + 目的語” で、「~を抱きしめる」「~を(勇気や熱意をもって)取り入れる」と表す。
自動詞としての用法
- 稀ですが “embrace” が文脈によって「互いに抱き合う」というニュアンスを持つことがある。
- 例: “They embraced passionately.” (2人が抱き合った)
- 稀ですが “embrace” が文脈によって「互いに抱き合う」というニュアンスを持つことがある。
名詞としての用法
- “an embrace” は「抱擁」「受容」を表す可算名詞。
- “an embrace” は「抱擁」「受容」を表す可算名詞。
構文・イディオム例
- “embrace the future”: 未来に対する積極的な姿勢を示す。
- “keep an open embrace”: 受け入れるための姿勢を維持する(ややフォーマル)。
- “embrace the future”: 未来に対する積極的な姿勢を示す。
フォーマル/カジュアルな場面いずれでも、意味の違いを把握して使うのが大切です。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Come here and give me a big embrace!”
(おいで、大きくハグして!) - “I love how my parents always embrace me when I come home.”
(実家に帰ると、両親がいつも抱きしめてくれるところが好きなんだ。) - “She embraced her friend tightly at the airport.”
(彼女は空港で友人をぎゅっと抱きしめた。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Our company decided to embrace new technologies to stay competitive.”
(競争力を保つために、我が社は新技術を積極的に導入することに決めた。) - “Let’s embrace these challenges and find creative solutions.”
(これらの課題を進んで受け入れて、創造的な解決策を探しましょう。) - “To succeed in the global market, we must embrace cultural differences.”
(グローバル市場で成功するためには、文化の違いを受け入れなければなりません。)
学術的・フォーマルな場面での例文(3つ)
- “The theory was widely embraced by the scientific community.”
(その理論は科学界で広く支持された。) - “Educators have increasingly embraced new pedagogical approaches to enhance learning.”
(教育者たちは学習を促進するために新しい教授法をますます取り入れている。) - “Her research paper embraces diverse perspectives on the topic.”
(彼女の研究論文は、そのテーマに関する多様な観点を取り入れている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- hug(ハグする)
- ニュアンス: 抱きしめる行為に焦点。感情のこもった動作としてカジュアルに使う。
- 比較: “hug” は身体的な「抱きしめる」に強くフォーカス。 “embrace” は身体的な抱擁だけでなく抽象的な「受け入れる」意味も含む。
- ニュアンス: 抱きしめる行為に焦点。感情のこもった動作としてカジュアルに使う。
- welcome(歓迎する)
- ニュアンス: 人やアイデアなどを快く受け入れる。
- 比較: “embrace” のほうが「積極的に包み込む」といった温かいイメージが強い。
- ニュアンス: 人やアイデアなどを快く受け入れる。
- adopt(採用する、取り入れる)
- ニュアンス: アイディア・システムを正式に採用する。
- 比較: “embrace” はやや感情を伴い、「積極的に・歓迎して」取り入れるニュアンス。
- ニュアンス: アイディア・システムを正式に採用する。
反意語
- reject(拒絶する)
- resist(抵抗する)
- oppose(反対する)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪmˈbreɪs/
- アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いはほぼなし。どちらも /ɪmˈbreɪs/ で、アクセントは第2音節の“brace”にあります。
- よくある間違い: “em-bur-ace” のように発音してしまうケース。正しくは “im-” と短く、そして “-brace” に伸ばすような発音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “embrance” と書いてしまうミスが多い。正しくは “embrace”。
- 同音異義語との混同: “embrace” と似た発音の単語は特に目立たないが、音や綴りを混同しないように注意。
- 試験対策: TOEICや英検などで「受け入れる・採用する」の意味で選択肢に出る場合がある。問題文中の文脈を確認して「歓迎する・採用する」といった意味で正解を導こう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「腕 (arm) の中へ(em)取りこむ(brace)」という感覚で「しっかり抱きしめる」という絵を思い浮かべると覚えやすいです。
- 覚え方: “em-” は “in, into” の意味を持つことが多い → inside に腕(brace)を回す → “embrace”。
- 勉強テクニック: “embrace diversity” といったフレーズで連想しておくと、抽象的な“受け入れる”の意味も一緒に定着しやすいです。
以上が、動詞 “embrace” の詳細な解説です。身体的な抱擁から抽象的な受容や歓迎まで幅広い意味を持ち、あたたかくポジティブなニュアンスがある動詞です。学習や日常会話、ビジネスでの活用にもぜひ役立ててください。
意味のイメージ
意味(1)
(愛情の表れとして)…‘を'抱きしめる,抱擁する
意味(2)
《文》〈物が〉…‘を'取り巻く,囲む(surround)
意味(3)
《文》〈機会など〉‘を'捕らえる,〈申し出など〉‘を'喜んで受ける
意味(4)
…‘を'含む
意味(5)
抱き合う
意味(6)
抱擁,抱き合い