元となった辞書の項目
challenge
解説
以下では、動詞“challenge”について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語/日本語)
- 英語: “to question or to demand proof,” “to invite someone to compete,” “to dare someone to do something difficult”
- 日本語: 「疑義を唱える」「競争を申し込む」「困難なことをやってみるよう促す」というような意味です。
例えば「何かが本当に正しいのか問いただす」とか、「試合や勝負を挑む」、あるいは「誰かに困難な課題に取り組ませる・挑戦させる」といった場面で使われます。
品詞
- 動詞 (Verb)
活用形
- 原形: challenge
- 三人称単数現在形: challenges
- 現在分詞/動名詞: challenging
- 過去形/過去分詞: challenged
他の品詞
- 名詞: challenge (例: “It is a big challenge for me.”)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 学習経験がある程度進んだ段階で理解・運用が可能な語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「challenge」は、もともとフランス語由来 (旧フランス語: “chalenge”) で、ラテン語の“calumnia”とも関連があるとされています。
- 接頭語や接尾語で構成されているわけではなく、主に1つの語として機能します。
詳細な意味
- 競技や試合を「挑む」
例: “I challenge you to a game of chess.”(チェスで勝負しようよ) - 相手や事柄に対して「疑問や異議を唱える」
例: “He challenged the correctness of the data.”(彼はそのデータの正確性を疑問視した) - 人に困難な課題や行動などを「やってみて」と促す・けしかける
例: “She challenged him to try a marathon.”(彼女は彼にマラソンに挑戦するよう促した)
よく使われるコロケーションと関連フレーズ(10選)
- challenge someone to a duel
(誰かに決闘を申し込む) - challenge someone’s authority
(誰かの権威に疑義を唱える) - challenge an assumption
(仮定を疑う) - challenge the status quo
(現状に疑問を呈する) - challenge a theory
(理論を批判・疑問視する) - face a challenge
(困難に直面する/挑戦に立ち向かう) - pose a challenge
(困難をもたらす) - challenge yourself
(自分に挑戦する) - reject a challenge
(挑戦を断る) - take on a challenge
(挑戦を引き受ける)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中世期のフランス語“chalenge”や、ラテン語“calumnia”(=中傷、告訴)にさかのぼります。もともとは「法的に誰かを訴える」「正当性を問いただす」という意味がありました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「challenge」は「相手を刺激する」「勇気を奮い立たせる」というプラスのニュアンスを持つ一方、「疑議を唱える」「戦いを挑む」といったやや力強い響きも持ちます。
- フォーマル・カジュアルどちらでも使われますが、ビジネス文脈や議論など、比較的フォーマルな場でもよく登場します。
- 会話でも「挑戦する」「難問をつきつける」といったときに自然に使えます。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞としての使い方
- “challenge + 人 + to + 行為/名詞” → 「人に~するよう挑む」
例: “They challenged me to climb the mountain.” - 直接目的語の後にto不定詞が続くのが特徴です。
- “challenge + 人 + to + 行為/名詞” → 「人に~するよう挑む」
他動詞としての別パターン
- “challenge + 物/事” → 「~を疑問視する」「~に異議を唱える」の意味
例: “He challenged the decision made by the committee.”
- “challenge + 物/事” → 「~を疑問視する」「~に異議を唱える」の意味
名詞用法との区別
- “face a challenge”のように、動詞ではなく名詞として使われることも多いので、文章の文脈で判断します。
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: 論文やビジネス文書で「疑問を呈する」「異議を申し立てる」といった意味で用いられる
- カジュアル: 日常会話で「試合・ゲームで勝負を挑む」「新しいことに挑戦する」で用いられる
- フォーマル: 論文やビジネス文書で「疑問を呈する」「異議を申し立てる」といった意味で用いられる
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル) の例文
- “I challenge you to a basketball match this weekend!”
- 今週末バスケの勝負をしようぜ!
- “Whenever I feel bored, I try to challenge myself with a new hobby.”
- 退屈を感じたときは、何か新しい趣味に挑戦してみることにしてるんだ。
- 退屈を感じたときは、何か新しい趣味に挑戦してみることにしてるんだ。
- “She challenged his claim that she was wrong.”
- 彼女は「自分が間違っている」という彼の主張に異議を唱えた。
ビジネスシーンの例文
- “We decided to challenge the competition by introducing a new product line.”
- 我々は新製品ラインを投入して競合に挑むことにした。
- 我々は新製品ラインを投入して競合に挑むことにした。
- “He challenged the final decision during the meeting, asking for more data.”
- 会議で最終決定に対して彼は異議を唱え、さらなるデータを求めた。
- 会議で最終決定に対して彼は異議を唱え、さらなるデータを求めた。
- “Our goal is to challenge ourselves to exceed last year’s sales figures.”
- 昨年の売上を上回るよう自分たちに挑戦するのが目標です。
学術的・フォーマルな文脈の例文
- “This study challenges the conventional understanding of climate change.”
- この研究は、気候変動に関する従来の理解に疑問を投げかけている。
- この研究は、気候変動に関する従来の理解に疑問を投げかけている。
- “Many philosophers have challenged this theory for its lack of empirical evidence.”
- 多くの哲学者は、この理論が実証的な根拠を欠いているとして異議を唱えてきた。
- 多くの哲学者は、この理論が実証的な根拠を欠いているとして異議を唱えてきた。
- “The author challenges the reader to reconsider the underlying assumptions in societal norms.”
- 著者は社会の規範にある前提を読者に再考するよう促している。
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- confront(立ち向かう)
- “confront”は主に「面と向かって対処する」ニュアンス。
- “confront”は主に「面と向かって対処する」ニュアンス。
- dare(あえて~する、挑発する)
- 「やれるものならやってみろ」と挑発するような強い口調で使うことが多い。
- 「やれるものならやってみろ」と挑発するような強い口調で使うことが多い。
- question(疑問を抱く、問いただす)
- 「疑問に思う」「正しさを問う」という点で似ているが、「challenge」のほうがやや力強い響きがある。
- 「疑問に思う」「正しさを問う」という点で似ているが、「challenge」のほうがやや力強い響きがある。
- dispute(論争する)
- “dispute”は「言い争いをする」「反論する」ニュアンスが強い。
- “dispute”は「言い争いをする」「反論する」ニュアンスが強い。
- test(試す)
- “test”は「実際に試してみる」ことに重点があり、必ずしも対立や刺激を含むわけではない。
反意語(Antonyms)
- accept(受け入れる)
- agree(同意する)
- comply(従う)
“challenge”は何かに対して異議を唱えたり、困難に挑んだりする動詞であるのに対し、反意語は「受容・従う・合意する」など、抵抗せずに受け入れる方向を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈtʃæl.ɪndʒ/
- アクセント(強勢)は第一音節 “chal-” に置かれます。
- アクセント(強勢)は第一音節 “chal-” に置かれます。
- アメリカ英語とイギリス英語ともに大きな違いはありませんが、アメリカ英語では /ˈtʃæl.ɪndʒ/、イギリス英語でもほぼ同じ発音です。
- よくある間違い: “challEge”とスペルを間違えたり、/tʃə-/ と発音してしまったりすること。第一音節は /tʃæl-/ です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “challange”と書いてしまう間違いがよくあります。正しくは“challenge”です。
- “challange”と書いてしまう間違いがよくあります。正しくは“challenge”です。
- 発音ミス
- “chal(チャル)”の部分を “chal(シャル)”や “chel(チェル)”などと発音してしまうことがあるので注意。
- “chal(チャル)”の部分を “chal(シャル)”や “chel(チェル)”などと発音してしまうことがあるので注意。
- “challenge”と“charge”の混同
- どちらも“ch”で始まりますが、意味が大きく異なります。
- どちらも“ch”で始まりますが、意味が大きく異なります。
- 試験対策(TOEIC/英検など)
- 語彙問題や読解問題で、ビジネス文脈で「競合に挑む」「主張やデータに異議を唱える」などの用例が出ることがあります。文脈から「その人が何をしているのか」を正確に読み取ることが大切です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “chal-lenge”の“chal”は「チェル」ではなく「チャル」。アクセントが重要です。
- 「チャレンジ(challenge)」とカタカナでよく言われるとおり、「挑戦する」と覚えておけば簡単に意味と発音が結びつきます。
- 語源的には「異議を唱える」要素があると意識することで、「ただ挑戦するだけでなく、何かに対して疑問を抱いて問い正す」という使い方も自然に理解できます。
- “challenge”のイメージ: 思い切って立ち向かう・問う・挑むという「前向きな対立」を含んでいる。
以上が、動詞“challenge”の詳細な解説です。ビジネスや日常、学術的な場面でも登場する頻度の高い動詞ですので、ぜひ押さえておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
…‘に'異議を申し立てる
意味(2)
〈物事が〉〈人〉'を'奮起させる,〈興味など〉'を'呼び起こす
意味(3)
〈番兵・守衛などが〉…‘に'“だれか"と呼び掛ける
意味(4)
〈陪審員・裁判官〉'を'忌避する