元となった辞書の項目
coma
解説
名詞 “coma” の詳解
1. 基本情報と概要
英語: coma
日本語: 昏睡(こんすい)状態
「coma」は、医学的に「意識が長時間途絶えた状態」を指します。脳への重大な損傷や病気により、外部刺激にほとんど反応しない状態を表します。日常的に使われる場合は、「深い意識不明の状態」をイメージする言葉です。
- 品詞: 名詞 (countable/uncountable の区別は通常ないが、文脈によって可算名詞として扱われる場合もあります)
- 活用形: 名詞のため、複数形は “comas” として使われることがありますが、あまり一般的ではありません。
- CEFR レベル: B2 (中上級)
- 医学用語としては専門的ですが、ニュースやドラマなどでも登場するため、中上級レベルを目安としています。
他の品詞になった例
- comatose (形容詞): 「昏睡状態の」という意味で使われます。
例: “The patient has been comatose for a week.” (患者は1週間昏睡状態にある)
2. 語構成と詳細な意味
- “coma” はギリシャ語の “koma” (深い眠り)に由来しており、さらにたどると “κομάω (komáō)”(眠る・うとうとする)という動詞にさかのぼります。
- 接頭語や接尾語による変化は少なく、医学的文脈で単独名詞として使われることがほとんどです。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ10選
- “fall into a coma”
→ 昏睡状態に陥る - “come out of a coma”
→ 昏睡状態から回復する - “slip into a coma”
→ 意識不明の状態に陥る(「fall into a coma」の類似表現) - “recover from a coma”
→ 昏睡状態から回復する - “remain in a coma”
→ 昏睡状態が続く - “coma patient”
→ 昏睡状態の患者 - “enter a coma”
→ 昏睡状態に入る - “induced coma”
→ (医療目的の) 人工的な昏睡 - “deep coma”
→ 深い昏睡状態 - “coma scale”
→ 昏睡の深度を評価するスケール(例: Glasgow Coma Scale)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古代ギリシャ語 “κῶμα (kôma)” から。医学用語として英語に取り入れられました。
- 歴史的背景: 古くから「意識のない深い眠り」の状態を指す医学的用語として使われています。
- ニュアンス・使用時の注意:
- 主に医学的でフォーマルな文脈で用いられることが多いです。
- 日常会話でも、「昏睡状態」という意味が明確な状況であれば比較的自然に使われますが、重い印象を伴う単語です。
- カジュアルに「寝落ち」を表す時に使うと誤解される可能性が高いので注意が必要です。
- 主に医学的でフォーマルな文脈で用いられることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞: 通常は不可算的に扱われることが多いですが、「たくさんの昏睡状態」という場合や個別の昏睡状態を区別する場合には可算名詞 “comas” として扱われることもあります。
- 使用シーン: フォーマルな会話や文書、医学論文、ニュースなどでよく登場します。カジュアルな場面ではあまり使われません。
一般的な構文例
- “[Subject] + be in a coma”
例: “He was in a coma for three months.” (彼は3か月間昏睡状態だった) - “[Subject] + fall into a coma”
例: “She fell into a coma after the accident.” (事故後、彼女は昏睡状態に陥った)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文(3つ)
- “I heard he was in a coma for a month, but he’s finally awake.”
→ 彼は1か月間昏睡状態だったと聞いたけど、やっと目を覚ましたらしいよ。 - “I hope the patient doesn’t slip into a coma again.”
→ あの患者さんがまた昏睡状態に陥らないといいんだけど。 - “They said he was in a coma, but now he’s talking and seems fine.”
→ 彼は昏睡状態にあったと言われたけど、今は話ができて元気そうだよ。
(2) ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The CEO was involved in a serious accident and has been in a coma.”
→ CEO が重大な事故に巻き込まれ、昏睡状態にあるそうです。 - “Due to the patient’s coma, our insurance policy will cover the extended hospital stay.”
→ 患者が昏睡状態になったことで、保険適用により長期入院費が補償されます。 - “He fell into a coma after working excessively without rest.”
→ 彼は過度な長時間労働の末に昏睡状態に陥った。
(3) 学術的(医学的)な文脈での例文(3つ)
- “The Glasgow Coma Scale is used to assess the level of consciousness in coma patients.”
→ グラスゴー昏睡尺度は、昏睡患者の意識レベルを評価するために使われます。 - “A patient in a prolonged coma may require long-term care and specialized treatment.”
→ 長期に渡る昏睡状態の患者は、長期的なケアと専門的治療を必要とする可能性があります。 - “Drug-induced coma is sometimes necessary to protect the brain from further damage.”
→ 薬物誘発性の昏睡は、脳をこれ以上の損傷から守るために必要な場合があります。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- unconsciousness (意識不明)
- より広範に、「意識を失った状態」全般を指します。数分の気絶から長期の昏睡まで含むため、範囲が広いです。
- より広範に、「意識を失った状態」全般を指します。数分の気絶から長期の昏睡まで含むため、範囲が広いです。
- coma state (昏睡状態)
- 「coma」を少し説明的に表現した形です。
- 「coma」を少し説明的に表現した形です。
- comatose condition (昏睡状態の症状)
- 形容詞“comatose”を名詞化した表現。「昏睡状態の症状/状況」と強調するときに使われます。
反意語
- 意識がある状態を表す単語としては consciousness(意識)や alertness(覚醒している状態)などが挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈkoʊ.mə/ (アメリカ英語), /ˈkəʊ.mə/ (イギリス英語)
- アクセント: 最初の音節 “co-” に強勢があります。
- よくある発音の間違い:
- “kay-ma”のように読んでしまうケース。正しくは “コウマ”もしくは “コウマ(イギリス英語では”コウ“を少し短めに) に近い音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “coma” を “comma” (読点、カンマ) と混同しやすいです。1文字違いなので注意しましょう。
- 同音異義語との混同: “comma” /ˈkɒmə/ (イギリス英語)、/ˈkɑːmə/ (アメリカ英語) は文書記号の「カンマ」であり、スペルの違いを意識してください。
- 試験対策: TOEIC や英検などではあまり頻出ではありませんが、ニュース記事などの英訳問題で出ることがあります。医学や健康関連のトピックで出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: ギリシャ語の“koma” = 深い眠り → “coma” は「とても深い眠りに落ちてしまい、呼びかけに応じることができない状態」とイメージすると覚えやすいです。
- 覚え方:
- “co” → 「深い結合・つながり」(co-operate, co-exist など) ではないことに注意して、“coma” は状態そのものを指すと覚えましょう。
- “comma” (カンマ) と混同しないように、ma が一つか二つかを意識すると吉です。
- “co” → 「深い結合・つながり」(co-operate, co-exist など) ではないことに注意して、“coma” は状態そのものを指すと覚えましょう。
- 勉強テクニック: 医学用語として、ニュースなどの見出しに出る単語としてチェックしておくと定着しやすいです。
以上が名詞 “coma” の詳細解説です。医学的な場面を中心に使われる専門性の高い単語ですが、ニュース記事やドラマでもしばしば目にするため、ぜひ覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
こん睡状態