元となった辞書の項目
glance
IPA(発音記号)
解説
以下では、英単語“glance”について、さまざまな角度から詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: glance
品詞: 動詞(※名詞としても使用可)
意味(英語 ⇔ 日本語)
- 英語: to look quickly or briefly / to take a quick look
- 日本語: ちらっと見る、さっと目を向ける
「glance」は、何かを深く注視するのではなく、短い時間や一瞬だけ視線を向けるというニュアンスの単語です。たとえば、時計や人の顔などを「さっと見る」イメージになります。
動詞の活用形
- 現在形: glance
- 過去形: glanced
- 過去分詞形: glanced
- 現在分詞形: glancing
品詞が変わった例
- 名詞(a glance): 「一瞥、一見」という意味で使われます。
例) “He took a glance at his watch.” (彼は時計をちらっと見た)
※CEFRレベルの目安:
- “glance”は会話で頻出する表現ですが、文章でも使われるため、B2(中上級)程度の単語と考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
“glance”は、はっきりした接頭語・接尾語をもたない、一つのまとまった語幹で構成されています。
関連する派生語・類縁語
- glancingly (副詞): ちらりと、かすめるように
例) “She spoke glancingly about the topic.” (彼女はその話題についてちらりと触れた)
10個のよく使われるコロケーションと関連フレーズ
- glance at …(〜をちらっと見る)
- glance down(下をちらっと見る)
- glance over …(〜にざっと目を通す)
- glance through …(〜にざっと目を通す)
- steal a glance(こっそりちらっと見る)
- take a quick glance(手早くひと目見る)
- casual glance(何気なくちらっと見ること)
- sideways glance(横目でちらっと見ること)
- brief glance(短時間のちらっと見ること)
- nervous glance(落ち着きのないちらっと見ること)
3. 語源とニュアンス
語源
“glance”は中英語や古フランス語あたりを起源としており、もともと「はね返る」や「かすめる」などの意味が含まれていたとされています。その流れで、「視線がかすめる」という意味へと発展し、「ちらっと見る」というニュアンスを持つようになりました。
ニュアンスと注意点
- 「無意識にちょっと見てしまう」から「わざと短い時間で視線を向ける」まで幅広いシチュエーションで使えます。
- カジュアルな会話からビジネスシーン、さらに文語表現にも幅広く使える動詞です。
- “glance”はあくまでも「一瞬見る」ニュアンスなので「じっくり見る」ではありません。会話で誤って多用しすぎると、相手に“よそ見している”印象を与えるかもしれません。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- “glance at + 目的語” : 最も基本形(「〜をちらっと見る」)
例) “I glanced at the clock.” - “glance over/through + 目的語” : 「〜をざっと目を通す」
例) “She glanced over the report.”
イディオム的表現
- “at a glance” : 一目見て、すぐに
例) “I knew at a glance that something was wrong.” (一目見て何かがおかしいとわかった)
文法上のポイント
- 基本的には自動詞扱いが多いですが、目的語とセットで前置詞 “at” や “over” を取る構文(≒自動詞句)として使われます。
- 名詞として使う場合は加算名詞で “a glance” (一回のちら見) となるのが一般的です。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3例)
- “I glanced at my phone to check the time.”
(時間を確認するため、携帯をちらっと見た) - “She glanced out the window to see who was passing by.”
(彼女は誰が通りか見ようと窓の外をちらっと見た) - “He glanced around the room before deciding where to sit.”
(彼は座る場所を決める前に部屋をちらっと見渡した)
ビジネスシーンでの例文 (3例)
- “Could you glance over this proposal before the meeting?”
(会議の前にこの提案書をざっと目を通してもらえますか?) - “I only had time to glance at the latest email from our client.”
(クライアントからの最新メールをちらっと見る時間しかなかった) - “He glanced through the contract to check for any major issues.”
(彼は契約書にざっと目を通して、大きな問題がないか確認した)
学術的・フォーマルな文脈での例文 (3例)
- “Researchers often glance through abstracts before deciding to read the full paper.”
(研究者は論文を全文読む前に、要旨をちらっと読むことが多い) - “She glanced at the historical data to find a pattern.”
(彼女はパターンを見つけるために、歴史的データをちらっと確認した) - “During the presentation, the professor occasionally glanced at his notes.”
(プレゼン中、教授は時々メモに目をやった)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- peek(そっとのぞく)
- peekは「隠れながら、少しの間だけ見る」ニュアンスが強い。
- peekは「隠れながら、少しの間だけ見る」ニュアンスが強い。
- peep(こっそりのぞき見る)
- peekよりもう少し秘密めいた響き。
- peekよりもう少し秘密めいた響き。
- glimpse(ちらっと見える/見かける)
- 自分から見るというより、偶然目に入った感じ。
- 自分から見るというより、偶然目に入った感じ。
- scan(ざっと目を通す)
- glanceよりも「隅々までざっと確認する」要素が強く、もう少し意図的に細かく見るニュアンス。
- glanceよりも「隅々までざっと確認する」要素が強く、もう少し意図的に細かく見るニュアンス。
反意語
- stare(じっと見る、凝視する)
- “glance”は一瞬見る動作だが、“stare”は長く視線を向け続ける動作を表す。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記
- アメリカ英語: /ɡlæns/
- イギリス英語: /ɡlɑːns/ もしくは /ɡlæns/ (地域差があります)
通常、語頭の “gl-” にしっかり重みを置き、母音は「ア(æ)」または長めの「アー(ɑː)」です。
アメリカ英語では短めの “æ” の音が多く、イギリス英語では “ɑː” の音が用いられることがあります。
“g” と “l” の音が続くので、日本人にとっては発音が曖昧になりやすいので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- 発音通りに “glance” と書くのがコツ。間違って “glence” と書いてしまう例があるので注意。
- 発音通りに “glance” と書くのがコツ。間違って “glence” と書いてしまう例があるので注意。
- 同音異義語ではありませんが、音が似た “glance” と “glance off” などの熟語は使い分けを確認する必要があります。
- “glance” はTOEICや英検では、読解問題などで “glance at the document” といったフレーズが出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「G(じー)っと」ではなく、「ちらっと見る」という逆の動作だとイメージすると覚えやすいです。
- “g-lance” の “lance” は“槍”という意味の別単語もありますが、それとつなげて「槍が一瞬だけ突く = ちらっと見る」と連想するのも面白いかもしれません。
- 日常で「ちょっと見る」という場面は多いので、普段から「glance at my watch」「glance at the message」などのフレーズを声に出して練習すると定着しやすいでしょう。
以上が、“glance”の詳細解説です。一瞬だけ視線を向けるニュアンスをしっかり理解し、会話や文章で活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
ちらっと見る,一目見る;(…を)ちらっと見る《+at+名》
意味(2)
〈光などが〉きらめく,きらりと光る