元となった辞書の項目
outback
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: outback
品詞: 名詞(しばしば形容詞としても用いられる)
意味(英語・日本語)
- 英語: (mainly in Australia) remote inland areas, especially those that are far from the coast or urban regions.
- 日本語: (主にオーストラリアにおける)海岸や都市部から遠く離れた内陸部、辺境地域。
「outback」は、特にオーストラリアで都市圏や海岸部から遠く離れた内陸の荒野を指すときに使われます。人の手があまり入っていない自然地域というイメージを伴う語です。「人里離れた場所」「ごく僻地」といったニュアンスも伝わります。
活用形
- 名詞としては通常「outback」で、数えられるときには「outbacks」となる場合もありますが、一般的には「the outback」のように定冠詞を付けて使うことが多いです。
- 形容詞的に用いる場合は「outback area」「outback town」などの形で使われます。
難易度(CEFRレベル)
- B2(中上級): 日常会話で頻出というよりは、オーストラリア英語で特定の地理的状況を指すため、一般的な語彙に比べると少し専門的です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- out-: 「外へ、外側に」という意味の接頭語。
- back: 「後方、奥」を意味する語。
「out」と「back」の組み合わせにより「外側(奥地)へ行った場所」といったニュアンスを構成しています。
関連する派生語・類縁語
- backcountry: 山間部や人里離れた地域を指す語。
- bush: オーストラリア英語で「原野」「未開拓の土地」を指す語としても使われる。
コロケーション(共起表現)10選
- the Australian outback(オーストラリアの奥地)
- outback community(奥地の共同体)
- remote outback station(遠隔地の牧場・農場)
- outback adventure(僻地での冒険)
- outback tourism(奥地観光)
- outback survival skills(奥地でのサバイバル能力)
- outback road trip(奥地へのロードトリップ)
- outback wildlife(奥地の野生動物)
- camping in the outback(奥地でのキャンプ)
- exploring the outback(奥地を探検すること)
3. 語源とニュアンス
もともと「out back」という形で、家や街から「外の奥」(裏手)にある場所を指す表現が由来とされています。オーストラリア英語として定着し、大陸の内陸部、とりわけ人があまり暮らしていない荒涼とした地域を表すようになりました。
- ニュアンス: 都市の喧騒から離れたワイルドな自然環境を想起させます。観光ガイドなどでも、冒険心や自由な開放感をイメージさせる単語です。
- 主に文章や案内資料で使われますが、会話でもオーストラリアに関する議論や旅の計画で登場しやすいです。カジュアルでもフォーマルでも使われ、特に観光分野や地理的な説明で頻出です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 一般的には「the outback」として固有名詞のように用いられ、不加算扱いされることが多いです。ただし「outbacks」という形で複数の荒野地域を言及する場合もゼロではありません。
- 他動詞・自動詞などの混乱: 名詞として使われるので、動詞用法はありません。形容詞的な使い方に注意しましょう。
一般的な構文・イディオム例
- in the outback: 「その奥地で」
- venturing into the outback: 「奥地に冒険に出かけること」
- the heart of the outback: 「奥地の中心部」
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I’m planning a trip to the outback next month.”
「来月、アウトバックに旅行する予定なんだ。」 - “Have you ever driven across the outback?”
「アウトバックを車で横断したことある?」 - “Living in the outback must be so peaceful, but also challenging.”
「アウトバックでの生活はすごく静かだろうけど、大変そうだね。」
ビジネスシーンでの例文
- “Our company is expanding its tourism services to the outback regions.”
「当社はアウトバック地域への観光サービスを拡大しています。」 - “We need to consider the logistics of transporting supplies to outback communities.”
「アウトバックにある共同体への物資輸送の後方支援を考慮する必要があります。」 - “The government is offering new incentives for businesses operating in the remote outback.”
「政府は遠隔地のアウトバックで事業を行う企業に新たな優遇措置を提供しています。」
学術的な文脈での例文
- “Researchers studied the impact of drought on biodiversity in the Australian outback.”
「研究者たちはオーストラリアのアウトバックにおける干ばつが生物多様性に与える影響を調査しました。」 - “This region of the outback exhibits unique geological formations.”
「このアウトバック地域には、独特の地質形成がみられます。」 - “Outback communities provide valuable insights into sustainable living in harsh environments.”
「アウトバック共同体は、過酷な環境での持続可能な生活に関する貴重な知見を提供してくれます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- backcountry(バックカントリー)
- 「未開の地、辺境の山や荒地」を指す。山岳部や森林地帯など広義で使われる。
- 「未開の地、辺境の山や荒地」を指す。山岳部や森林地帯など広義で使われる。
- bush(ブッシュ)
- オーストラリアやアフリカなどの「原野」を指す。より植生の多い地域をイメージする。
- オーストラリアやアフリカなどの「原野」を指す。より植生の多い地域をイメージする。
- wilderness(ウィルダーネス)
- 「人の手がほとんど入っていない荒野、野生のままの自然」。地域を限定しない一般的な用語。
- 「人の手がほとんど入っていない荒野、野生のままの自然」。地域を限定しない一般的な用語。
反意語
- urban area(都市部), city(都市)
- アウトバックが「僻地・人里離れた場所」を意味するのに対し、都会や人口密集地は正反対の環境。
これらの単語はいずれも「自然のままの場所」を示しますが、アウトバックは特にオーストラリアの乾燥した奥地を強く連想させます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈaʊt.bæk/
- 第1音節「out」に強勢が置かれ、/aʊt/ がはっきりと発音されます。
- /bæk/ は [バァク] という感じの短い音で続きます。
- 第1音節「out」に強勢が置かれ、/aʊt/ がはっきりと発音されます。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- アメリカ英語・イギリス英語ともに、基本の発音はほぼ同じです。
- オーストラリア英語では、やや「アウトベァーック」に近い発音をする場合があります。
よくある発音の間違い
- 「アウトバック」とカタカナ英語で平坦に発音してしまい、強勢がついていない場合。
- /aʊ/ を /ɑ/ や /ə/ のように弱く発音してしまうこと。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「outback」を「outbak」や「outbuk」などとつづり間違えること。
- ブランド名との混同: “Outback Steakhouse” などのレストランチェーンと混同しないように。こちらは店舗名ですが、元々は「オーストラリアをイメージした奥地」のニュアンスから来ています。
- TOEICや英検の出題傾向: 地理や文化に関する文章で登場する可能性があり、特にオーストラリアの紹介文などで目にする場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「アウト&バック(外の奥)」をイメージすると覚えやすいです。
- オーストラリア中央部に広がる赤土の乾燥地帯を写真などで見ておくと視覚的に印象づけられ、単語と結びつきやすくなります。
- 覚えるときは “Out” + “Back” の組み合わせを意識し、「町の外で後ろの方にある場所」という感覚で捉えると記憶に残りやすいでしょう。
以上が名詞 “outback” の詳細な解説です。オーストラリア観光などの文脈でよく登場し、赤土の大地を連想させる少しロマンを感じる語としても覚えておくと便利です。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉(特にオーストラリアの)奥地
意味(2)
〈C〉行く価値のない所