元となった辞書の項目
prose
解説
名詞 prose
を徹底解説
1. 基本情報と概要
意味(英語&日本語)
- 英語: “prose” = ordinary written or spoken language without metrical structure (as opposed to poetry)
- 日本語: 「散文」。要するに、「詩(韻文)」とは異なり、普段使う言葉や文章の形式のことです。小説やエッセイ、説明文などが散文の例です。「韻律や行分けをせず、自然な文体で書かれた文」というニュアンスがあります。
品詞
名詞 (noun)
活用形
- 「prose」は不可算名詞 (uncountable noun) として使われる場合がほとんどです。
- 数えられる用法はまれで、「pieces of prose(いくつかの散文作品)」というように「pieces of〜」などをつけて表現します。
他の品詞形
- 形容詞: prosaic(散文的な、平凡な)
- 例)He wrote in a prosaic style.
- 例)He wrote in a prosaic style.
- 動詞形として “to prose” という古い用法がありますが、ごくまれで、現代ではほぼ使用されません。
CEFR レベルの目安
- B2 (中上級): 一般的に、「詩か散文か」を区別したり、文芸評論などで用いる語なので、中上級レベルに相当します。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語・接尾語: 特になし
- 語幹: “prose”
- ローマ由来の言葉で、ラテン語 “prosa (oratio)” に起源を持ちます。
関連語・派生語
- prosaic (形容詞): 散文的な、平凡な
- proselytize など音は似ていますが意味や語源は異なるため注意
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “purple prose”
- 日本語: 「大げさな(誇張が多い)散文」
- 日本語: 「大げさな(誇張が多い)散文」
- “elegant prose”
- 日本語: 「優美な散文」
- 日本語: 「優美な散文」
- “academic prose”
- 日本語: 「学術的な散文」
- 日本語: 「学術的な散文」
- “lyrical prose”
- 日本語: 「詩的な散文」
- 日本語: 「詩的な散文」
- “crisp prose”
- 日本語: 「引き締まった読みやすい散文」
- 日本語: 「引き締まった読みやすい散文」
- “clear prose”
- 日本語: 「わかりやすい散文」
- 日本語: 「わかりやすい散文」
- “succinct prose”
- 日本語: 「簡潔な散文」
- 日本語: 「簡潔な散文」
- “flowery prose”
- 日本語: 「装飾過多な散文」
- 日本語: 「装飾過多な散文」
- “prose narrative”
- 日本語: 「散文による物語」
- 日本語: 「散文による物語」
- “prose style”
- 日本語: 「散文的文体」
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “prosa (oratio)” = 「まっすぐに話すこと」が由来。
- 音韻や韻律を考えず、言いたいことを直接的に述べるイメージから「散文、平易な文章」という意味になりました。
ニュアンス・使用上の注意
- 「韻文(詩)」ではない文章を指す比較的フォーマルな語です。
- 文芸批評やアカデミックな場面、または日常で「韻文ではなく普通の文章だよ」という区別をしたいときなどに使用されます。
- カジュアルな会話でも、「It’s prose, not poetry.(これは詩じゃなくて散文だよ)」のように言うことがありますが、やや文芸的ニュアンスを含みます。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 「prose」は不可算名詞(uncountable)として使われるのが一般的です。
- 通常「a prose」とは言わず、「a piece of prose」「some prose works」のように表します。
典型的な構文・イディオム例
- “to write (something) in prose” : 「〜を散文で書く」
- “verse and prose” : 「詩と散文」
- “His prose flows elegantly.” : 「彼の散文はきわめて優美に流れるようだ。」
5. 実例と例文
日常会話
- “I usually read novels written in prose rather than poetry.”
- 「私は詩よりも散文で書かれた小説を読むことが多いです。」
- 「私は詩よりも散文で書かれた小説を読むことが多いです。」
- “Her prose is so straightforward that even beginners can enjoy it.”
- 「彼女の散文はとてもわかりやすいので、初心者でも楽しめます。」
- 「彼女の散文はとてもわかりやすいので、初心者でも楽しめます。」
- “I tried writing poetry, but I feel more comfortable with prose.”
- 「詩を書いてみたのですが、散文のほうが気楽だと感じます。」
ビジネス
- “Please ensure the report is presented in clear prose for our clients.”
- 「クライアント向けに、わかりやすい散文で報告書を作成してください。」
- 「クライアント向けに、わかりやすい散文で報告書を作成してください。」
- “He has a talent for concise prose, making complicated data accessible.”
- 「彼は簡潔な散文で複雑なデータをわかりやすく提示する才能があります。」
- 「彼は簡潔な散文で複雑なデータをわかりやすく提示する才能があります。」
- “Your prose style in this proposal should be formal but engaging.”
- 「この提案書では、フォーマルかつ興味を引く散文的文体にしてください。」
学術的な文脈
- “Shakespeare’s prose passages reveal a different dimension of his genius.”
- 「シェイクスピアの散文部分は、彼の才能の別の側面を示しています。」
- 「シェイクスピアの散文部分は、彼の才能の別の側面を示しています。」
- “We will analyze the shift from verse to prose in medieval literature.”
- 「中世文学において、韻文から散文への変化を分析します。」
- 「中世文学において、韻文から散文への変化を分析します。」
- “In scholarly writing, precise prose promotes clarity of argument.”
- 「学術的な文章では、正確な散文が議論の明瞭さを高めます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “text” (テキスト)
- 一般的に「文章、書かれた情報」を指します。学術書やデジタル文章など幅広い意味で使われますが、「散文か韻文か」は問いません。
- 一般的に「文章、書かれた情報」を指します。学術書やデジタル文章など幅広い意味で使われますが、「散文か韻文か」は問いません。
- “writing” (文章)
- こちらも幅広く、散文・詩・戯曲など「書かれたもの」全般を指します。
- こちらも幅広く、散文・詩・戯曲など「書かれたもの」全般を指します。
- “essay” (随筆、エッセイ)
- 散文の一種ですが、特に個人的意見や考えを書いた短めの文章を指すことが多いです。
反意語
- “poetry” / “verse” (詩 / 韻文)
- 韻律や行分割を用いた詩的な文章で、散文(prose)とセットで対比されます。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号
- イギリス英語: /prəʊz/
- アメリカ英語: /proʊz/
アクセント
- “prose” は1音節だけの単語なので、特に強勢位置の移動はありません。「プロウズ」のように発音します。
よくある発音ミス
- 「プロース」など、母音を伸ばしすぎたり、[z] の音を [s] にしてしまうなど。語尾の /z/ は濁って発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 不可算名詞である点に注意。ふつうは “I read a prose.” とは言いません。
- 同音異義語 “pros”(メリット、または “professionals” の略)と混同しないようにしましょう。スペルも異なるのでしっかり区別すること。
- TOEICや英検などでは出題頻度はさほど多くありませんが、文芸問題や読解問題で「詩か散文か」などを区別する設問が出る場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「prose」を覚えるときは「詩(poetry)と散文(prose)」の対比をイメージするとわかりやすいです。
- 「pro(前へ)」+「se(進む感じ)」で、行分けなしに“まっすぐ書く”イメージ、と覚えるのも一案です。
- 「プローズ」のように発音し、最後に必ず [z] 音を意識することでスペリングも思い出しやすいでしょう。
以上が名詞 “prose” の詳細解説です。「詩」と区別したいときや、文章の形式を強調したいときにぜひ使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
散文の
意味(2)
散文,散文体