past
過ぎ去った,終わった(over) / 《名詞の前にのみ用いて》過去に起こった,過去の,昔の / 《期間を表す語の前後で完了形の文で用いて》(…の期間を)過ぎた,最近(…)の / 《名詞の前にのみ用いて》前任の,元の / (文法で)過去の
1. 基本情報と概要
単語: past
品詞: 形容詞(※名詞、前置詞、副詞としても使われる場合があります)
CEFRレベルの目安: A2(初級)
意味(英語): relating to a period of time that has already happened; gone by
意味(日本語): 過去の、以前の
「past」は、「過去の」「昔の」といった意味で、すでに終わった物事や時代を表すときに使われる形容詞です。日常会話でもよく登場し、「過去の出来事」「以前の経験」などを表したいときに便利です。
活用形:
- 形容詞: past
- 同じスペルで名詞(the past)や前置詞(past the building)、副詞(I walked past)としても用いられますが、それぞれ文中での働きが異なります。
関連する品詞の例:
- 名詞: the past(例:I learned many lessons from the past.)
- 前置詞: past(例:I walked past the store.)
- 副詞: past(例:Don’t drive past too quickly.)
2. 語構成と詳細な意味
「past」は、現代英語においては明確な接頭語・接尾語が付与された形ではなく、一語で意味をもっています。元々はフランス語由来の「passé(過ぎ去った)」に遡るとされ、そこから変化して現在の形「past」となりました。
よく使われるコロケーション(関連フレーズ10選)
- past experience(過去の経験)
- past century(過去の世紀)
- past tense(過去形)
- in the past(過去に)
- past glories(過去の栄光)
- past mistakes(過去の過ち)
- past records(過去の記録)
- past achievements(過去の業績)
- past events(過去の出来事)
- past memories(昔の思い出)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 中英語
past
は、古フランス語passé
(過去分詞形)と関連し、さらにラテン語passus
(通り過ぎる)に遡ります。 - ニュアンス・使用時の注意点:
- 「過去の」を意味するため、基本的に「現在ではない」あるいは「今や終わった」ニュアンスを含みます。
- カジュアルな会話でも、フォーマルな文章でも幅広く使えますが、時制を示す文脈では特に用いられます。
- 「過去の」を意味するため、基本的に「現在ではない」あるいは「今や終わった」ニュアンスを含みます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての使い方: 「過去の」と限定的に名詞を修飾します。
例: past mistakes, past years, past events - 可算名詞/不可算名詞の区別: 形容詞のため、この区別は意識しなくても大丈夫です。ただし、名詞 “the past” は不可算名詞として扱われます。
- 文例構文:
- This is all in the past.(すべて過去のことです。)
- The past decade has brought significant changes.(過去の10年は大きな変化をもたらしました。)
- This is all in the past.(すべて過去のことです。)
フォーマル/カジュアルのどちらの場面でも使用可能。学術論文や公式文書でも「the past decade」「the past century」などの表現を目にします。
5. 実例と例文
以下に日常会話・ビジネス・学術的な文脈での例文を3つずつ示します。
日常会話
- “I can’t change my past mistakes, but I can learn from them.”
(自分の過去の失敗は変えられないけど、それから学ぶことはできるよ。) - “All of that drama is in the past now.”
(あのドタバタはもう過去のことだよ。) - “Don’t bring up my past secrets, please.”
(過去の秘密を持ち出さないでよ、お願い。)
ビジネス
- “Our past performance indicates strong market growth.”
(過去の業績は堅調な市場成長を示しています。) - “We learned from our past failures and improved our strategy.”
(私たちは過去の失敗から学び、戦略を改善しました。) - “Let’s focus on future opportunities rather than past shortcomings.”
(過去の欠点よりも、これからの可能性に目を向けましょう。)
学術的な文脈
- “Historical data from the past century reveals significant climate shifts.”
(過去の1世紀にわたる歴史的なデータは、大きな気候変動を示しています。) - “The past hypothesis in physics concerns the boundary conditions at the beginning of the universe.”
(物理学における「過去仮説」は、宇宙の始まりにおける境界条件に関わるものです。) - “Studies of past civilizations provide insight into social development.”
(過去の文明の研究は、社会の発展についての洞察を与えます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- former(前の、かつての):人や地位に着目し、「前の○○」というときに使われる。
- previous(以前の):時間的順序を強調する。
- bygone(過ぎ去った、昔の):より文語的で遠い過去をイメージさせる。
- preceding(先行する):順番が先というニュアンス。
- earlier(もっと早い時期の):比較対象との時間差を強調。
- former(前の、かつての):人や地位に着目し、「前の○○」というときに使われる。
反意語
- future(未来の)
- upcoming(これから起こる)
- future(未来の)
「past」はあくまで「すでに起こったこと」を示すため、今後起こることを表すときには「future」や「upcoming」を使います。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /pæst/(「パスト」と「パェスト」の中間くらい)
- イギリス英語: /pɑːst/(「パースト」に近い)
- アメリカ英語: /pæst/(「パスト」と「パェスト」の中間くらい)
- アクセント(強勢): 単音節語のため、特に別の箇所にアクセントはありません。
- よくある誤り: アメリカ英語では /pæst/ の母音が「ア」に近い短い音になるため、「ペイスト」のように母音を延ばしてしまわないように注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “past” と “passed” を混同しがち。
- past = 形容詞/名詞/前置詞/副詞(過去)
- passed = 動詞(pass の過去形/過去分詞形: 通り過ぎた、合格した など)
- past = 形容詞/名詞/前置詞/副詞(過去)
- 同音異義語との混同: イギリス英語で “past” は “passed” と同音ですが、品詞が異なるので、文脈で判断する必要があります。
- 試験対策: TOEICや英検などのテストでは、品詞の区別や語形変化を正しく使えないと間違いの元になりやすいです。過去の時制を表す “past tense” や “in the past” との区別が出題される場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「パスを通過したら、それはもう過去」というイメージ。スポーツの試合で相手にパスを通したら過ぎ去っていく、そのあとに戻れない、という連想から「past=過ぎ去った」を覚えると良いでしょう。
- スペリング上は “pass” に “-ed” がついた “passed” と異なり、形容詞の “past” は最後が “-ed” ではない点にも注意すると混乱が減ります。
以上が形容詞「past」の詳細な解説です。日常会話にもビジネスにも、学術的な文脈にも幅広く活用できる便利な単語なので、ぜひ押さえておいてください。