《人と…のことで》口げんかする,言い争う,口論する《with+〈人〉+over(about)+名(wh-節・句)》 / 《…に対して》苦情(不平,文句)を言う《with ...》
quarrel
《人と…のことで》口げんかする,言い争う,口論する《with+〈人〉+over(about)+名(wh-節・句)》 / 《…に対して》苦情(不平,文句)を言う《with ...》
以下では、動詞「quarrel」について、できるだけ詳細に解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: quarrel
品詞: 動詞 (また、名詞として「口論」「けんか」という意味でも使われます)
英語の意味(簡潔):
「To have an angry disagreement with someone」=誰かと怒りを伴う口論をすること
日本語の意味(簡潔):
「口論・けんかをする」の意味です。相手と怒りを伴う議論をする、というニュアンスがあります。
「ちょっとした口げんか」なのか「深刻な対立」なのかは文脈によって異なりますが、基本的に“heated argument(激しい議論)”を示すことが多い言葉です。
「quarrel」は単に意見の不一致というより、怒りや感情的な対立が強い場合に用いられます。日常会話でも使われますが、やや強めの印象を与える動詞です。
活用形
- 原形 (infinitive):quarrel
- 三人称単数現在形 (present):quarrels
- 現在分詞/動名詞 (present participle):quarrelling (イギリス英語)/quarreling (アメリカ英語)
- 過去形/過去分詞 (past/past participle):quarrelled (イギリス英語)/quarreled (アメリカ英語)
他の品詞例
- 名詞形: a quarrel(口論、けんか)
例: They had a quarrel about money.(彼らはお金のことで口論した)
なお、“to quarrel”を形容詞的に使う表現はあまり一般的ではありません。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- A1 超初心者: ほとんど知らないレベル
- A2 初級: 基本的なフレーズは使えるが、まだ制限が多い
- B1 中級: よく使われる表現は理解し、日常会話に支障がない
- B2 中上級: 幅広い場面で適切に受け答えできる
- C1 上級: 専門的・抽象的な話題でも運用できる
- C2 最上級: 学術論文並みの高度な表現ができる
「quarrel」は一般的な「argue」より少し限定的で、「激しい口論」に焦点を当てた語なので、B2あたりの語彙力に入ってくることが多いイメージです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「quarrel」は接頭語・接尾語が特にない、語幹のみの単語です。元はフランス語やラテン語から派生しています(語源は後述)。
詳細な意味
- to have an angry disagreement or argument(感情的な口論・論争をする)
- to disagree angrily(怒って意見が食い違う)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- quarrel with someone(~と口論する)
- 例: I quarrelled with my sister last night.(昨日妹と口論した)
- quarrel over money(お金のことで口論する)
- pick a quarrel(けんかを吹っかける)
- a bitter quarrel(苦々しい口論)
- a family quarrel(家族内のけんか)
- quarrel about trivial matters(些細なことで口論する)
- a quarrel breaks out(口論が勃発する)
- patch up a quarrel(口論を収める、仲直りする)
- hold a grudge after a quarrel(口論後に恨みを抱く)
- end in a quarrel(最終的に口論となる)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語(Middle English)の“querele”、古フランス語(Old French)の“querelle”、ラテン語(Latin)の“querella”(不平・訴え)から来ています。もともとは「不満・不平を述べる」という意味合いを持つ言葉でした。
ニュアンス
- 「quarrel」は「argue」より強く、感情的な場面で使われやすい単語です。
- 悲しみや怒りを含んだ口論を表す場面にも使われるため、そこそこ強い言い争いをイメージできます。
- 口語でも文章でも使われますが、「argue」よりかしこまっている印象があります。カジュアルにもフォーマルにもどちらにも登場しますが、「口論」という少し重い内容を含むため、丁寧な場面では「dispute」に言い換えられることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 自動詞として使われることが多い: “They quarrelled over a trivial matter.”
- 目的語を取る場合は多くが前置詞“with”や “about/over”を伴う:
- quarrel with someone
- quarrel about/over something
- quarrel with someone
代表的な構文
- (主語) + quarrel with + (人) + about/over + (事柄)
- 例: She quarrelled with her husband over financial issues.
- 例: She quarrelled with her husband over financial issues.
- pick a quarrel with + (人)
- 例: He’s always trying to pick a quarrel with me.(いつもけんかをふっかけてくる)
使用シーン
- フォーマル: 書き言葉でも見かけますが、あまりにも丁寧な文脈では“dispute”を使う場合が多い
- カジュアル: 家族・友人間のけんかなどでよく用いられます
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル) の例文
“I quarrelled with my roommate about the cleaning schedule again.”
(またルームメイトと掃除当番のことで口論しちゃった)“They’re always quarrelling over small things, but they make up quickly.”
(あの二人はいつも些細なことで口論してるけど、すぐ仲直りするんだよね)“I don’t want to quarrel with you. Can we talk this through calmly?”
(あなたと口論はしたくない。冷静に話し合えないかな?)
ビジネス (ややフォーマル) の例文
“The members quarrelled over resource allocation in the project.”
(メンバーたちはプロジェクトのリソース配分について口論した)“It’s unproductive to quarrel about minor policy details.”
(政策の細かい点でもめるのは生産的ではない)“Our supervisors often quarrel, but they always find a compromise in the end.”
(上司たちはよく口論になるが、結局はいつも妥協点を見つける)
学術的/専門的 (書き言葉) の例文
“Historians have long quarrelled over the interpretation of this ancient text.”
(歴史家たちはこの古文書の解釈をめぐって長い間論争を続けている)“Economists sometimes quarrel about the validity of each other’s models.”
(経済学者たちはお互いのモデルの妥当性をめぐって時々口論する)“Different schools of thought have quarrelled for centuries about the origins of language.”
(言語の起源について、さまざまな学派は何世紀にもわたって論争してきた)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
argue(議論する)
- 「意見の不一致をぶつけ合う」という意味。必ずしも感情的でない場合にも使える
- 例: “We argued about our holiday plans, but we weren’t angry.”
- 「意見の不一致をぶつけ合う」という意味。必ずしも感情的でない場合にも使える
dispute(論争する)
- よりフォーマルで、冷静な論争にも使われる
- 例: “The board members disputed the budget allocations.”
- よりフォーマルで、冷静な論争にも使われる
bicker(くだらないことで言い争う)
- ささいなことを長々と口論するニュアンス
- 例: “Stop bickering over who left the lights on.”
- ささいなことを長々と口論するニュアンス
fight(けんかする)
- 肉体的・感情的衝突のイメージが強い
- 例: “They started to fight after a heated argument.”
- 肉体的・感情的衝突のイメージが強い
反意語
- agree(同意する)
- harmonize(調和する)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- イギリス英語(BrE):/ˈkwɒr.əl/
- アメリカ英語(AmE):/ˈkwɔːr.əl/ または /ˈkwɑːr.əl/
アクセント
- “quar-rel” の 最初の音節 “quar” に強勢が置かれます。
- イギリス英語は「クwォレル」に近く、アメリカ英語は「クwォーrel」「クwɑーレル」のように聞こえます。
よくある発音ミス
- “qua” を「クア」や「クワ」と強く言いすぎるケースや、冒頭の “qu” を “k” とだけ発音してしまうケースに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
スペリングの違い(英米)
- イギリス英語:quarrelled, quarrelling
- アメリカ英語:quarreled, quarreling
- イギリス英語:quarrelled, quarrelling
同音・似たスペルへの混乱
- “coral” (サンゴ)、“choral” (合唱の)、“quarrel”(口論)
- フォニックス的に混同しやすいので注意しましょう。
- “coral” (サンゴ)、“choral” (合唱の)、“quarrel”(口論)
「argue」とのニュアンス違い
- 「argue」は単純な意見の対立にも使えるが、「quarrel」は感情的な要素が強い。
試験対策(TOEIC・英検など)
- TOEICや英検のリーディングで「quarrel」が出る場合、文脈的に感情的なもめ事を示すことが多い。選択肢に “argue” “dispute” “fight” などが並ぶケースに注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「quarrel」の“qu”は「質問(question)」といった“クエスチョン”の音にも通じますが、「口論する」という強い感情をイメージすると覚えやすいかもしれません。
- スペルの“arrel”部分がやや特徴的なので、リズム的に“quar-rel”「クワレル」と分割して覚えるのもおすすめです。
- 「けんか腰になる」ときの英語表現「pick a quarrel(けんかを売る)」もあわせて覚えると応用が効きます。
以上が、動詞「quarrel」の詳細な解説です。日常からビジネス、学術まで幅広く使われる単語ですが、「argue」と比べるとやや感情的な“口論”のイメージがあることを意識しつつ使うとよいでしょう。