動詞 “bow” の詳細解説

1. 基本情報と概要

英語の意味: to lower one's head or body forward, typically as a sign of respect, greeting, or submission.

日本語の意味: お辞儀をする、敬意を表して頭を下げる。

「bow」は「相手に敬意を表すために頭や上半身を前に傾ける」ような場面で使われる動詞です。日本語の「お辞儀をする」に近いニュアンスを持ち、丁寧な挨拶や感謝、謝罪を表すときにも用いられます。

• 品詞: 動詞 (Verb)
  


• 活用形:
  
  
  
  • 原形: bow
    
  
  
  • 三人称単数現在形: bows
    
  
  
  • 過去形: bowed
    
  
  
  • 過去分詞形: bowed
    
  
  
  • 現在分詞形: bowing
    
  
  

【CEFRレベル目安: B1（中級）】

ある程度基本的なコミュニケーションができるレベルでよく登場する単語です。

他の品詞例

• 名詞 (bow): 弓、リボンの結び目 (bow tie)、船首部分 など
  
  ※「bow」の名詞形は発音が /boʊ/（ボウ） の場合が多く、「弓」などを指す別の語になります。

2. 語構成と詳細な意味

語構成

「bow」という短い単語なので、明確な接頭語・接尾語はありません。語幹も “bow” の一つです。

詳細な意味

1. お辞儀をする、頭を下げる
   
   敬意、感謝、挨拶などを表すため、頭や上半身を前に傾ける。


2. （圧力や要求などに）屈する (bow to ~)
   
   “bow to pressure”＝「圧力に屈する」のように使われ、比喩的に「屈服する」「折れる」といった意味も持ちます。

よく使われるコロケーション・関連フレーズ（10個）

1. bow deeply（深々とお辞儀をする）
   


2. bow slightly（軽くお辞儀をする）
   


3. bow to the audience（観衆にお辞儀をする）
   


4. bow to tradition（伝統に従う）
   


5. bow to demands（要求に屈する）
   


6. bow in prayer（祈りのために頭を垂れる）
   


7. take a bow（舞台などで一礼して挨拶する）
   


8. bow out（退場する、身を引く ※イディオム）
   


9. bow your head（頭を下げる）
   


10. bow in gratitude（感謝の意を込めてお辞儀をする）

3. 語源とニュアンス

• 語源: 古英語の “būgan” (曲げる) に由来し、「体を曲げて挨拶をする」という意味が派生。
  


• ニュアンス・使用上の注意:
  
  
  
  • 「敬意」や「礼儀」を表現するフォーマルなシーンでよく使われますが、カジュアルな場面で軽くお辞儀をするときにも用いられます。
    
  
  
  • イディオムで「屈する」という比喩的意味を持つ場合は、より抽象的な状況（圧力に折れるなど）を指すので文脈に注意。
  
  

4. 文法的な特徴と構文

1. 自動詞としての用法:
   
   
   
   • “He bowed politely.”（彼は丁寧にお辞儀をした。）
     
   
   
   • 自動詞なので目的語をとらず、ただ「お辞儀をする」という動作を示す。
   
   


2. 他動詞的に見える場合: 「誰にお辞儀をする」という対象を補足する場合は “to + 人/対象” を続ける。
   
   
   
   • “He bowed to the queen.”（彼は女王にお辞儀をした。）
   
   


3. イディオム: “bow out” は「途中で退く、辞退する」という意味の句動詞。カジュアルにもフォーマルにも使われる。

5. 実例と例文

日常会話での例文（3つ）

1. “I always bow when I greet my grandparents.”
   
   （祖父母に挨拶するときは、いつもお辞儀をします。）
   


2. “You don’t have to bow so deeply; a small nod is enough.”
   
   （そんなに深くお辞儀しなくてもいいよ。軽くうなずくだけで十分だよ。）
   


3. “He bowed his head, apologizing for the mistake.”
   
   （彼は頭を下げ、ミスを謝りました。）

ビジネスシーンでの例文（3つ）

1. “When meeting important clients, it’s customary to bow politely.”
   
   （大切な顧客と会うときには、丁寧にお辞儀をするのが慣習です。）
   


2. “Please bow slightly when greeting the CEO.”
   
   （CEOに挨拶するときは、軽くお辞儀してください。）
   


3. “He bowed in gratitude after receiving the award.”
   
   （賞を受け取った後、彼は感謝の意を込めてお辞儀をしました。）

学術的・フォーマルな文脈での例文（3つ）

1. “The cultural significance of bowing in many Eastern countries cannot be overstated.”
   
   （多くのアジア諸国におけるお辞儀の文化的意義は計り知れない。）
   


2. “Diplomats often bow as a gesture of respect in formal ceremonies.”
   
   （外交官は正式な式典で、敬意を表すためにお辞儀をすることが多い。）
   


3. “Participants bowed to each other before commencing the discussion.”
   
   （参加者たちは討論を始める前に互いにお辞儀を交わした。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. bend forward（前かがみになる）
   
   
   
   • 物理的動作で前に曲げる意味。礼儀的要素より単純な動作を指す。
     
   
   


2. incline（身体や頭を傾ける）
   
   
   
   • ややフォーマル。姿勢を傾けること全般に使える。
     
   
   


3. stoop（かがむ）
   
   
   
   • 「かがむ」というニュアンスが強く、お辞儀よりも身体を低くするイメージ。
     
   
   

反意語

1. straighten up（背筋を伸ばす）
   


2. stand tall（堂々と立つ）
   


3. refuse（屈しない、拒む）※「bow to～」の比喩的用法（屈する）の反意として

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA): /baʊ/
  
  （「アウ」のような音で、日本語の「バウ」に近い。）
  


• アメリカ英語とイギリス英語: 大きな違いはなく、どちらも /baʊ/ と発音します。
  


• 発音間違いに注意:
  
  
  
  • 同じスペルで “bow”（弓、蝶ネクタイなど）を指す名詞は /boʊ/ と発音し、動詞 “bow”（お辞儀する）は /baʊ/ です。つづりは同じでも発音が異なるので要注意です。
  
  

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: 動詞も名詞も “bow” なのでスペルミスよりは発音ミスに注意。
  


• 発音の混同: 名詞の “bow” /boʊ/ と動詞の “bow” /baʊ/ が同じつづりのため混同しやすい。
  


• 試験対策:
  
  
  
  • TOEICや英検などでは、イディオムを含めて “bow to ~” や “bow out” が狙われることがあります。
    
  
  
  • 文脈から名詞か動詞か、発音記号の識別問題が出る場合もあるので注意しましょう。
  
  

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• イメージで覚える: お辞儀をするときの動作は身体を「カーブ（アーチ）させる」イメージ。古英語“būgan”＝「曲げる」と関連付けると理解しやすいです。
  


• 発音のポイント: “bow” (お辞儀する) は “cow” に似た /aʊ/ の音、「イタイ（痛い）時の “ow”」と同じだと意識すると覚えやすいです。
  


• 勉強テクニック: “bow down” や “bow to ～” など、短いフレーズごとにインプットすると、どんな場面で使うかイメージがしやすくなります。

以上が動詞 “bow” の詳細な解説です。発音の違いをしっかり押さえつつ、いろいろなフレーズやイディオムで使いこなしてみてください。