元となった辞書の項目
push
IPA(発音記号)
解説
以下では、名詞としての “push” を中心に、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: push
品詞: 名詞(他に動詞としても使われる)
活用形(名詞): push(単数形)、pushes(複数形)
意味(英語)
- (名詞) “push”: a strong act of pressing or forcing forward, or an effort made to achieve something
意味(日本語)
- (名詞) 「プッシュ」:前へ押す行為、または何かを成し遂げるための「後押し」、「力添え」を指します。
「何かを押し出したり、推進したりするイメージで使われる単語です。たとえば、物理的にドアを押すのではなく、誰かに最後のひと押しをしてあげる、という比喩的な意味でも用いられます。」
他の品詞の例
- 動詞 “to push” (押す・押し進める)
- 活用: push / pushes / pushed / pushing
- 活用: push / pushes / pushed / pushing
※CEFRレベル目安: B1(中級)
「push」という単語は動詞としては比較的よく出てきますが、名詞としてもビジネスや日常会話で「後押し」「支援」「プッシュ」というニュアンスで使われるため、中級レベル(B1)程度を目安にすると良いでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “push” は明確な接頭語や接尾語を持たない短い単語です。
- 語幹は “push” 全体といえるため、特に分解できる要素はありません。
詳細な意味
- 物理的な押し(力を加える行為)
例: “He gave the car a strong push to move it.” - 努力や後押し(比喩的)
例: “They made a final push to finish the project on time.”
関連・派生語
- pushy (形容詞): 押しの強い、押しつけがましい
- push-over (名詞): すぐに押し負ける人、簡単に言うと「楽勝の相手」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10例)
- “big push” → 大きな後押し
- “final push” → 最後のひと押し
- “sales push” → 販売促進のプッシュ
- “market push” → 市場に対するプッシュ/売り込み
- “push for something” → 何かを強力に推進すること
- “push to do something” → 何かをするよう強い働きかけ
- “give (someone) a push” → (誰かを)後押しする
- “a push in the right direction” → 正しい方向へ押す(良い導き)
- “push against the door” → ドアを押す
- “push towards a goal” → 目標に向かって後押しする
3. 語源とニュアンス
語源
- “push” は中英語や古フランス語の “pousser” (ラテン語起源の “pulsare”=打つ、叩く) に由来するとされています。もともとは「押す、突く」という物理的な意味合いが強い語でした。
ニュアンス・使用時の注意
- 物理的に「押す」行為だけでなく、支援や後押しといった比喩的意味合いもしばしば使われます。
- ビジネスシーンでは “make a push to increase sales” のようにフォーマルな文脈でも使われますが、会話の中で “We need a push!” のようにカジュアルにも使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (a push / two pushes) として扱います。
- 動詞として使う場合は他動詞(目的語が必要)として「~を押す」の意味もあります。
- イディオムとしては、 “push comes to shove”(いざとなれば)といった表現もありますが、これは少しカジュアルなイメージがあります。
一般的な構文例(名詞として)
- “give something a push”
- 例: “Give the door a push if it doesn’t open automatically.”
- 例: “Give the door a push if it doesn’t open automatically.”
- “need a push”
- 例: “I need a push to get started on my homework.”
5. 実例と例文
日常会話での例文(3例)
- “Could you give me a push? My bike is stuck.”
- 「自転車が動かないんだけど、ちょっと押してくれる?」
- 「自転車が動かないんだけど、ちょっと押してくれる?」
- “I just need a little push to start exercising regularly.”
- 「定期的に運動を始めるのに、ちょっとした後押しが必要なんだ。」
- 「定期的に運動を始めるのに、ちょっとした後押しが必要なんだ。」
- “That final push really helped me finish cleaning the house.”
- 「最後のひと押しが家の掃除を終わらせるのにとても助かったよ。」
ビジネスシーンでの例文(3例)
- “We need a strong marketing push to boost sales this quarter.”
- 「今期の売上を伸ばすには強力なマーケティングの後押しが必要です。」
- 「今期の売上を伸ばすには強力なマーケティングの後押しが必要です。」
- “Our team made a big push to complete the project before the deadline.”
- 「私たちのチームは、締め切り前にプロジェクトを完了させるために大奮闘しました。」
- 「私たちのチームは、締め切り前にプロジェクトを完了させるために大奮闘しました。」
- “Let’s give this product launch one last push before the big day.”
- 「本番の日の前に、この製品発売をもうひと押ししましょう。」
学術的・専門的文脈での例文(3例)
- “The research received a major push from government funding last year.”
- 「その研究は昨年、政府資金による大きな後押しを得ました。」
- 「その研究は昨年、政府資金による大きな後押しを得ました。」
- “A push towards clean energy solutions is critical for sustainable development.”
- 「クリーンエネルギーへの推進は、持続可能な開発には欠かせません。」
- 「クリーンエネルギーへの推進は、持続可能な開発には欠かせません。」
- “Recent studies show that any push in educational reform needs community support.”
- 「最近の研究によると、教育改革を推し進めるには地域社会の支援が必要だと示されています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- drive(駆動、推進力)
- 「物事を成し遂げるための強力な意欲・原動力」を表す点で似ていますが、より「動機付け」「エネルギー」に焦点が当たることが多いです。
- 「物事を成し遂げるための強力な意欲・原動力」を表す点で似ていますが、より「動機付け」「エネルギー」に焦点が当たることが多いです。
- impetus(拍車、勢い)
- ややフォーマルな語。何かを動かすきっかけやエネルギーを強調する場合に使われます。
- ややフォーマルな語。何かを動かすきっかけやエネルギーを強調する場合に使われます。
- urge(強い衝動)
- 「衝動」「強い欲求」といったもっと内面の感情にフォーカスする意味合いで、外部から押すというよりは自分の内側から湧き上がる感覚です。
反意語
- pull(引く)
- シンプルに言えば、「押す(push)」の反対は「引く(pull)」ですが、名詞としての “pull” も「引っぱる力」という意味合いを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号): /pʊʃ/
- アクセント: “push” は1音節で、強勢は語全体にかかります。
- アメリカ英語とイギリス英語の発音
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では /ʊ/ の音がやや口をすぼめる感じが強い場合があります。
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では /ʊ/ の音がやや口をすぼめる感じが強い場合があります。
- よくある発音の間違い
- /puːʃ/ と長音にしてしまう誤り。短く、唇を軽く突き出して /pʊʃ/ と発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “puch” や “pushh” のようなつづり間違い。綴りは “p-u-s-h” の4文字だけです。
- 同音異義語との混同: “push” と同音異義語はほとんどありませんが、 “push” と “busch” のように似た綴り(実際は違う読み方)を混同しないよう注意しましょう。
- TOEICや英検などで: 動詞として “push” は頻出ですが、名詞形としてはビジネス文脈で「後押し」「推し進める動き」という意味で出題される場合があります。例文中の意味を把握し、どちらの品詞で使われているかを確認しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「プッシュボタン」のイメージから「押す(push)」は覚えやすいですが、名詞としても「後押し・力添え」があるとイメージすると良いでしょう。
- 「push = 押す(動き)」→「後押し(サポート)」という流れでイメージすると自然です。
- 「“push” は短いからこそゴロが良いので、口や手を前に差し出す動作を付けながら覚えると定着しやすい」です。
以上が、名詞としての “push” の詳細な解説です。物理的に押すことから、比喩的に「後押しする」「支援する」というニュアンスまで、幅広い文脈で使われる単語ですので、ぜひ使い分けを覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉ひと押し
意味(2)
〈C〉奮闘,努力