parachute
以下では、英単語「parachute」(名詞)について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語: parachute
日本語: パラシュート(高所から落下するときに、布やナイロン製の傘状の装置を開いて落下速度を抑えるための道具)
「parachute」は、スカイダイビングや緊急脱出などで用いられる、落下速度を抑える布製の装置を指します。高所から人や物が落ちる際に安全を確保するために使われます。日常生活ではあまり使う機会がないかもしれませんが、ニュースや映画などでよく登場するため、覚えておくと便利です。ニュアンスとしては、安全確保やスリルなどがイメージされる単語です。
- 品詞: 名詞 (countable noun)
- 名詞の活用形:
- 単数形: parachute
- 複数形: parachutes
- 単数形: parachute
なお、動詞として「to parachute (from an airplane)」=「パラシュートを使って降りる」という使い方もあります。
- 動詞形の活用:
- 現在形: parachute / parachutes
- 進行形: parachuting
- 過去形・過去分詞形: parachuted
- 現在形: parachute / parachutes
CEFRレベル目安: B1(中級)~B2(中上級)
- B1(中級): パラシュートという道具名を知っていると、旅行やちょっとした会話などでも役立ちます。
- B2(中上級): さらに詳しい仕組みや、比喩的な使い方(例: golden parachute)なども理解できるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- para-: フランス語の「parer」(防ぐ、守る)からきており、「防御する」「対抗する」などのニュアンス
- chute: フランス語の「chute」(落下)に由来し、「落ちる」という意味
- 直訳すると「落下を防ぐもの」というイメージです。
関連語や派生語
- parachute (動詞): パラシュートで降りる
- paratrooper: 空挺兵(パラシュートで降下する兵士)
- Parasailing: パラセーリング(パラシュートを付けてボートなどに引っ張られ空中に浮かぶスポーツ)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- deploy a parachute(パラシュートを展開する)
- pack a parachute(パラシュートをたたむ・詰める)
- open the parachute(パラシュートを開く)
- pull the ripcord of a parachute(パラシュートのリップコードを引く)
- ** parachute jump**(パラシュート降下)
- emergency parachute(非常用パラシュート)
- parachute landing(パラシュート降下着地)
- parachute accident(パラシュート事故)
- a golden parachute(ゴールデン・パラシュート [経営者向けの巨額退職金制度])
- cut away the main parachute(メインパラシュートを切り離す [予備パラシュートを使う時])
3. 語源とニュアンス
語源:
- 18世紀後半にフランス語から英語に取り入れられました。フランス語の “para-”(防ぐ)と “chute”(落下)を組み合わせた造語です。
ニュアンスのポイント:
- 主にスカイダイビングや軍事、救難活動など、空からの降下に関わる文脈で使われます。
- 多くの場合、道具の性質上「安全」や「命を守る」といったポジティブなイメージが強いです。
- 一方、「golden parachute」のように、会社の役員が退職するときに受け取る巨額退職金を比喩的に指すときにも「parachute」が使われ、ビジネス用語としても登場します。
使用シーン:
- カジュアルでもフォーマルでも使えますが、主に具体的な道具としてはスカイダイビングや軍事に興味のある人の会話でよく出ます。
- ビジネスシーンで「golden parachute」という場合はややフォーマル・専門的です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): a parachute / two parachutes
- 動詞としての使い方(他動詞化はあまり一般的でない):
- “They parachuted into the drop zone.” (目的語をとらずに「どこへ降りたか」を表現することが多い)
- “He parachuted from the helicopter.”(自動詞的に使われる例)
- “They parachuted into the drop zone.” (目的語をとらずに「どこへ降りたか」を表現することが多い)
一般的な構文例
- (Subject) + deploy + (object: the parachute)
- 例: “She deployed her parachute just in time.”
- 例: “She deployed her parachute just in time.”
- (Subject) + parachute into + (place)
- 例: “They parachuted into enemy territory at dawn.”
- 例: “They parachuted into enemy territory at dawn.”
- golden parachute (比喩表現)
- 例: “He was guaranteed a golden parachute if he left the company.”
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
“Have you ever tried skydiving with a parachute?”
- (パラシュートでスカイダイビングをしたことある?)
“I saw a movie where they jumped out of a plane without a parachute—it was terrifying!”
- (飛行機からパラシュートなしで飛び降りる映画を観たんだけど、怖かったよ!)
“I’d love to watch a parachute show at the air show next month.”
- (来月の航空ショーでパラシュートの演技を見てみたいな。)
(B) ビジネスシーンでの例文
“The CEO negotiated a golden parachute as part of his contract.”
- (社長は契約の一部として巨額退職金を設定していた。)
“In case of hostile takeovers, some executives secure golden parachute agreements.”
- (敵対的買収の場合、経営陣の中にはゴールデン・パラシュートの契約を結んでいることがある。)
“His golden parachute clause caused quite a stir among the shareholders.”
- (彼のゴールデン・パラシュート条項は株主達の間で大きな波紋を呼んだ。)
(C) 学術的・専門的な文脈での例文
“Parachute engineering requires a thorough understanding of aerodynamics.”
- (パラシュート工学には空気力学の深い理解が必要です。)
“The rate of descent is calculated based on the parachute’s surface area.”
- (落下速度はパラシュートの表面積に基づいて算出される。)
“Military parachute training incorporates advanced navigation and landing techniques.”
- (軍事パラシュート訓練では高度な航法や着地技術が取り入れられている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (synonyms / related terms)
- canopy(キャノピー)
- パラシュートの上面を指す部分。厳密にはパラシュートの「傘」の部分だけを指し、装置全体を意味しません。
- パラシュートの上面を指す部分。厳密にはパラシュートの「傘」の部分だけを指し、装置全体を意味しません。
- parafoil(パラフォイル)
- パラシュートの一種で、長方形の形をした高性能のもの。
- パラシュートの一種で、長方形の形をした高性能のもの。
※「parachute」と同義に置き換えられる単語はあまりありませんが、部分的に関連する単語としては上記のようなものがあります。
反意語 (antonyms)
- 直接の反意語はありませんが、文脈によって「free fall(自由落下)」はパラシュートなしで落下する様子を指すため、パラシュートを使うことの反対の状況としてあげられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈpærəʃuːt/
- アクセント (強勢): 最初の音節 “pár” に強勢(PAR-a-chute)
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: ほぼ同じ発音。わずかに母音の長さ・イントネーションの違いがある程度です。
- よくある発音ミス: “parachute” の “chute” の部分を “シュート”ではなく “シュートゥ” とやや長めに発音すること。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “parashute” のように “ch” の位置を間違えないように注意。
- 動詞としての用法: “He parachuted into the field.” のように介系詞の使い方(into, from など)に注意。
- 混同する単語: “parasite” や “paradise” など似たスペルの単語があるので、気をつけましょう。
- 試験対策: TOEICや英検では一般常識レベル。ただしニュース記事で「golden parachute」などが出る場合もあるので、ビジネス関連の単語として知っておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 視覚イメージ: 大きな傘が開いてゆっくり地上に舞い降りるイメージを思い浮かべると、覚えやすいです。
- 「para- (守る) + chute (落ちる)」 の組み合わせを意識し、「落下を防ぐもの」と理解すると単語の成り立ちを思い出しやすいです。
- 学習テクニック: “golden parachute” などの派生表現や、スカイダイビングの動画を見るなど、ビジュアルを伴って覚えると定着しやすくなります。
以上が名詞「parachute」の詳細解説です。空から舞い降りる安全装置というイメージを持ちながら、関連する比喩表現(golden parachute)なども合わせて学習すると、より実用的に使いこなせるでしょう。
パラシュート,落下傘