transitional
1. 基本情報と概要
単語: transitional
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): relating to or characteristic of a period of transition; serving as a passage, change, or shift from one state or condition to another.
意味(日本語): 「移行期の」「過渡的な」という意味です。ある状態から別の状態へ変わる途中の、いわゆる“つなぎ”の期間や状況を表します。たとえば「移行期間中の制度」や「過渡期の政府」のような場面で使われます。
- この単語は「A が B に変わる途中の」というニュアンスを含んでいて、変化の途中段階を強調しています。
- 学習者にとっては、「ある状態から別の状態へと移行する流れの中にある」イメージと覚えるとわかりやすいでしょう。
活用形
形容詞なので、基本的には「transitional」のまま使います。副詞形は「transitionally」として使われることがあります。
他の品詞形
- 「transition (名詞・動詞)」: 名詞としては「変遷、移行」、動詞としては「移行する」を意味します。
- 「transitioning (動名詞・現在分詞)」: 「(状態が)変わりつつある」という形で使われます。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2(中上級): ある程度アカデミックな内容やフォーマルな文章でも使われる語彙で、日常会話以外での使用にも耐えるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: transit (変化して移動する、通り抜ける)
- 接尾語: -ional (〜に関する、〜に関連する)
- 「transitional」は「transit」+「-ion」+「-al」の組み合わせから成り、動作や行為に関する形容詞を作る典型的なパターンです。
関連語や派生語
- transition (名詞・動詞): 「移行、変化」/「移行する、移り変わる」
- transitory (形容詞): 「一時的な、儚い(はかない)」
- transit (名詞): 「通過、移動、公共交通機関」
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- transitional period
- 日本語訳: 移行期間
- 日本語訳: 移行期間
- transitional phase
- 日本語訳: 過渡期
- 日本語訳: 過渡期
- transitional government
- 日本語訳: 移行政府、暫定政府
- 日本語訳: 移行政府、暫定政府
- transitional stage
- 日本語訳: 移行段階
- 日本語訳: 移行段階
- transitional arrangement
- 日本語訳: 暫定的な取り決め
- 日本語訳: 暫定的な取り決め
- transitional economy
- 日本語訳: 移行期にある経済
- 日本語訳: 移行期にある経済
- transitional housing
- 日本語訳: 一時的な(移行期の)住居
- 日本語訳: 一時的な(移行期の)住居
- transitional process
- 日本語訳: 過渡的なプロセス
- 日本語訳: 過渡的なプロセス
- transitional justice
- 日本語訳: 移行期における正義(紛争後などの正義制度)
- 日本語訳: 移行期における正義(紛争後などの正義制度)
- transitional stage of life
- 日本語訳: 人生における過渡期(例えば思春期や転職期など)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「transition」はラテン語の「transitio」(通り過ぎる、変わるという意味) に由来し、それに形容詞化の接尾語「-al」がついて「transitional」となりました。
- 歴史的には変化や移行の状態を表す概念として、政治・社会・個人のライフステージなど、幅広い分野で使われてきました。
ニュアンス
- 「transitional」には「途中段階である」というニュアンスがあり、まだ最終形に至っていない不安定さや暫定性を示唆します。
- フォーマルな文章でもよく使われ、学術的なテキスト(社会学、政治学、経済学)などでも見かける語です。日常会話でも、ややかしこまった表現として使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞 (adjective): 「transitional + 名詞」の形をとります。例: transitional period, transitional phase など。
- 可算/不可算は名詞ではないので意識不要ですが、修飾相手の名詞が可算名詞・不可算名詞いずれの場合も「transitional」で形は変わりません。
- 語順としては通常、「transitional」が名詞の前に置かれます。
イディオムや構文例
- “be in a transitional state/phase”: 移行期にある
- “serve as a transitional step”: 過渡的なステップとして機能する
形式: フォーマル度合いは中~高めで、学術論文、レポートや政府文書などで使いやすい言葉です。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文
“I’m in a transitional phase in my life right now.”
- (今、人生の過渡期にいるんだ。)
- (今、人生の過渡期にいるんだ。)
“She decided to get a transitional haircut before going for something more drastic.”
- (彼女は大きくスタイルを変える前に、過渡的なヘアスタイルにしてみることにした。)
- (彼女は大きくスタイルを変える前に、過渡的なヘアスタイルにしてみることにした。)
“Our family is in a transitional period since we moved to this new city.”
- (私たちの家族は、新しい街に引っ越してきてからまだ移行期なんだ。)
5.2 ビジネスシーンでの例文
“This project is in a transitional stage, so we should be flexible with our approach.”
- (このプロジェクトは過渡期にあるから、進め方に柔軟性が必要です。)
- (このプロジェクトは過渡期にあるから、進め方に柔軟性が必要です。)
“We need a transitional plan for the staff reorganization.”
- (スタッフの再編のために暫定的な計画が必要です。)
- (スタッフの再編のために暫定的な計画が必要です。)
“The company is going through a transitional phase after the merger.”
- (合併後の会社は今、移行期を迎えています。)
5.3 学術的文脈での例文
“The transitional government aims to establish democratic institutions within a year.”
- (暫定政府は1年以内に民主的な制度を確立することを目指している。)
- (暫定政府は1年以内に民主的な制度を確立することを目指している。)
“Many developing nations face challenges in their transitional economies.”
- (多くの発展途上国は移行経済期にあることから様々な課題に直面している。)
- (多くの発展途上国は移行経済期にあることから様々な課題に直面している。)
“Researchers are studying transitional states of matter at very high temperatures.”
- (研究者たちは非常に高い温度下における物質の移行状態を研究している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- temporary (一時的な)
- 「一時的」な意味。必ずしも「変化の途中である」が主の意味ではありませんが、時限性を強調する際に使います。
- 「一時的」な意味。必ずしも「変化の途中である」が主の意味ではありませんが、時限性を強調する際に使います。
- interim (暫定的な)
- 「最終的ではない、暫定的な」という意味。フォーマルな文脈での「一時対応」として使用される場合に近いです。
- 「最終的ではない、暫定的な」という意味。フォーマルな文脈での「一時対応」として使用される場合に近いです。
- provisional (仮の、暫定的な)
- 「必要な手続きを終えるまでの暫定措置」といったニュアンスで、制度や法律などに対してよく使われます。
- 「必要な手続きを終えるまでの暫定措置」といったニュアンスで、制度や法律などに対してよく使われます。
- evolving (発展途上の、進化しつつある)
- 「徐々に変化している」状態を表し、変化そのものを強調します。
反意語 (Antonyms)
- permanent (永久的な)
- 「常に続く」「変わらない」というニュアンスで、「transitional」とは対極にある用語です。
- 「常に続く」「変わらない」というニュアンスで、「transitional」とは対極にある用語です。
- final (最終的な)
- 「移行の途中ではなく、結論に至った状態」を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA): /trænˈzɪʃənl/ (米), /trænˈzɪʃənəl/ (英)
- アメリカ英語・イギリス英語ともに大きな違いはありませんが、アクセントは「-zi-」の部分に置かれやすいです。
- /trænˈzɪʃ.ən.əl/ のように、母音をはっきり発音するとなめらかな音になります。
よくある発音ミス
- 「トランジショナル」とカタカナ的に発音しすぎると、英語の「tran-sɪ-」部分を正確に発音できないことが多いので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “transitional” の中間あたりに “t” や “s” を抜かしてしまうことがあります。特に「s」の後の「i」を忘れないようにしましょう。
- “transitory” (一時的な) と混同しやすい点に注意: “transitory” は「つかの間の」「短期間のみ有効な」というニュアンスが強く、transition の途中であるかどうかを強調していません。
- 試験では、時事英語(政治・経済)や論説文脈で登場する可能性があります。TOEICや英検の上位級、IELTS、TOEFLなどで出題される場合は「過渡期」の文意理解が問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Transition” は “Transit” (通過) と同根で「通り過ぎるイメージ」です。そこに “-al” がくっついて形容詞になっている、と覚えましょう。
- “transi*tional” の "tion*" の部分を忘れずに、しっかり発音・スペルすると良いです。
- 「ある状態→(transitional)→新しい状態」の矢印の図を思い浮かべると、文脈とセットで覚えやすいかもしれません。
以上が、形容詞 “transitional” の詳細な解説です。変化の途中を表す重要な形容詞なので、学習者の皆さんもぜひ覚えて使ってみてください。
移り変わりの,過渡期の