rotten
1. 基本情報と概要
単語: rotten
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): decayed, decomposed, or spoiled; of very poor quality; morally corrupt.
意味(日本語): 腐った、腐敗した、品質が悪い、または倫理的に堕落した、といった意味を持ちます。たとえば食べ物が腐っている様子を「rotten」と表すほか、人や物事がひどい状態・酷い性格であることにも使われる、日常的によく使われる形容詞です。
活用形
形容詞のため、動詞のような時制・人称での変化はありませんが、以下の関連形があります。
- 副詞: rottenly (「腐ったように」「ひどく」など)
- 名詞: rottenness (「腐敗」「ひどさ」など)
他の品詞になった時の例
- 動詞: rot (腐る)
- 例: “The fruits started to rot.”(果物が腐り始めた)
- 例: “The fruits started to rot.”(果物が腐り始めた)
- 形容詞: rotten
- 例: “These fruits are rotten.”(これらの果物は腐っている)
CEFRレベル: B2(中上級)
- 食品の腐敗や人・物事への否定的表現など、日常会話やエッセイで使われることが多い単語ですが、やや強いニュアンスを含むため、B2レベル(中上級)の学習者が積極的に使えると自然な表現力が広がります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: rot(腐る、腐敗する)
- 接尾辞: -en(形容詞化を示す形。古英語・中英語的な形です)
他の単語との関連性
- rot(動詞): 腐る
- rottenly(副詞): 腐ったように、ひどく
- rottenness(名詞): 腐敗状態、品質の悪さ、堕落
よく使われるコロケーション (共起表現) 10選
- rotten egg(腐った卵)
- rotten wood(腐った木材)
- rotten fruit(腐った果物)
- rotten smell(腐敗臭)
- rotten to the core(根本から腐っている)
- rotten luck(ひどい運の悪さ)
- rotten weather(最悪の天気)
- rotten mood(最悪の気分)
- feel rotten(とても気分が悪い/申し訳なく思う)
- rotten attitude(ひどい態度)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「rotten」は中英語(Middle English)で「roten」または古英語(Old English)からの派生形とされ、元々は「腐る」「腐敗する」を意味する「rot」という語が語幹です。古い時代から「腐敗した状態」や「質が悪い」を表す言葉として定着していました。
ニュアンスと使用時の注意点
- 「rotten」は「腐った」「ひどい」「最低だ」のようにネガティブ・強めのトーンを含むことが多いです。
- カジュアルな会話でも使いやすいですが、フォーマルな場面ではやや直接すぎる表現になる場合があります。「腐敗した」「劣悪な」などの意味合いをより学術的に表現する場合は「decomposed」「putrid」「spoiled」などを選ぶこともあります。
- 人格について言及する場合、「He’s a rotten person.(彼は最低のやつだ)」のように強く否定的な語感を与えるため、使う場面には注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
形容詞としての使い方:
- 叙述用法: “The food is rotten.”(その食べ物は腐っている)
- 限定用法: “He found a rotten apple in the box.”(彼は箱の中で腐ったリンゴを見つけた)
- 叙述用法: “The food is rotten.”(その食べ物は腐っている)
イディオム・フレーズ:
- rotten to the core: 根本から腐っている(人・組織の堕落を強調する表現)
- feel rotten: 気分が悪い、良心の呵責を感じる
フォーマル度合い:
- カジュアルな場面で使用されることが多いです。公的文書や公式のプレゼンなど、フォーマルな場では避けるケースが多いですが、口語的に強く非難したい場合に用いられることがあります。
5. 実例と例文
A. 日常会話での例文
“I forgot the milk in the fridge, and now it smells rotten.”
(冷蔵庫に牛乳を放置したら、今は腐ったにおいがするよ。)“That fish looks rotten. Don’t eat it!”
(その魚は腐ってそう。食べちゃだめ!)“I feel rotten about missing your birthday party.”
(君の誕生日パーティーに行けなくて、本当に申し訳ない気持ちだよ。)
B. ビジネスでの例文
“If you sell rotten products, your company’s reputation will suffer.”
(もし腐った製品を売ってしまったら、会社の評判にダメージを与えます。)“The deal turned out to be rotten, and we had to cancel the contract.”
(その取引は結果的にひどいもので、契約をキャンセルしなければなりませんでした。)“Our supply chain had a rotten link, causing delays in production.”
(私たちのサプライチェーンには悪い部分があり、生産に遅れが出ました。)
C. 学術的な文脈での例文
“The sample of wood was found to be rotten due to prolonged exposure to moisture.”
(その木材サンプルは長期間湿気にさらされていたため、腐敗していることがわかりました。)“Researchers examined the rotten tissue and discovered a new species of bacteria.”
(研究者たちは腐敗した組織を調べ、新種の細菌を発見しました。)“Identifying rotten organs quickly is crucial in forensic pathology.”
(法医学では、腐敗した臓器を速やかに特定することが非常に重要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- decayed(腐敗した)
- “decayed teeth”など、腐敗や損傷が進んでいる様子に使われます。
- “decayed teeth”など、腐敗や損傷が進んでいる様子に使われます。
- spoiled(傷んだ)
- もっぱら食べ物に対して「腐った」「傷んだ」を表現します。
- もっぱら食べ物に対して「腐った」「傷んだ」を表現します。
- putrid(ひどい悪臭を放つ、腐敗している)
- より強烈な臭いや腐敗のイメージにフォーカスする語。
- より強烈な臭いや腐敗のイメージにフォーカスする語。
- foul(不快な、腐敗した)
- 「悪臭」「不快感」を強調します。
- 「悪臭」「不快感」を強調します。
- bad(悪い)
- 一般的な「よくない」を表す語。食べ物が腐ったときにもライトに「the food is bad」と言えます。
反意語 (Antonyms)
- fresh(新鮮な)
- wholesome(健康的な、健全な)
「rotten」の反対は「fresh」が最も自然な対照です。食べ物や状態などが「新鮮・清潔」なときに使います。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈrɑːtn/ または /ˈrɔːtn/(地域差あり)
- イギリス英語: /ˈrɒtn/
強勢(アクセント)の位置
- 最初の音節「rot-」に強勢があります: “ROT-ten”
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- アメリカ英語では「ラ」に近い音 (rɑː) や「ロー」に近い音 (rɔː) があり、地域差があります。
- イギリス英語では「ロッ(ト)」のように短い母音 /ɒ/ が特徴的です。
よくある発音の間違い
- 「rotten」の最後の /t/ を強く発音し過ぎたり、省略して “ro’en” のように曖昧にしてしまうこと。カジュアルな会話ではネイティブも軽く「ロッン」と聞こえますが、学習者ははじめははっきり発音すると通じやすいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “rotten” の “o” と “e” の位置を混乱して “rotten”を “rotten”以外の綴りにしてしまうなど。
- 同音異義語との混同: 類似した音の単語はあまり多くないが、発音が崩れると “written”(書かれた)や “ridden”(乗った)など別の単語に聞こえる場合があるため注意。
- 「腐った」以外にも、物事の質や状況が「ひどい」という幅広い意味を持っており、「食べ物関係に限らない」点も押さえておくと便利。
- TOEICなどの試験で直接問われる頻度はあまり高くないですが、読解問題に出たり、会話問題で耳にする可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 音とイメージで覚える: 「rot(ロット)」は「腐る」のイメージ、最後の “-en” は「形容詞」という変化を連想すると覚えやすい。
- “腐った卵 = rotten egg” をキーワードにすると、においを想像しやすく、単語イメージが強く残ります。
- ストーリー連想: 冷蔵庫に放置してしまった食べ物を想像し、「あ、rott-で腐るイメージ」が強化されます。
- また、人や映画、運の悪さなどにも「rotten」が使える展開(“That movie was rotten!” など)を思い浮かべると“腐る”状態を比喩的に使う場面が多いことがわかります。
以上が、形容詞「rotten」の詳細な解説です。食べ物を実際に腐らせてしまうことは避けたいところですが、表現としては強いインパクトがあり覚えやすい単語です。ぜひ、さまざまな文脈で使い分けてみてください。
腐敗した,腐酷した
砕けやすい,もろい
《俗》ひどく悪い,不快な
(道徳的に)腐敗した