hasty
以下では、形容詞“hasty”について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: hasty
品詞: 形容詞 (adjective)
意味 (英語): done or made in a hurry, often without enough thought or consideration.
意味 (日本語): 「急いで行われた、性急な、早まった」という意味で、十分な考えや準備をせずにあわてて行うニュアンスがあります。
「hasty」は、急いで何かを決めたり行動したりする人・物事について説明するときによく使われます。たとえば「あわてて判断を下す」「せっかちに物事を進める」というイメージです。
活用形
形容詞のため、活用という点では基本的に変化形はありません。ただし、副詞形として “hastily” が使われます(例: She made a decision hastily.)。
他の品詞になったときの例
- 副詞: hastily(せっかちに、あわてて)
- 名詞: hastiness(せっかちなこと、早まった状態)
難易度(CEFRレベル)
“hasty” は比較的日常的にも使用される語ではありますが、ニュアンスや状況を理解するには少し語彙力が必要です。目安としては B2(中上級) あたりです。
- B2:中上級 … 日常的な複雑なトピックをある程度理解し表現できるレベル。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: hast- (古英語で“hast-”に相当する語源を持つとされる)
- 接頭語・接尾語は特になし。
- 形容詞語尾 “-y” がついて、「急いで(いる)様子」を表す形容詞になっています。
派生語との関連
- hastily (副詞) … 急いで、あわてて
- hastiness (名詞) … 急ぎすぎる性質、早まった様子
コロケーション(10個)
- hasty decision(早まった決定)
- hasty conclusion(性急な結論)
- hasty judgment(早計な判断)
- hasty retreat(あわてた退却)
- hasty exit(慌ただしい退出)
- hasty remark(軽率な発言)
- hasty wedding(急に決まった結婚式)
- hasty move(性急な行動/引っ越し)
- hasty meal(急いでとる食事)
- hasty attempt(軽率な試み)
3. 語源とニュアンス
語源
“hasty” は、中英語の “hasty” (tempered, eager) や古フランス語の “hasti” に由来すると言われています。また、ラテン語系の “hate” (急ぐ) に関連するという説もあります。昔から「急ぎ、急ぐ性質」を表す意味を持って使われてきました。
ニュアンス・注意点
- 「早まった」という否定的・批判的なニュアンスを持つことが多い
- 「あわてた」「軽率な」というニュアンスで、行動を取る際の不用心さや、深く考えないことを強調する
使用シーン:
- 口語でも書き言葉でも使われますが、やや落ち着いた文書や会話で「急ぎすぎを注意する」ような文脈で使われることが多いです。カジュアルな場面でも「Don’t be hasty!(早まらないで!)」のように短い指示としてはよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞なので、名詞を修飾するときや補語として利用します。
- 後ろに名詞を伴ったり、補語として “be + hasty” の形でも使われます。
一般的な構文やイディオム
- Don’t be hasty (about something).(物事について早まらないで。)
- Make a hasty judgment.(早計な判断をする。)
- Jump to hasty conclusions.(早まった結論を下す。)
文法上のポイント
- 可算・不可算の区別は不要(形容詞であり、名詞ではないため)
- 動詞ではないため、自動詞・他動詞の使い分けはなし
5. 実例と例文
それぞれ3文ずつ、状況を変えて提示します。
日常会話での例
- “Don’t be so hasty! You should think carefully before you decide.”
(「そんなに早まらないで! 決める前に慎重に考えて。」) - “I made a hasty exit when I saw my ex-boyfriend walk in.”
(「元彼が入ってくるのを見て、あわてた退出をしたの。」) - “We had a hasty lunch so we could catch the train on time.”
(「時間通りに電車に乗るために急いでランチをすませました。」)
ビジネスシーンでの例
- “A hasty decision could jeopardize our relationship with the client.”
(「早まった判断はクライアントとの関係を危うくする可能性があります。」) - “Please avoid making any hasty agreements before we discuss the details.”
(「詳細を話し合う前に軽率に合意するのは避けてください。」) - “Her hasty remark about the budget caught the manager’s attention.”
(「彼女の予算に関する軽率な発言がマネージャーの注意を引きました。」)
学術的な文脈での例
- “A hasty conclusion in this research might mislead subsequent studies.”
(「この研究における早計な結論は後続の研究を誤った方向に導くかもしれません。」) - “We must be careful not to publish a hasty hypothesis without sufficient evidence.”
(「十分な証拠なしに早まった仮説を発表しないよう注意する必要があります。」) - “Hasty generalizations can undermine the credibility of any scholarly work.”
(「性急な一般化はあらゆる学術研究の信頼性を損ねることがあります。」)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(意味の違い)
- “rash”(軽率な、向こう見ずな)
- “hasty” よりもさらに考えなし、無謀なニュアンスが強い。
- “hasty” よりもさらに考えなし、無謀なニュアンスが強い。
- “hurried”(急いで行う、あわただしい)
- “hurried” は時間が足りない状況を強調し、考えの浅さより「急いでいる」状態を表す。
- “hurried” は時間が足りない状況を強調し、考えの浅さより「急いでいる」状態を表す。
- “impulsive”(衝動的な)
- 感情や衝動に駆られて行動するニュアンス。理性的に考える前に行動してしまう点が強調される。
反意語
- “careful”(注意深い)
- “thoughtful”(思慮深い)
- “deliberate”(熟慮した、慎重な)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ˈheɪsti/
イギリス英語: /ˈheɪsti/
強勢(アクセント) は第一音節 “ha-” の部分に置かれます (HEY-stee)。
よくある間違いとして、第二音節にアクセントを置いてしまわないように注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
スペルミス
- “hasty” は “haste + y” という形に近いですが、実際は “hasty” で “e” が抜けています。
- “hastly” と綴ってしまうミスが多いです。
- “hasty” は “haste + y” という形に近いですが、実際は “hasty” で “e” が抜けています。
同音異義語との混同
- “hasty” と似た音を持つ単語はあまりありませんが、会話で“hasty”と“nasty”(いやな)を混同しないように気をつけてください。
試験対策
- TOEICや英検などでは、読解問題や単語問題で「急いで行った・性急な」といったニュアンスを問う際に出ることがあります。
- “hasty conclusion” などのセットフレーズもよく出てきます。
- TOEICや英検などでは、読解問題や単語問題で「急いで行った・性急な」といったニュアンスを問う際に出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “hasty” は“haste(急ぐこと)”に “y” が付いた形と考えると覚えやすいです。
- 「急ぎすぎて心の “e” が抜けてしまった」とイメージして、 “haste” の “e” を落とした形で “hasty” とするとスペリングミスを防ぎやすいでしょう。
- 「はやまって行動する=hasty」とイメージを結びつけましょう。
まとめ
“hasty” は「急いで・性急に物事を進める様子」を表す形容詞で、軽率さや十分な考慮が欠けているニュアンスがあります。ビジネスや日常会話、フォーマルな場面でも使われ、「性急な」「早まった」「あわてた」という意味合いを伝える大切な表現です。十分に考えずに急いでいる様子を指摘したいときに、ぜひ使ってみてください。
急ぎの,急な,せわしい
早まった,せっかちな