元となった辞書の項目
hearing
IPA(発音記号)
名詞
〈U〉『聴力』,聴覚 / 〈U〉〈C〉(…を)『聞くこと』,(…の)聞き取り《+『of』+『名』》/〈C〉聞いてもらう機会,聞いてやること / 聴取 / 聴聞会 / 〈C〉(法廷などでの)尋問,審問,(刑罰の減免を求める)釈明,意見陳述 / 〈U〉聞こえる距離(範囲)
解説
以下では、英単語 hearing
をさまざまな視点から詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: hearing
- 日本語: 聴覚、聴力、(法廷などでの)審問・公聴会
「聴覚や耳で音をキャッチする能力」という意味と、「法廷や公の場で行われる正式な審問」という意味があります。日常会話では人の“耳が聞こえる力”を表し、法律関連や公的文脈では“公の場での審問・聴聞”を指すことが多いです。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 単数形: hearing
- 複数形: hearings
他の品詞形
- 動詞としては
hear
(聞く)があります。(例: I hear, you hear, he/she hears, hearing はhear
の現在分詞・動名詞としても使われる) - 形容詞形は特にありませんが、分詞構文で「hearing」と使う場合は形容詞的機能を果たします。(例: Hearing the news, she cried.)
CEFR レベルの目安
- B2(中上級)
- 「法的な聴聞会」の意味を理解し、会話や文章で使いこなすためには中上級レベルが必要になります。ただし「聴覚」の意味で使う場合はもう少し易しい文脈でも使われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: hear (聞く)
- 接尾語: -ing (動名詞化・形容詞化)
→ もともと動詞hear
に -ing が付いて名詞化した形です。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- a court hearing → (法廷での)審問、公判
- a public hearing → 公聴会
- a hearing aid → 補聴器
- hearing loss → 聴力の損失
- a hearing test → 聴力検査
- a disciplinary hearing → 懲戒審問
- hard of hearing → 難聴である
- loss of hearing → 聴覚喪失
- to hold a hearing → 審問を行う
- at the hearing → その審問において
3. 語源とニュアンス
語源
Hear
は古英語の “hieran,” “hearan” に由来し、「音を聴く」の意味を持ちます。- そこに動名詞形を作る
-ing
が加わり、「聴く行為」や「聴力」、さらに発展して「聞く場(法的・公式の審問や聴聞)」という意味に広がりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「聴力」の意味で使う場合はカジュアルで日常的ですが、「法廷などの審問」の意味ではフォーマル度が高く、やや専門的です。
- 口語でも「He’s having a hearing today.(彼は今日審問がある)」のように法的文脈で使うことがありますが、多くはニュースや公のドキュメントなどで目にする単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として可算・不可算の両方の使い方が可能です。
- 聴力を指す場合: 不可算扱い(例: He has excellent hearing.)
- 審問を指す場合: 可算扱い(例: There will be three hearings next week.)
- 聴力を指す場合: 不可算扱い(例: He has excellent hearing.)
- イディオムとして
hard of hearing
(難聴の)やgive someone a hearing
(人の話を公平に聞く)などがあります。
使用シーン
- フォーマル: 法廷、公聴会、公式文書
- カジュアル: 「(人の)聴力」という意味での日常会話
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “My grandfather’s hearing isn’t as sharp as it used to be.”
(祖父の聴力は以前ほどよくないんだ。) - “I’m worried about my hearing after that loud concert.”
(あの大音量のコンサートの後で、自分の聴力が心配だ。) - “She has really acute hearing; she can hear things from far away.”
(彼女はかなり鋭い聴覚を持っていて、遠くの音も聞き取れるんだ。)
ビジネスでの例文
- “We will schedule a public hearing to discuss the new regulations.”
(新しい規制について話し合うため、公聴会を設定します。) - “The disciplinary hearing will be held next Monday.”
(懲戒審問は来週の月曜日に行われます。) - “He is preparing documents for the upcoming hearing.”
(彼は次の審問に向けて書類を準備しています。)
学術的な文脈での例文
- “Recent studies explore the effects of loud environments on workplace hearing health.”
(最近の研究は、騒音環境が職場の聴覚に及ぼす影響を調査している。) - “The research team conducted a hearing test on all volunteers.”
(研究チームはすべてのボランティアに聴力検査を実施した。) - “Hearing impairment is becoming more prevalent among young adults due to headphone use.”
(ヘッドホンの使用により、若年層で聴覚障害が増えてきている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- listening(傾聴、聞いている行為)
- 「音を積極的に聞き取ろうとする行為」を指し、”hearing” の生理的・法的な意味合いとはやや異なる。
- 「音を積極的に聞き取ろうとする行為」を指し、”hearing” の生理的・法的な意味合いとはやや異なる。
- audition(聴力検査、聴取、語学では聴解)
- 文脈により「オーディション」の意味にもなるが、「聴力の働き」を示す専門的な表現でもある。
- 文脈により「オーディション」の意味にもなるが、「聴力の働き」を示す専門的な表現でもある。
- trial(裁判、裁判手続き)
- 「法的手続き」という点で hearing と似た部分があるが、trial は「裁判全体」、hearing は「審問」という部分に焦点が当たる。
反意語
- (聴覚に対して) deafness(聴覚障害、全く聞こえない状態)
- (審問に対して) 無し(正確な真逆の語はないが、”no hearing”「審問なし」などで対比的に使うことはある)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈhɪərɪŋ/ (イギリス英語), /ˈhɪrɪŋ/ (アメリカ英語)
- アクセントは第一音節
hear
の部分に置かれます。 - アメリカ英語では「ヒアリング」、イギリス英語では「ヒア・リング」のように比較的 “r” の音の出し方に違いがあります。
- 「hear」と「here」のスペルからの混同に注意。
- 「hear」は “聞く” を意味する動詞、
- 「here」は “ここ” を意味する副詞。
- どちらも発音が似ているので混乱しやすいです。
- 「hear」は “聞く” を意味する動詞、
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- パッと見ると
hearing
のa
がないスペル間違い(“hering”, “heering” など)に注意。 listening
とhearing
の違い: listening は能動的に耳を傾けること、hearing は単に「音が聞こえている状態」。- TOEIC や英検などの試験では、法的文脈の reading 問題や医学的文脈の listening 問題などで出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
hear
+ing
→ 「聞いている状態」「聞く力」「聞く場(審問)」と覚えるとイメージしやすい。- スペルのコツ: 「hear + ing」で、「ear(耳)」が隠れていると考えるとスペルを思い出しやすいです。(hear の中に ear がある)
- 「補聴器(hearing aid)」など、道具名で覚えると日常での関連づけがしやすい。
以上が hearing
の詳細解説です。日常的な「聴力」からフォーマル・法的な「審問」まで幅広い意味を持つ単語ですので、それぞれの文脈でうまく使い分けてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉聞こえる距離(範囲)
意味(2)
〈U〉聴力,聴覚 / 〈U〉〈C〉(…を)聞くこと,(…の)聞き取り《+of+名》 / 〈C〉聞いてもらう機会,聞いてやること / 聴取 / 聴聞会〈C〉(法廷などでの)尋問,審問,(刑罰の減免を求める)釈明,意見陳述