最終更新日:2025/10/12

〈U〉『辛苦』,苦難,難儀 / 〈C〉難事

編集履歴(0)
元となった辞書の項目

hardship

IPA(発音記号)
名詞

〈U〉『辛苦』,苦難,難儀 / 〈C〉難事

このボタンはなに?

彼女は人生で多くの辛苦を経験してきました。

このボタンはなに?
解説

1. 基本情報と概要

単語: hardship

品詞: 名詞 (countable, 可算名詞)

意味 (英語): A condition or experience of severe suffering, difficulty, or privation.

意味 (日本語): 深刻な苦難・困窮や苦労を指す言葉です。

「生活が苦しい」「大変な困難を過ごす」など、辛い状況を表します。困難に立ち向かうニュアンスで使われる名詞です。

活用形:


  • 単数: hardship

  • 複数: hardships

他の品詞:


  • “hard” (形容詞)「硬い」「つらい」「厳しい」などの意味

  • “hardship” の動詞形は直接的にはありませんが、近い形容詞・副詞で “hard” があります。

CEFR レベルの目安: B2(中上級)

・ニュースや論説文など、少し専門的・抽象的な内容の話でも登場する単語であり、中上級程度のレベルと考えられます。


2. 語構成と詳細な意味


  • 語幹: “hard”


    • 形容詞・副詞で「硬い」「困難な」などの意味。


  • 接尾語: “-ship”


    • 英語の名詞化を示す接尾語で、状態・身分・資格などを表す際に使われます。

    • hardship は「困難さ・苦境」という状態を指す名詞となっています。


関連する派生語・類縁語


  • hard (形容詞/副詞): 「硬い、難しい」

  • hardship allowance: 危険手当や困難な部署への手当

  • hardy (形容詞): 「たくましい、頑丈な」 — hard と関連があるが、hardship との直接的な関係性はそこまで強くない

よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)


  1. endure hardship(苦難に耐える)

  2. face hardship(困難に直面する)

  3. financial hardship(経済的困窮)

  4. overcome hardship(苦難を乗り越える)

  5. cause hardship(困難を引き起こす)

  6. hardship allowance(危険・困難に対する手当)

  7. emotional hardship(精神的苦痛)

  8. prolonged hardship(長期にわたる困難)

  9. relief from hardship(苦難からの救済)

  10. source of hardship(困難の原因)


3. 語源とニュアンス


  • 語源: “hardship” は中英語で使われていた “hardship” (硬い + 状態) から由来すると考えられています。“hard” はゲルマン系の“heard”(硬い、強い)が起源で、“-ship” は状態や地位を表す接尾語です。

  • 歴史的な使われ方: 困難や苦難、厳しい状況全般を指す古くからある単語です。軍隊や長い航海、貧困状態などあらゆる状況での「苦しみ」を表現してきました。

  • ニュアンス:


    • 現代英語では「大きな苦労を伴う状況」という意味を強く持ち、深刻度が高い表現です。特に仕事やお金、病気など「現実的な苦労・苦難」に対してよく使われます。

    • 口語でも文章でも使われますが、やや硬め・フォーマル寄りの単語として使われる傾向があります。



4. 文法的な特徴と構文


  • 可算名詞: hardship は可算名詞です。「一つの苦難」「複数の苦難」という具合に数えられる場合があります。文脈によっては可算/不可算の両方で使われることもありますが、基本的には可算です。


    • 例: “He endured many hardships in his youth.”


  • 一般的な構文


    • S + V + (hardship) + 前置詞 + N(苦難を経験する、苦難から逃れるなど)

    • 例: “She suffered great hardship during the war.”


  • イディオム的な使用


    • 特定のイディオムはあまり多くありませんが、“go through (a) hardship” や “face (a) hardship” が口語的な表現です。



5. 実例と例文

(1) 日常会話での例文


  1. “I went through a lot of hardship in my college days, but it made me stronger.”


    • 「大学時代は沢山の苦難があったけど、それがおかげで強くなったよ。」


  2. “My grandparents often talk about the hardships they faced after the war.”


    • 「祖父母は戦後に直面した苦難について、よく話します。」


  3. “Sometimes, a little encouragement can help people overcome their hardships.”


    • 「時にはちょっとした励ましで、人は苦難を乗り越えることができるよ。」


(2) ビジネスシーンでの例文


  1. “The company’s new policy may impose financial hardships on some employees.”


    • 「その会社の新方針は、一部の従業員に経済的な負担を強いるかもしれません。」


  2. “We must find a way to alleviate the hardship caused by the budget cuts.”


    • 「予算削減による苦難を軽減する方法を見つけなければなりません。」


  3. “Employees working in remote locations receive a hardship allowance.”


    • 「遠隔地で働く従業員には困難手当が支給されます。」


(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文


  1. “Despite significant hardship, the community demonstrated remarkable resilience.”


    • 「かなりの困難にもかかわらず、その地域社会は顕著な回復力を示しました。」


  2. “Economic hardship often correlates with higher stress levels among families.”


    • 「経済的困窮はしばしば、家族のストレスレベルの上昇と関連しています。」


  3. “Governmental initiatives aim to minimize financial hardship for low-income families.”


    • 「政府の施策は、低所得世帯の経済的困難を最小限に抑えることを目指しています。」



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. adversity(逆境)


    • “adversity” は「逆境」を意味し、困難な状況全般を示す点では似ています。hardship は「苦難そのもの」に焦点がある一方、adversity は「不利な状況や苦境」に重点があります。


  2. struggle(苦闘)


    • struggle は動詞・名詞の両方で使われます。hardship は苦難の「状態」を表現し、struggle は苦難に対して努力し戦うイメージが強いです。


  3. difficulty(困難)


    • より一般的な意味で使われることが多いです。hardship はより深刻な苦難を表す場合が多いです。


  4. misfortune(不運)


    • 「不運」や「不幸」を意味し、偶然の不幸な出来事が多いニュアンス。hardship はもう少し継続的かつ避けられない苦難を指す傾向。


反意語 (厳密には対義語ではないが、相反する概念)


  1. prosperity(繁栄)


    • 経済的・全体的に好調で裕福な状態。hardship とは逆のイメージ。


  2. comfort(快適さ/安心)


    • 苦労や不安がない快適な状態。hardship とちょうど対照的な概念。



7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA):


  • アメリカ英語: /ˈhɑːrdʃɪp/

  • イギリス英語: /ˈhɑːdʃɪp/

アクセントの位置


  • “hardship” の第一音節 “hard” に強勢 (ˈ) が置かれます:HAR-dship

アメリカ英語とイギリス英語の違い


  • 両方とも “ɑː” の音はやや長めに発音されますが、アメリカ英語では「ハー(r)ドシップ」、イギリス英語でも概ね同じかやや短めに聞こえる程度の違いです。

よくある発音ミス


  • “hard” を “hɑːt” と発音してしまうなど、r の発音を抜かしてしまうこと。

  • 末尾の “-ship” を “sip” のように弱く発音しすぎる、もしくは “ship” を「シープ」と言ってしまう事例など。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: “hardship” の -ship を -ship ではなく “-ship*p*” と書いてしまうなどのミス。

  • 同音異義語との混同: 特に目立った同音異義語はありませんが、“hard ship”(硬い船?)と誤解して分けて書かないようにしましょう。

  • 試験対策での出題傾向: TOEIC や英検の読解問題などで「困難」や「経済的負担」の文脈として出てくることがあります。意味のニュアンスを正確に把握しておくと、選択問題で有利になります。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • 「hard + ship」で「つらい状態に乗っているイメージ」: 船(ship)の上で困難(hard)を背負っているようにイメージすると覚えやすいかもしれません。

  • hard + relationship? と連想してしまう学習者が時々いますが、まとまった形で “hardship” として覚えることが大切です。

  • 記憶の工夫: 「hard(厳しい)」「-ship(状態)」→ 「厳しい状態」という直訳イメージで一気に記憶に残しましょう。


以上が hardship の詳細解説になります。困難な状況を表す際にとても便利な名詞ですので、例文を参考に、文脈に合った使い方をぜひ練習してみてください。

意味のイメージ
hardship
意味(1)

〈U〉辛苦,苦難,難儀

意味(2)

〈C〉難事

和英選択問題 / 中級英単語(CEFR-J B1)

編集履歴(0)

ログイン / 新規登録

 

アプリをダウンロード!
DiQt

DiQt(ディクト)

無料

★★★★★★★★★★