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corporal
解説
1. 基本情報と概要
単語: corporal
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): relating to or affecting the body
意味(日本語): 身体(肉体)に関するもの、身体的な
「corporal」は「身体の、肉体の」というニュアンスを持ち、たとえば「corporal punishment(体罰)」のように、身体的に影響を与えるような文脈でよく使われます。比較的かたい、フォーマルなニュアンスがあります。
- 活用形: 形容詞のため、直接的な活用(変形)はほとんどありません。
他の品詞形: もともと名詞の“corporal”もあり、これは軍隊における下士官の階級を表します(例: “He was promoted to corporal.”)。ただし、これとはスペルも発音も同じですが、品詞によって文脈が異なります。
CEFRレベル: C1(上級)
- 「corporal」は日常会話で頻用される単語ではなく、ややフォーマルな文脈や教育現場(「体罰」を論じる際など)で目にすることが多い「上級」レベルの単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源・語幹: 「corp- / corpor-」はラテン語で「身体」を意味する“corpus”に由来します。
- 接頭語・接尾語: 特に明確な接頭語・接尾語は含まれていませんが、形容詞を示す “-al” の要素は、ラテン由来の多くの英語形容詞にみられます。
関連語・派生語
- corporeal: 「身体の、肉体上の」(やや難しめの形容詞)
- corpse: 「死体」
- corpus: 「文書集、全集、言語資料」または「身体」(ラテン語の原形)
- incorporate: 「組み入れる、合体させる」
- corporate: 「企業の、法人の」
よく使われるコロケーション(10選)
- corporal punishment
- (日本語: 体罰)
- (日本語: 体罰)
- corporal suffering
- (日本語: 肉体的な苦痛)
- (日本語: 肉体的な苦痛)
- corporal needs
- (日本語: 肉体的な必要性)
- (日本語: 肉体的な必要性)
- corporal deficiency
- (日本語: 肉体的な不足・欠陥)
- (日本語: 肉体的な不足・欠陥)
- corporal form
- (日本語: 肉体の姿)
- (日本語: 肉体の姿)
- corporal presence
- (日本語: 物理的な存在)
- (日本語: 物理的な存在)
- corporal injury
- (日本語: 肉体的な負傷)
- (日本語: 肉体的な負傷)
- corporal vulnerability
- (日本語: 肉体的な弱さ)
- (日本語: 肉体的な弱さ)
- corporal reality
- (日本語: 肉体的(現実的)実在)
- (日本語: 肉体的(現実的)実在)
- corporal aspect
- (日本語: 肉体面)
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語“corpus”=「身体」 → “corporalis” → 中世英語経由で“corporal”に。
- 歴史的用法: 中世ヨーロッパでは特に宗教文献などで「身体的な懲罰」について渡り合う際、しばしば“corporal”という形容詞が用いられました。
- ニュアンス・注意点:
- 「身体的な」という意味で使われますが、現代では主に「体罰(corporal punishment)」の文脈で目にする機会が多く、ややフォーマルな響きを持ちます。
- 口語的というよりは文章や公的な場面で多く登場する単語です。
- 「身体的な」という意味で使われますが、現代では主に「体罰(corporal punishment)」の文脈で目にする機会が多く、ややフォーマルな響きを持ちます。
4. 文法的な特徴と構文
形容詞としての用法
- 「身体的な」という意味を修飾する場合に使用。
- 例: “corporal punishment,” “corporal suffering,” など。
- 「身体的な」という意味を修飾する場合に使用。
名詞(軍隊の階級)としての“corporal”
- これはまったく別の概念ですので、文脈で区別を要します。
- これはまったく別の概念ですので、文脈で区別を要します。
使用シーンの特徴
- フォーマルな文書、論文、議論などで多用されやすい。
- 口語ではあまり使われず、話し言葉でも「身体的な」と言いたい場合は “physical” を使うことの方が多い。
- フォーマルな文書、論文、議論などで多用されやすい。
可算・不可算の区別
- 形容詞なので可算・不可算はありません。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Some schools used to allow corporal punishment, but it’s now banned here.”
(いくつかの学校では昔、体罰が許されていたけど、今はここでは禁止されているよ。) - “He’s writing a paper on corporal punishment for his criminology class.”
(彼は犯罪学の授業で、体罰に関するレポートを書いているよ。) - “I’m not a supporter of any form of corporal discipline at home.”
(私は家庭でのどんな形の体罰も支持していません。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Our organization strictly prohibits any form of corporal penalty in training.”
(当社は研修でいかなる肉体的な罰を科すことも厳しく禁止しています。) - “The new policy outlines guidelines against corporal forms of harassment.”
(新しい方針は、身体的なハラスメントの防止策を定めています。) - “We had a seminar on the ethical issues of corporal punishing methods in education.”
(教育における体罰の倫理的問題に関するセミナーが行われました。)
(3) 学術的・専門的な文脈での例文
- “The study examines the psychological effects of corporal punishment on adolescents.”
(その研究は、思春期の子どもたちにおける体罰の心理的影響を検証しています。) - “Historically, corporal sanctions were common in many legal systems.”
(歴史的に、多くの法体系で身体刑は一般的でした。) - “In early modern Europe, corporal penalties were often administered publicly.”
(近世初期のヨーロッパでは、身体的な刑罰が公に執行されることが多かったです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- physical(身体の)
- 「実際に身体を伴う」という点で近いが、日常的かつ広い意味を持つ。
- 「実際に身体を伴う」という点で近いが、日常的かつ広い意味を持つ。
- bodily(身体的な)
- “bodily harm”などのフレーズで用いられるが、口語や法律用語で多用される。
- “bodily harm”などのフレーズで用いられるが、口語や法律用語で多用される。
- corporeal(有形の、物質的な)
- 文学的・哲学的文脈で「有形の」ことを言う際に使われる。
反意語 (Antonyms)
- mental(精神の)
- spiritual(精神的な、霊的な)
違い・使い分け
- “physical” のほうが一般的・口語的です。“corporal” はややフォーマルで「懲罰・刑罰」に関して使われることが多いという違いがあります。
- “bodily” は日常でもある程度使われ、特に「身体的被害」など法律的な表現でも見かけます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ˈkɔːr.pər.əl/
- イギリス英語: /ˈkɔː.pər.əl/
- アメリカ英語: /ˈkɔːr.pər.əl/
- 強勢(アクセント): 最初の音節「cor-」にアクセントがあります(/ˈkɔːr-/)。
- よくある発音の間違い: “corporeal” (コーポリアル) と混同しないように注意しましょう。“corporeal” は /kɔːrˈpɔːr.i.əl/ など、もう少し音節が長めです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “corpor*el” や “corporal*” のように綴りミスが起きやすい。
- 同音異義語・混同: “corporal” (形容詞:身体的な) と “corporal” (名詞:軍隊の階級) はスペル・発音が同じでも文脈が異なるので注意。
- 試験対策:
- TOEICや英検などにはそこまで頻出する単語ではありませんが、学術的な文脈や法律・教育関連の英語文章に触れる際には見かける可能性があります。
- 「体罰」というトピックは論述問題やリーディングで出題されやすいテーマでもあります。
- TOEICや英検などにはそこまで頻出する単語ではありませんが、学術的な文脈や法律・教育関連の英語文章に触れる際には見かける可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “cor-” はラテン語で「身体」を示す語根(“corpus”)から来ているので、「corp- = body」と覚えておくと他の派生語を理解しやすいでしょう。
- 「体罰(corporal punishment)」で覚えると印象が強いかもしれません。ニュースやドキュメンタリーなどで触れる機会もあります。
- “corp” は “corpse” や “corporation” などにも入っており、「肉体」「法人(人格)」を表す共通点で思い出すと記憶が定着します。
以上が形容詞“corporal”の詳細な解説です。身体に関わる文脈で使われるフォーマルな単語として、特に「体罰」のような法律・教育分野の話題とセットで覚えるとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
身体の,肉体の