bankrupt

以下では、動詞として使われる「bankrupt」を詳しく解説します。

1. 基本情報と概要

● 英語: bankrupt (動詞)

● 日本語: 破産させる

こちらは「誰かを経済的に破綻させる」、つまり「相手を破産状態に追い込む」という意味があります。日常的な会話よりも、金融やビジネスシーンで使われることが多い表現です。少し強いニュアンスがあり、「相手を資金不足や負債を抱えて動けなくしてしまう」というイメージです。

品詞と活用例

• 動詞 (他動詞)
  
  
  
  • 原形: bankrupt
    
  
  
  • 三人称単数現在形: bankrupts
    
  
  
  • 進行形: bankrupting
    
  
  
  • 過去形: bankrupted
    
  
  
  • 過去分詞形: bankrupted
    
  
  

他の品詞形

• 形容詞: bankrupt (破産した状態の)
  
  
  
  • 例: He is completely bankrupt. 「彼は完全に破産している」
    
  
  


• 名詞: bankruptcy (破産の状態、破産手続き)
  
  
  
  • 例: file for bankruptcy 「破産申請をする」
  
  

推定CEFRレベル: B2（中上級）

B2レベルは「日常会話に加えて、より専門的・抽象的な話題にある程度対応できる段階」です。この単語はビジネスや金融に関連した文脈で出てくることが多いため、中上級以上の語彙レベルといえます。

2. 語構成と詳細な意味

1) 「bankrupt」

• 語幹: “bankrupt”
  


• 接頭語・接尾語は特に明確に分解されない形ですが、もともとは複合語（bank + rupt）としての構成があります。
  

2) 派生語/類縁語

• banker（銀行家）
  


• bankruptcy（破産、破産状態）
  


• bankrupt (形容詞)（破産した）

3) よく使われるコロケーション・関連フレーズ（10個）

1. cause someone to go bankrupt（人を破産に追い込む）
   


2. be bankrupted by debts（借金によって破産させられる）
   


3. threaten to bankrupt a company（会社を破産させると脅す）
   


4. morally bankrupt（道徳的に破綻している）※形容詞的用法
   


5. bankrupt the business（その事業を破産させる）
   


6. file for bankruptcy（破産手続きを申請する）
   


7. declare bankruptcy（破産を宣言する）
   


8. avoid bankruptcy（破産を回避する）
   


9. push someone into bankruptcy（誰かを破産に追い込む）
   


10. emerge from bankruptcy（破産状態から脱却する）

3. 語源とニュアンス

語源

• 「bankrupt」は、イタリア語の「banca rotta」(壊れた銀行)から派生したといわれています。「banca」が「銀行」、そして「rotta」が「壊れた」という意味に近いです。中世フランス語を経由して英語に取り入れられました。
  


• 歴史的には、商人がテーブル（bank）を壊されることが「破産」の象徴だった時代があったといわれています。

ニュアンス・使用時の注意

• 相手を破産に追い込む、もしくは破綻させるという「強い」トーンを伴うため、ビジネスや法的な文脈で使用することが多いです。カジュアルなシーンでは、「お金が底をつかせる」比喩的な言い方として使われることもありますが、ややフォーマル寄りです。
  


• 「morally bankrupt」(倫理的に破綻している)のように、比喩的に使うこともできます。

4. 文法的な特徴と構文

1. 他動詞としての使用

   
   
   • bankrupt [人/組織]: 「[人や組織]を破産させる」
     
     例: The lawsuit could bankrupt the company.
   
   



2. 文法上のポイント

   
   
   • 「破産させる対象」が必要なので他動詞です。
     
   
   
   • 比喩的用法（morally bankrupt など）のときは、形容詞として使われる場合もあります。
   
   



3. よく使われる構文

   
   
   • [主語] + bankrupt(s) + [目的語] + [副詞/表現]
     
   
   
   • 例: The scandal nearly bankrupted his career. （そのスキャンダルは彼のキャリアをほとんど破綻させるところだった。）
   
   

5. 実例と例文

(1) 日常会話での使用例

1. “That expensive vacation almost bankrupted me!”
   
   （あの高額な休暇旅行で、もう少しで破産しかけたよ！）
   


2. “If you keep spending money like that, you’ll bankrupt yourself.”
   
   （そんなふうにお金を使い続けたら、破産しちゃうよ。）
   


3. “I’m joking, but my nephew’s requests could bankrupt me someday.”
   
   （冗談だけど、甥っ子のお願いはいつか私を破産させるかもね。）

(2) ビジネスシーンでの使用例

1. “The lawsuit is threatening to bankrupt our company.”
   
   （その訴訟が、我が社を破産に追い込みかねない状況です。）
   


2. “They intentionally bankrupted the competitor through a hostile takeover.”
   
   （彼らは敵対的買収によって競合を意図的に破産に追い込みました。）
   


3. “We need additional funding to avoid being bankrupted by our debts.”
   
   （負債による破産を回避するため、追加の資金が必要です。）

(3) 学術的・法的文脈での使用例

1. “The court determined that the defendant’s actions bankrupted numerous investors.”
   
   （裁判所は、被告の行為によって多数の投資家が破産に追い込まれたと判断しました。）
   


2. “Rapid inflation can bankrupt smaller businesses with limited capital.”
   
   （急激なインフレは、資金が限られた小規模事業を破産させる可能性があります。）
   


3. “A series of poor financial decisions ultimately bankrupted the organization.”
   
   （一連のまずい財務判断が、結果的にその組織を破産に追い込みました。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. ruin (破滅させる)
   
   
   
   • 経済だけでなく「名声」「計画」などを台無しにするときにも使われます。
     
   
   


2. impoverish (貧困状態にする)
   
   
   
   • 徐々に資産を減らして「貧しくする」ニュアンス。
     
   
   


3. wipe out (根こそぎ失わせる)
   
   
   
   • 口語で「一掃する」「すべてを奪う」という表現。経済的に「破滅させる」のにも使われる。
   
   

反意語 (Antonyms)

1. finance (資金提供する)
   
   
   
   • 資金を与える、事業を伸ばす方向の単語。
     
   
   


2. support (支援する)
   
   
   
   • 経済的・精神的に支援することで破産を防ぐ。
     
   
   


3. bail out (救済する)
   
   
   
   • 企業や個人を支援して破産を避けること。
   
   

7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA)

• アメリカ英語: /ˈbæŋkrʌpt/
  


• イギリス英語: /ˈbæŋkrʌpt/
  

強勢 (アクセント) の位置

• 最初の音節 “ban” に強勢があります: BAN-krʌpt

よくある発音の間違い

• 「bang-krupt」のように /æ/ (バン) の部分を曖昧にしないように、比較的はっきりと「バン」に近い音で発音しましょう。
  


• 最後の t をあまり強く発音しない（特に米音）場合がありますが、文章読み上げなどでは軽く舌先を付ける感覚で発音するとクリアです。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペリングミス: “bankrup”や“bankrpt”のように文字を落としてしまう。
   


2. 同音異義語との混同: 特に近い音の単語は見当たりませんが、“disrupt” など「-rupt」が含まれる単語と混乱しやすい場合があります。
   


3. TOEICや英検:
   
   
   • ビジネスシーンの文章中に出てきやすい。
     
   
   
   • 「破産」や「金融破綻」を問う長文問題で見かけることがあります。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

1. 「bank（銀行）」と「rupt（breakの意）」で「銀行を壊す」イメージ
   
   
   
   • 頭の中で「銀行が破裂して資金が出なくなる」と思い浮かべると、破産のイメージにつながりやすいです。
     
   
   


2. “bank + erupt” のようにイメージして、「銀行から爆発的にお金が離れていく→破産する/させる」
   


3. ストーリーで覚える: “He took out too many loans; eventually, the bank bankrupted him.”
   
   
   
   • 「彼はあまりに多くのローンを組み、結局銀行が彼を破産に追い込みました」という流れで覚えておくとよいでしょう。
   
   

以上が、動詞としての「bankrupt」の詳細解説です。金融・ビジネスの文脈だけでなく、比喩的にも使えるため、文脈に合わせて使い分けるとよいでしょう。