temper
以下では、英単語「temper」を、学習者にわかりやすいように丁寧かつ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英単語
temper
品詞
名詞 (noun)
意味 (英語・日本語)
- 「temper」(noun):
1) 気分や気性 (someone’s mood or disposition)
2) 平常心、落ち着き (emotional calmness or balance)
3) 鍛えられた硬さや強度 (特に金属などの性質に対して)
日本語でのやさしい説明
1) 人の「気分」や「気持ちの状態」を表す言葉です。たとえば「怒りっぽい」「いつも穏やかで冷静」など、人の性格や気分を示すときに使われます。
2) 物理的な文脈(特に金属)の「硬さ」や「強度」を示すときにも使われます(ただしこちらは専門的・技術的な文脈よりです)。
「temper」を聞いたときには、主に「怒りっぽい」イメージがあるかもしれませんが、本来は「気性」や「平常心」といった幅広いニュアンスです。
活用形
名詞なので基本的には活用形は変化しませんが、動詞形の “temper” や形容詞形の “tempered” などがあります。
- 動詞 “to temper” (〜を和らげる、〜を加減する)
- 形容詞 “tempered” (〜な気性の、鍛えられた)
CEFRレベルの目安
B2 (中上級)
英字新聞や小説などにも登場することが多く、ニュアンス理解が必要な単語です。A2・B1レベルでも学習されることがありますが、使いこなしはB2以上のレベルが望ましいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹 “temper” はラテン語の “temperare”(穏やかにする、調整する)が由来とされています。
- 接頭語・接尾語としてはあまり顕著なものがなく、もっぱら “temper” 一語で機能します。
派生語や類縁語
- temperate (形容詞): 節度のある、温暖な (気候について)
- temperament (名詞): 気質、性分
- temperature (名詞): 温度 (一見似ていますが語源は “temperare” が元)
よく使われるコロケーション(共起表現)・関連フレーズ
- lose one’s temper(怒りを失う→怒る)
- keep one’s temper(平静を保つ)
- quick temper(短気、怒りやすい性格)
- good temper / bad temper(機嫌が良い・悪い)
- a fit of temper(一時的な激しい怒り)
- control one’s temper(怒りを抑える)
- test one’s temper(〜の気性を試す)
- even temper(穏やかな性格、気質)
- throw a temper tantrum(かんしゃくを起こす)
- out of temper(機嫌が悪い)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “temperare” = 「混ぜ合わせる」「加減する」「抑える」に由来。
- 英語での初期の用法では「物質の混合比の調整」や「金属の硬度の調整」を示していました。
- 現代では、人の「気分」「気性」を表す意味が中心的に使われるようになりました。
ニュアンスと使用上の注意
- 「怒りっぽい」というネガティブな感情面を表すときにしばしば使われますが、必ずしも「怒り」に限らない「気性」「平常心」を意味する場合もあります。
- 口語・文章どちらでも使われますが、「lose one’s temper」「keep one’s temper」のような表現は日常会話でも頻出です。
- 場合によってはフォーマルにも使われます(例:文章で「He has a calm temper.」など)。しかし、カジュアルに “He lost his temper.” のようにも使えます。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 名詞として扱われる場合は可算/不可算ともに使われることがありますが、具体的な「怒りの爆発」を指すときには可算的に “He had a bad temper” や “He lost his temper” のように用いられます。
- 「She has a sweet temper.」のように、その人の気質を特性として述べる場合は不可算的にも扱えます。
一般的な構文やイディオム
- lose one’s temper(怒りを爆発させる)
- keep one’s temper(平静さを保つ)
- be in a bad/good temper(機嫌が悪い/良い)
5. 実例と例文
以下では、日常会話・ビジネス・学術的な文脈に分けて例文を示します。
日常会話 (3例)
- “I try not to lose my temper when I’m stuck in traffic.”
- 「交通渋滞にハマっても、なるべく怒らないようにしてるんだ。」
- “She has a quick temper, so be careful what you say around her.”
- 「彼女は怒りっぽいから、話す内容には気をつけてね。」
- “My dad kept his temper even though we were being noisy.”
- 「私たちがうるさくしていたのに、父は怒らずに落ち着いていました。」
ビジネス (3例)
- “He lost his temper during the meeting and raised his voice.”
- 「彼は会議中に怒りを爆発させて声を荒らげました。」
- “It’s important to maintain a calm temper when dealing with difficult clients.”
- 「困難な顧客に対応するときは、落ち着いた気性を保つことが大切です。」
- “The manager is known for his even temper in stressful situations.”
- 「そのマネージャーはストレスがかかる状況でも穏やかな気性で知られています。」
学術的/専門的 (3例)
- “The blacksmith carefully set the temper of the steel for maximum durability.”
- 「鍛冶屋は最大の耐久性を得るため、鋼の硬度を慎重に調整しました。」
- “His genetic predisposition may influence his temper and behavioral responses.”
- 「彼の遺伝的な素質は、彼の気性や行動反応に影響を与えるかもしれません。」
- “Proper tempering of alloys is crucial in aerospace engineering.”
- 「合金の適切な焼き入れ(硬度調整)は航空宇宙工学において極めて重要です。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- disposition(気質)
- 一般的な心の持ち方や性格を広く示す。
- 一般的な心の持ち方や性格を広く示す。
- mood(気分)
- 一時的な感情の状態を指すことが多い。
- 一時的な感情の状態を指すことが多い。
- character(性格)
- 人の根本的な人格を広く包括している。
これらに対して “temper” は、怒りやすさ、平静さなど、その時々の気分の起伏を示す意味合いが強いです。
反意語
- calmness(落ち着き) … “temper” が怒りやすい気性を指すときは対照的。
- peace of mind(安らぎ) … 「落ち着き」として “temper” が荒れている場合の対比になる。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈtɛm.pɚ/
- イギリス英語: /ˈtɛm.pə/
アクセントの位置
- 頭の “tem” の部分に強勢が置かれます (“TEM-per”).
よくある発音の間違い
- 末尾を [pur] と発音せずに、/ˈtɛm.pər/ の “pər” / “pə” の部分をやや曖昧にすることがあるので注意。
- “tempura” (天ぷら) と混同して余計な音を入れないようにしましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “temper” を “tempar” や “tempur” と書き間違える。
- 同音異義語: 特に “temporary” (一時的な)と混同することは少ないですが、スペルが似ているので注意。
- 試験対策:
- TOEICや英検のリーディングで “lose one’s temper” や “keep one’s temper” の熟語が登場する場合があります。
- 文脈で「怒る」(lose one’s temper) と「平静を保つ」(keep one’s temper) の対比を書かせる問題が出ることもあるので覚えておきましょう。
- TOEICや英検のリーディングで “lose one’s temper” や “keep one’s temper” の熟語が登場する場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「テンパる」という日本語の俗語も、「イライラして落ち着かない、焦る」などのニュアンスを持っていますが、英語の “temper” との関連をイメージすると覚えやすいです。
- 「鍛冶屋が金属を“鍛える(temper)”と同じように、気性を‘鍛える’→落ち着きを保つ」というストーリーでイメージするのもおすすめです。
- “lose one’s temper” (キレる) と “keep one’s temper” (落ち着く) をペアで覚えれば、怒りの表現について即座に思い出せます。
以上が、名詞「temper」の詳細な解説です。気分や気性、または金属の硬度調整の意味など、多面的に使われる単語ですので、様々な文例や表現パターンを通して習得してください。
〈C〉〈U〉立腹,かんしゃく(rage)
〈C〉気質,気性(disposition);気分,きげん
〈U〉(心の)落ち着き,平静,冷静(composure)
〈u〉(鉄・金属などの)硬度