元となった辞書の項目
overtake
解説
1. 基本情報と概要
英単語: overtake
品詞: 動詞 (他動詞)
英語での意味
- “To catch up with and pass (a person or vehicle) traveling in the same direction.”
- “To become greater or more successful than someone or something else.”
日本語での意味
- 「追い付いて追い越す」
- 「(数や成績などで)上回る、凌駕する」
「overtake」は、人や車などに追いついたうえで抜かしたり、何かの勢い・数量で他を凌駕したりするときに使われる動詞です。「物理的に追い越す」場面や、「競争や所得などで上回る」ニュアンスを含みます。
動詞の活用形 (Conjugation)
- 原形: overtake
- 三人称単数現在形: overtakes
- 現在進行形: overtaking
- 過去形: overtook
- 過去分詞形: overtaken
他の品詞形
- 名詞形: 直接の名詞形はありませんが、文脈によって「overtaking (追い越し)」という動名詞として用いられる場合があります。
- 形容詞形: こちらも特にありませんが、分詞の形(overtaking / overtaken)を形容詞的に使うことができます。
CEFR レベル: B2(中上級)
競争や比較など、より複雑な文脈で使われることが多いため、中上級レベルの語彙として取り扱われることがあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- over-: 「越えて、上に、過度に」などを意味する接頭語。
- take: 「取る、捕まえる」という意味の動詞。
接頭語「over-」と「take」を組み合わせることで、「追い越す」や「上回る」という意味を生み出しています。
派生語や類縁語
- overtaking (noun/gerund): 「追い越し、追い越す行為」
- undertake: 「引き受ける」(意味は異なりますが、接頭語「under-」+「take」の組み合わせで、構造的には近い)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- overtake a car(車を追い越す)
- overtake a competitor(競争相手を追い越す)
- overtake on the highway(高速道路で追い越す)
- overtake sales(売上高を追い越す/上回る)
- overtake expectations(期待を上回る)
- be overtaken by events(出来事に追い越される/事態が先行してしまう)
- overtake one’s rivals(ライバルを追い抜く)
- overtake the market share(市場シェアで上回る)
- overtake the leading position(首位を追い越す)
- suddenly overtake(突然追い越す/突然凌駕する)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 中英語期に遡りますが、元々は “take over” や “overtake” のように、接頭辞「over-」+「take」で「上から取る」「追い越す」という印象を持つようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「物理的に追い越す」場合:多くは車や人など具体的な対象を追い越す場面。
- 「抽象的に凌駕する」場合:売上、スコア、順位などで凌駕する。
- フォーマル/カジュアルどちらでも使用できますが、文章でややフォーマルな響きがあります。口語でも自然に使われます。
- 「急に」は “suddenly overtake” のように副詞を加えて表現することも多いです。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- overtake + 直接目的語: “I overtook the car ahead of me.”
- overtake + in/at + 具体的な領域: “They overtook us in the test scores.”
他動詞として目的語を直接取ることが多いです。特に物理的に追い越す対象、あるいは凌駕する対象をとります。
イディオムや特有の言い回し
- be overtaken by something: 「何かに打ちのめされる、感情などに襲われる」の意味で使われることもあり、「突然の悲しみに襲われた」(He was overtaken by grief.) のように使われます。
フォーマル/カジュアルでの使用シーン
- どちらでも使えますが、物理的な追い越しを表現する場合は日常会話でも頻出です。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I tried to overtake him on my bike, but he sped up.”
- (自転車で彼を追い越そうとしたけど、彼がスピードを上げたんだ。)
- (自転車で彼を追い越そうとしたけど、彼がスピードを上げたんだ。)
- “Be careful when you overtake another vehicle on this narrow road.”
- (この狭い道で車を追い越すときは気を付けてね。)
- (この狭い道で車を追い越すときは気を付けてね。)
- “I’m surprised how quickly smartphone sales overtook traditional cell phones.”
- (スマートフォンの売れ行きが、こんなに早く従来の携帯電話を追い越したことに驚いているよ。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Our new product could overtake the competition by the end of the year.”
- (私たちの新製品は、年末までに競合他社を追い越す可能性があります。)
- (私たちの新製品は、年末までに競合他社を追い越す可能性があります。)
- “We expect our revenues to overtake last year’s figures this quarter.”
- (今四半期、昨年の収益を上回ることを期待しています。)
- (今四半期、昨年の収益を上回ることを期待しています。)
- “If we can maintain this growth rate, we’ll soon overtake the market leader.”
- (この成長率を維持できれば、間もなく市場のリーダーを追い越すでしょう。)
(3) 学術的な文脈での例文
- “As technology advances, one field may overtake another in terms of funding and research.”
- (技術が進歩するにつれ、ある分野が資金や研究の面で他の分野を凌駕することがあります。)
- (技術が進歩するにつれ、ある分野が資金や研究の面で他の分野を凌駕することがあります。)
- “When supply chains are optimized, market demands can overtake production capacities unexpectedly.”
- (サプライチェーンが最適化されると、市場の需要が予想外に生産能力を追い越すことがあります。)
- (サプライチェーンが最適化されると、市場の需要が予想外に生産能力を追い越すことがあります。)
- “Social factors often overtake purely economic considerations in policy-making.”
- (政策立案においては、社会的要因が経済的要因を凌駕するときもよくあります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- pass(追い抜く)
- 物理的に前へ出る際に使われる。より日常でカジュアルな言い方。
- “The car passed me on the highway.”
- 物理的に前へ出る際に使われる。より日常でカジュアルな言い方。
- surpass(凌駕する、上回る)
- 成果や成績など抽象的な領域で「上回る」というニュアンスが強い。
- “He surpassed everyone’s expectations.”
- 成果や成績など抽象的な領域で「上回る」というニュアンスが強い。
反意語 (Antonyms)
- fall behind(後れを取る、遅れをとる)
- 対象に対して追いつけなくなるときに使う。
- “He fell behind in the race.”
- 対象に対して追いつけなくなるときに使う。
- be overtaken(追い抜かれる)
- 受動態で使われることが多く、「追い越される」という意味。
- “I was overtaken by three runners.”
- 受動態で使われることが多く、「追い越される」という意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˌoʊvərˈteɪk/ (米), /ˌəʊvəˈteɪk/ (英)
- アクセントは “take” の部分にあります。
- アメリカ英語: 「オウヴァーテイク」 /ˌoʊvərˈteɪk/
- イギリス英語: 「オウヴァテイク」/ˌəʊvəˈteɪk/
- よくある間違いとして、接頭語「over-」に強すぎるアクセントを置いてしまうことがありますが、実際には “o-ver-TAKE” のように後ろに強勢がくる位置が一般的です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: overtakeを “overtack” や “overteak” と誤記する。
- 同音異義語の混同: “takeover” (名詞で「乗っ取り・買収・引継ぎ」) と混同しないようにする。形も意味も似ているが、品詞や使い方が異なる。
- 試験対策: TOEICや英検などで、特にビジネスや交通状況の描写で出題される場合がある。文中に “overtake” と出てきた際は「追い越す/上回る」の意味を正確に把握すると読解に役立つ。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “over + take” = 「相手の上を取るイメージで追い越す」。物理的にも精神的にも上に行く、追い越すイメージを持つと定着しやすい。
- 勉強テクニック:
- 車を追い越す情景を思い浮かべる。
- 「競合他社を追い越す」などビジネスシーンでイメージ。
- “pass” と “surpass” とのニュアンス違いを表にして整理。
- 車を追い越す情景を思い浮かべる。
- 語源を活用して「over = 超えて」「take = 取る」と覚えると意味を連想しやすいです。
以上が動詞 “overtake” の詳細解説です。ぜひ、例文を声に出して練習し、イメージと結びつけて覚えてください。
意味のイメージ
意味(1)
…‘に'追いつく(catch up with)
意味(2)
…‘を'追い抜く
意味(3)
〈恐怖・あらしなどが〉〈人〉‘を'不意に襲う