元となった辞書の項目
altar
解説
以下では、英単語 altar
(名詞)について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語:
altar
- A table or structure used in religious ceremonies or rituals. - 日本語: 「祭壇」 - 宗教的な儀式や礼拝の際に使用される台や構造物。
「祭壇」は教会や神殿などで祈りを捧げたり、供え物を捧げたりするために使います。宗教的・儀式的な場面で登場する、厳かなニュアンスの単語です。
品詞
- 名詞 (countable noun: 可算名詞)
活用形
- 単数形: altar
- 複数形: altars
他の品詞形
- 「altar」は一般に名詞のみで使われます。
他の品詞への直接的な派生語はありませんが、よく混同されがちなalter
(動詞: 変える)のようにスペリングが近い単語に注意が必要です。
CEFRレベルの目安
- B2:中上級
宗教的・文化的な文脈で出てくることが多い専門性のある単語ですが、一般教養としても出る可能性があります。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
altar
は、目立った接頭語や接尾語を含まない単語です。語幹は altar
全体となります。
関連性・派生語
altar boy/girl
: ミサなどの宗教的儀式を手伝う子供- よく混同される単語:
alter
(動詞: 変える) … スペルが似ていますが意味が異なるので要注意
コロケーション・関連フレーズ(10個)
- place offerings on the altar(祭壇に供え物を置く)
- kneel before the altar(祭壇の前でひざまずく)
- sacred altar(神聖な祭壇)
- wedding altar(結婚式での祭壇)
- altar cloth(祭壇布)
- an altar dedicated to ~(〜に奉献された祭壇)
- stand at the altar(祭壇の前に立つ)
- altar rail(祭壇柵)
- ornate altar(装飾の多い祭壇)
- walk down the aisle to the altar(通路を進んで祭壇へ向かう)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の
altare
(またはaltar
)に由来するとされます。 - 語源には「高い(altus)」の意味が関わっているという説もあり、神聖な行為を行う「高い場所」というイメージが元になっています。
微妙なニュアンス・注意点
- 主に宗教的・儀式的な場面で使われます。
- 厳粛なニュアンスが強いため、カジュアルな文脈ではあまり見かけません。
- 「人生を犠牲にして〜を得る」といった比喩表現で
at the altar of...
と用いられることもありますが、宗教的な背景を踏まえて使う必要があります。
使用シーン
- 宗教的な儀式(ミサ、礼拝、結婚式など)での正式・フォーマルな文脈で使用します。
- 口語よりも文章や礼拝時の正式なスピーチなどで見かけることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文やイディオム
be sacrificed on the altar of 〜
: 「〜のために犠牲にされる」
例)Many weekends were sacrificed on the altar of career advancement.
kneel before the altar
: 祭壇の前でひざまずく
可算・不可算
altar
は可算名詞で扱われ、単数形・複数形が使い分けられます。
例)There are several altars in this cathedral.
フォーマル / カジュアル
- フォーマル寄り。特に祭壇や宗教儀礼の描写になるため、日常会話よりも宗教的・文学的・学問的な文脈でよく使われます。
5. 実例と例文
日常会話(3例)
I’ve never actually seen an altar up close before. Is it okay to take a picture?
(祭壇を間近で見たことがないんだけど、写真撮っても大丈夫かな?)They decorated the altar beautifully for the wedding.
(結婚式のために祭壇をきれいに装飾していたね。)We visited an old chapel with a marble altar during our trip.
(旅行中、大理石の祭壇がある古い礼拝堂を訪ねたんだ。)
ビジネス(3例)
Our company donated funds to help restore the ancient altar in the historical church.
(当社は歴史ある教会の古い祭壇を修復するための資金を寄付しました。)We have to be mindful of cultural sensitivities when taking photos near religious altars during official visits.
(公式訪問中に宗教施設の祭壇付近で写真を撮る際は、文化的な配慮が必要です。)The ceremony took place at the church’s main altar, followed by a short reception in the hall.
(儀式は教会の主祭壇で行われ、その後、ホールで小さなレセプションが行われました。)
学術的な文脈(3例)
The study of medieval altars reveals much about European religious practices and art.
(中世の祭壇の研究は、ヨーロッパの宗教的慣行や美術について多くを明らかにします。)Archaeologists discovered the remains of an ancient altar dating back to the 5th century.
(考古学者たちは5世紀にさかのぼる古代の祭壇の遺構を発見しました。)In comparative religion, the altar serves as a shared symbolic center for diverse faiths.
(比較宗教学では、祭壇は多様な信仰における共有の象徴的中心として機能します。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
shrine
(神社・ほこら)
- 持ち運びできるものから神社などの建物全体まで幅広く指す。
altar
は台状の構造に焦点があるのに対し、shrine
は聖堂や祭殿そのものを指すことが多い。
- 持ち運びできるものから神社などの建物全体まで幅広く指す。
pulpit
(説教壇)
- 牧師や司祭が説教するための壇。宗教施設にあるが、役割が異なる。
altar
は供物や儀式を行う場所、pulpit
は話をする場所というイメージ。
- 牧師や司祭が説教するための壇。宗教施設にあるが、役割が異なる。
sanctuary
(聖域)
- 教会や聖堂の最も神聖な場所自体を指すことが多い。
altar
はその神聖な場所に設けられる構造物の意味。
- 教会や聖堂の最も神聖な場所自体を指すことが多い。
反意語
- 直接的な反意語はありませんが、宗教的な聖 sanctity と無関係・世俗的 profane を対比で使う場合があります。
例)altar
(聖なる場所)⇔ordinary table
(世俗的な用途の台)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- イギリス英語(BrE): /ˈɔːl.tər/
- アメリカ英語(AmE): /ˈɔːl.tɚ/ または /ˈɑːl.tɚ/(地域差あり)
アクセントの位置
- 第1音節
al
が強く発音されます。 - 後半は弱くなるので
タ(ター)
のように発音します。
よくある発音の間違い
alter
(/ˈɔːl.tər/ あるいは /ˈɑːl.tɚ/) とほぼ同じ発音になる場合もあり、意味が全く異なるためコンテクストで判断します。アルター
とカタカナ読みで混同してしまわないように注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
alter
とaltar
alter
は動詞「変える」、altar
は名詞「祭壇」
- 同音異義語との混同:
alter
(to change) と読みがほぼ同じため、文章の文脈から意味を判断する。 - 文法:
altar
は可算名詞なので、冠詞 (an altar / the altar / altars) の使い方に注意。 - 試験対策: TOEICや英検では直接出ることは多くないかもしれませんが、
alter
との混同や、宗教的な文脈で文章読解をする際に注意が必要です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「アルター(altar)」は「ア(A)から始まり、祭壇には“A”がある」とイメージすると覚えやすいです。
- 「変える(alter)」は「e」が入っているので、「e = edit → 変える」と関連づけて区別すると混同しにくくなります。
- 宗教画などで見かける祭壇のビジュアルをイメージすると、単語と結びつけやすいです。
以上が、名詞 altar
の詳細な解説です。宗教的な背景を理解すると、より深く使いこなせるようになるでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
祭壇,聖餐(せいさん)台