元となった辞書の項目
inscription
IPA(発音記号)
解説
以下では、英単語 “inscription” について、学習者の方に役立つように9つの観点で詳しく解説します。マークダウン形式でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
1. 基本情報と概要
単語: inscription
品詞: 名詞 (countable noun)
活用形: 複数形は inscriptions
意味 (英語 / 日本語)
- (英) A writing or text that is engraved, carved, or written on a surface (such as stone, metal, or inside a book), often as a dedication or historical record.
- (日) 石や金属、または本の内側などに刻まれた文字や文章のこと。記念や記録の目的で書かれることが多いです。
「何かを記念したり、所有者の名前やメッセージを残したりするために、物理的な表面に文字を刻む(あるいは書き込む)イメージの名詞です。歴史的な石碑の銘文や、本の扉にある一文などが典型的な使われ方でしょう。」
派生形
- 動詞形: inscribe (~に刻む、(書物に)献辞を記す など)
- 形容詞形: inscribed (刻まれた、書き込まれた) など
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 語彙としては日常会話よりも、ややアカデミックな場面や文学的な文章に登場しやすい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: in-(中へ、内側へ)
- 語幹: script(書く、書かれたもの)
- 接尾語: -ion(行為、状態、結果を表す名詞化の接尾語)
“in-” + “script” + “-ion” で「内側に書き込むこと、またはその書き込まれたもの」というイメージです。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- engraved inscription
- 刻み込まれた銘文
- 刻み込まれた銘文
- ancient inscription
- 古代の碑文
- 古代の碑文
- dedication inscription
- 献辞の書き込み
- 献辞の書き込み
- stone inscription
- 石に刻まれた銘文
- 石に刻まれた銘文
- Latin inscription
- ラテン語の碑文
- ラテン語の碑文
- preserve the inscription
- 銘文を保存する
- 銘文を保存する
- decipher an inscription
- 銘文を解読する
- 銘文を解読する
- inscription on a plaque
- 記念板の銘文
- 記念板の銘文
- collect inscriptions
- (文献や記念碑などから)銘文を収集する
- (文献や記念碑などから)銘文を収集する
- worn inscription
- 摩耗して読みにくくなった銘文
- 摩耗して読みにくくなった銘文
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “inscriptio”(書き込み)に由来し、これ自体は “inscribere”(in + scribere「書く」)から派生しています。もともと “中へ書く” という意味です。
使用時のニュアンス・注意点
- 歴史的・記念的な文脈: 石碑や金属板、本の扉ページなどに刻まれた、少し格式ばった印象がある。
- フォーマル寄り: 論文や歴史の文脈、式典や博物館案内文などで使われやすい。口語でも使えますが、カジュアルな会話よりは、特定の物が持つ由緒や歴史を語るときに多用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としての “inscription” は 可算名詞 (countable noun) です。小さな文でも、いくつかの銘文でも、複数形 “inscriptions” が可能です。
- 他動詞 “inscribe” は「刻む」「書き込む」イメージで、しばしば “inscribe … (on/in …)” の形で用いられます。
- 例) inscribe one’s name on a memorial stone
一般的な構文例・イディオム
- “The inscription reads …”
- 記された文章は…と書いてある。
- 記された文章は…と書いてある。
- “He dedicated the book with an inscription.”
- 彼は本に献辞を入れて贈った。
- 彼は本に献辞を入れて贈った。
5. 実例と例文
以下、それぞれ異なる文脈での例文です。
日常会話 (3例)
- “I found an old book with a handwritten inscription inside.”
- 「古い本を見つけたんだけど、中に手書きの献辞が入ってたよ。」
- 「古い本を見つけたんだけど、中に手書きの献辞が入ってたよ。」
- “There’s an inscription on my grandfather’s watch that says ‘Time is precious.’ ”
- 「祖父の時計には『時間は貴重だ』って刻まれた文字があるんだ。」
- 「祖父の時計には『時間は貴重だ』って刻まれた文字があるんだ。」
- “Can you read what the inscription on this statue says?”
- 「この像に刻まれている銘文が何て書いてあるか読める?」
ビジネス (3例)
- “We plan to include a short inscription on each award plaque for our top performers.”
- 「最優秀社員たちがもらう表彰プレートには、短い銘文を刻む予定です。」
- 「最優秀社員たちがもらう表彰プレートには、短い銘文を刻む予定です。」
- “Before production, please confirm the spelling of the inscription on the commemorative coins.”
- 「製造に入る前に、記念硬貨に刻む文字のスペルを確認してください。」
- 「製造に入る前に、記念硬貨に刻む文字のスペルを確認してください。」
- “The client requested an inscription on every custom-made pen to personalize them.”
- 「依頼主は、特注で作るペン全てに、刻印を入れてほしいと要望しています。」
学術的 (3例)
- “Archaeologists discovered an ancient inscription that may date back to the 3rd century.”
- 「考古学者たちは3世紀に遡る可能性のある古代の碑文を発見した。」
- 「考古学者たちは3世紀に遡る可能性のある古代の碑文を発見した。」
- “The inscription provides crucial historical insight into the kingdom’s trade routes.”
- 「その碑文によって、その王国の交易路に関する重要な歴史的見識が得られます。」
- 「その碑文によって、その王国の交易路に関する重要な歴史的見識が得られます。」
- “Many inscriptions in this temple are written in both Sanskrit and Old Tamil.”
- 「この寺院には、サンスクリット語と古代タミル語両方で書かれた碑文が多数あります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- epitaph (墓碑銘)
- お墓に刻まれたメッセージや追悼文。より限定的で、墓石に対してのみ用いられる。
- お墓に刻まれたメッセージや追悼文。より限定的で、墓石に対してのみ用いられる。
- engraving (彫刻、刻まれた文字や図柄)
- 文字だけでなく、彫刻一般にも用いられる語。
- 文字だけでなく、彫刻一般にも用いられる語。
- dedication (献辞)
- 特に書籍や作品の冒頭で、作者が誰かに捧げるための文章を指す場合によく用いられる。
- 特に書籍や作品の冒頭で、作者が誰かに捧げるための文章を指す場合によく用いられる。
- lettering (文字・レタリング)
- 文字そのもののデザインや書体に焦点が置かれることが多い。
反意語
- explicit erasure / removal (はっきりと消される・削除されること)
- 「刻む」の対極をなす「消す」イメージですが、単独の単語として明確に反意語とされるものはあまりありません。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ɪnˈskrɪp.ʃən/
- アメリカ英語: [イン・スクリプション]
- イギリス英語: [イン・スクリプション](ほぼ同じ発音)
- アクセント位置: “-scrip-” の部分にアクセントがきます。
- よくある間違い: scrip- の発音を /skaɪp/ のように間違える場合があるので注意。 /skrɪp/ と短い “i” で発音するのが正しいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “inscription” は “in” + “scrip” + “tion” の3つのパーツを意識すると綴りやすい。
- 同音異義語との混同: “description” (記述) と似ているようで全く意味が異なるので注意。
- 試験対策等: TOEIC・英検では歴史・文化に関する文章で出る可能性があります。特に英検準1級以上の長文問題で見かけることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源のイメージ: 「in(内側に)+ scribere(書く)」 ⇒ 何かの表面に書き込む・刻み込む。
- 覚え方: 「説明(description) と間違えない」ように、「碑文には ‘in’ が最初についている」と意識する。
- 関連ストーリー: 旅行先の記念碑や教会などで、古い文字が刻まれているのを見つけたら「inscription と呼ぶのだ」と思い出すと記憶に残りやすいでしょう。
以上が “inscription” の詳細解説です。「刻まれた文字や文章」というニュアンスをしっかり覚えておくと、歴史・文化関連の英語を読むときや、プレートに何かを刻む場面などで役立ちます。ぜひ学習に活かしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉記す(刻む)こと,銘刻
意味(2)
〈C〉銘,碑文;(貨幣などの)刻銘
意味(3)
〈C〉(寄贈図書などの)献呈の辞