元となった辞書の項目
transient
解説
以下では形容詞“transient”について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “transient” — lasting only for a short time; temporary.
- 日本語: 「一時的な」「短期間だけ続く」「儚い」といった意味です。
→ あまり長く続かない状態を指す形容詞で、「まもなく過ぎ去ってしまう」というニュアンスがあります。会話や文章において、「この状況は一時的に過ぎないかもしれない」と言いたいときに使われます。
品詞・活用形
- 品詞: 形容詞(adjective)
- 活用形: 形容詞なので、基本形 “transient” がそのまま使われる
- 副詞形: “transiently” → 一時的に
- 名詞形: “transience” → 一時的であること、儚さ
- (他の品詞)名詞として “a transient” と使う場合もあり、「(住む場所が安定していない)渡り労働者、浮浪者」といった意味にもなります。
CEFRレベルの目安
- C1(上級): 一般的な会話で頻繁に登場する語ではありませんが、少しフォーマルな文書や学術的文脈、あるいは小説の中などでは比較的よく見かけます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: なし
- 語幹: “transi-” → ラテン語の “transire” (通り過ぎる)に由来
- 接尾語: “-ent” → 形容詞を作る語尾
派生語や類縁語
- “Transition” (名詞): 移り変わり
- “Transitory” (形容詞): 一時的な(“transient” とほぼ同義)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- transient phenomenon → 一時的な現象
- transient population → 流動する人口
- transient effect → 一過性の効果
- transient employee → 短期雇用の従業員
- transient guest → 一時的な宿泊客
- fleeting or transient moment → つかの間の瞬間
- transient feeling → 一時的な感情
- transient voltage → 過渡電圧(電気工学用語)
- transient state → 一時的な状態
- transient beauty → 儚い美しさ
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “transire” (通り過ぎる) に由来し、「移り変わり」「通り過ぎること」を表します。
- 中世フランス語やラテン語を経て、現代英語の “transient” となりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「儚さ」「移ろいやすさ」を強調するニュアンスが含まれ、短い期間しか続かないことを少し寂しげにも、または気軽にも表現できます。
- 文章での使用が多く、日常会話でも使いますが、ややフォーマルまたは文学的な響きがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞 “transient” は名詞を修飾する形で使います。例えば “a transient condition” のように。
- 名詞としての “a transient” は、人や物が「短期間だけそこにとどまっている」ことを指します。
- 形容詞なので(比較級、最上級はあまり一般的でありませんが)“more transient” / “most transient” とすることも可能です。
- フォーマル度: ビジネス文書、学術論文、小説などで頻繁に使われ、口語ではやや改まったイメージを与えます。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “These rainy days are transient. The sun will come back soon.”
雨の日は一時的なものだよ。すぐに晴れるさ。 - “My sadness is transient; tomorrow, I’ll feel better.”
私の悲しみは一時的なもの。明日にはきっと元気になるよ。 - “Our youth is transient, so let’s enjoy it while we can.”
若さは儚いから、楽しめるうちに楽しもう。
(2) ビジネスシーンでの例文
- “We should not invest heavily in a transient market trend.”
一時的な市場のトレンドに過度に投資すべきではありません。 - “Our sales dip appears to be transient, but we must remain cautious.”
売上の落ち込みは一時的なようですが、慎重であるべきです。 - “It’s important to analyze whether the increase in demand is transient or long-term.”
需要の増加が一時的なものか長期的なものかを分析することが重要です。
(3) 学術的・専門的な文脈での例文
- “Satellite data suggest this is a transient climatic anomaly.”
衛星データは、これが一時的な気候異常であることを示唆しています。 - “Researchers observed a transient spike in electrical activity in the subjects’ brains.”
研究者たちは被験者の脳で一時的な電気活動の急上昇を観察しました。 - “Such transient phenomena are crucial for understanding the system’s dynamics.”
このような一時的現象は、システムのダイナミクスを理解するうえで非常に重要です。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “fleeting” (儚い、すぐに消えてしまう)
- より短い瞬間への焦点が強い。文学的・詩的なニュアンスが強め。
- より短い瞬間への焦点が強い。文学的・詩的なニュアンスが強め。
- “ephemeral” (短命の、儚い)
- 形容詞として、すぐに消えてしまうことを強調。学術的・文語的。
- 形容詞として、すぐに消えてしまうことを強調。学術的・文語的。
- “temporary” (一時的な)
- 一時的、期間限定を淡々と表す。フォーマル・カジュアルどちらでも可。
- 一時的、期間限定を淡々と表す。フォーマル・カジュアルどちらでも可。
反意語
- “permanent” (永久の)
- “enduring” (長続きする、不朽の)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA表記(アメリカ英語): /ˈtræn.zi.ənt/ または /ˈtræn.ʃənt/
- IPA表記(イギリス英語): /ˈtræn.zi.ənt/
- アクセント(強勢)は最初の “tran” の部分に置きます: “TRÁN-sient”
- よくある間違い: “transient” の “s” を “sh” と発音するか /z/ と発音するかは地域差があります。アメリカ英語でも両方聞かれますが、/ˈtræn.zi.ənt/ が比較的多い印象です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “transient” を “transiant” や “transent” と綴ってしまう人がいます。
- 同音異義語との混同: “transient” と “transition” を混同しないように注意。
- TOEICや英検などの試験では、ビジネス文章や文章読解パートで「一時的」という意味を問う問題が出る場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源が “transire” (通り過ぎる) なので「通り過ぎる存在」と覚えるとよいです。
- 「青春はtransient」「季節はtransient」というように、儚さをイメージできるシーンに関連付けると定着しやすいでしょう。
- スペリングのポイント: “trans” + “i” + “ent”。「“trans”しながら“i”に“ent”する」とイメージすると覚えやすいかもしれません。
以上が形容詞 “transient” の詳細な解説です。儚く短い様子を表す言葉として、日常やビジネス、学術的なシーンまで幅広く活用できる単語ですので、ぜひ使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(また transitory)一時の,つかの間の,はかない
意味(2)
(人が)短期滞在の
意味(3)
(ホテルなどの)短期滞在客