fond
1. 基本情報と概要
単語: fond
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): having a liking or love for someone or something
意味(日本語): ~を好む、~に愛着を持っている、愛情深い
「fond」は「~を好きである」「~に対して愛着がある」というときに使われる形容詞です。人や物への愛着や好意を示す、やや優しいニュアンスの単語です。たとえば、「I’m fond of cats.(私は猫が好きです)」のように「fond of ~」の形でよく使われます。
活用形:
形容詞なので、時制による変化はありません。「fond - fonder - fondest」といった比較級・最上級形はありますが、日常では比較的使う頻度は少なめです。
- 原級: fond
- 比較級: fonder
- 最上級: fondest
他の品詞形:
- 名詞形: fondness(好み、愛着)
- 副詞形: fondly(愛情を込めて)
CEFRレベル: B1(中級)
日常会話や文章で比較的よく登場します。細かいニュアンスでしっかり使い分けるには中級程度の英語力が必要です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「fond」は短い単語のため、明確な接頭語や接尾語はありません。語幹だけで機能する形容詞です。
詳細な意味
- 好む・好きである
– ある事柄やものに対して比較的強い好意や愛着をもっている場合 - 愛情深い・優しい
– 人に対して優しく、慈しみの心を持っている場合
関連語・派生語
- fondness (n.): 好み、愛情、気に入っている気持ち
- fondly (adv.): 愛情をこめて、優しく
よく使われるコロケーション(10個)
- be fond of … (…を好む)
- grow fond of … (…をだんだん好きになる)
- become fond of … (…を好きになる)
- fond memories (楽しい思い出)
- a fond farewell (名残惜しい別れ)
- a fond look (愛情のこもった眼差し)
- fond hope (甘い期待)
- rather fond of … (…がかなり好き)
- remain fond of … (…を好きであり続ける)
- fond impression (好意的な印象)
3. 語源とニュアンス
「fond」は中英語(Middle English)の「fonned(foolish=愚かな)」から派生したと言われています。当初は「愚かな」「軽率な」という意味がありましたが、時代を経て「愛情をもつ」「好きである」というポジティブな意味に変化しました。
現在では、「優しい気持ちをもって好きでいる」という柔らかいニュアンスがあります。親しい仲間同士の会話から手紙やエッセイなど、やや温かみのある表現をしたいときによく使われます。フォーマルすぎず、かといってカジュアルすぎない、ほどよく上品な印象の単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 主に “be fond of + 名詞/動名詞” の形で用いる
例: I am fond of classical music. - 比較級・最上級
例: She is fonder of him than of anyone else.(彼女は誰よりも彼を好んでいる)
ただし、あまり頻繁には使われません。 - フォーマル/カジュアルの使い分け
– 日常会話でも書き言葉でも使いやすく、失礼になることはほとんどありません。 - 文法上のポイント
– “fond”は形容詞のため、名詞を修飾するか、補語として使われます。
– “fond of”で目的語を導くため、“fond about”や“fond for”のような誤用に注意しましょう。
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “I’ve always been fond of reading before bed.”
(寝る前に本を読むのがずっと好きなんだ。) - “Are you fond of spicy food?”
(辛い食べ物は好き?) - “I grew fond of hiking after my friend took me to the mountains.”
(山に連れて行ってもらってから、ハイキングが好きになったよ。)
(B) ビジネスシーンでの例文
- “Our client seems quite fond of the new proposal.”
(顧客は新しい提案をかなり気に入っているようです。) - “I’m fond of collaborative projects because they bring out fresh ideas.”
(協力し合うプロジェクトが好きです。新しいアイデアが生まれますから。) - “He has always been fond of direct communication, so email might not be the best way.”
(彼は直接的なコミュニケーションを好むので、メールは最適ではないかもしれません。)
(C) 学術的・アカデミックな文脈での例文
- “Researchers have grown fond of this approach due to its simplicity.”
(研究者たちはそのシンプルさゆえ、このアプローチを好むようになっている。) - “The professor seems particularly fond of qualitative analysis methods.”
(教授は定性的な分析手法を特に気に入っているようです。) - “Many educators are fond of interactive learning tools for student engagement.”
(多くの教育者は学生の積極的な参加を促すため、対話型の学習ツールを好んで使います。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- keen on(~に熱心である, ~が好き)
– “fond of”よりも少し強く「夢中になっている」感じ。 - attached to(~に愛着がある)
– 感情的に強く結びついているニュアンス。 - affectionate(愛情深い)
– 「fond」よりさらに感情表現が直接的なイメージ。 - loving(愛情のある、やさしい)
– 人間関係などで「本当に深い愛」を感じられる際に使う。
反意語
- averse(嫌っている、好まない)
- indifferent(無関心な)
- hostile(敵対的な)
「fond of」はあくまで「好き」「応援している」というポジティブさがあるのに対して、「averse」は真逆で「嫌う、避けたい」という強い否定的感情を表します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- イギリス英語: /fɒnd/ (「フォンド」のように「オ」に近い音)
- アメリカ英語: /fɑːnd/ または /fɔnd/(「ファンド」「フォンド」のように聞こえる)
- イギリス英語: /fɒnd/ (「フォンド」のように「オ」に近い音)
- アクセント:
- 1音節なので単語全体に強勢があります。
- 1音節なので単語全体に強勢があります。
- よくある間違い:
- “found(見つけた)”や “fund(資金)” と混同しやすいですが、音とスペルに注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 前置詞の誤り:
– “fond of”の代わりに“fond for”や“fond about”としてしまうミスが多いです。 - 「found」「fund」とのスペル混同:
– 発音とつづりをしっかり確認しましょう。 - 比較級・最上級の使い方
– 普段はあまり使わないように感じますが、作文や長文で「fonder」「fondest」が登場する場合もあるため注意。
TOEICや英検などでは、熟語表現やコロケーション問題で「be fond of ~」を問われる可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「fond of」は「for の代わりに “of” を使う」と覚える:
“I’m fond of (something)” と言うとき、つい “for” などを使いそうになりますが、慣れてしまうのが一番です。 - 「fondue」を連想して覚える:
「fond」と読むので、チーズフォンデュなどの「fondue」から「好きな食べ物を連想する」と「好き=fond」という語感で記憶しやすくなります。 - 「fun + d」で見た目の似たスペルにも注意:
「fun」と「fond」のつづりをくっつけて、楽しむ(=fun)ものを好き(=fond)とイメージすると思い出しやすいです。
「fond」はやさしく相手を思いやるニュアンスがある愛らしい単語です。「be fond of...」で日々の英会話に取り入れて、気持ちを伝える表現として活用してみましょう。
《名詞の前にのみ用いて》優しい,愛情のある(loving)
《名詞の前にのみ用いて》優しすぎる,甘い
《名詞の前にのみ用いて》(希望など)深く心に抱いた,ひとりよがりの
《補語にのみ用いて》(…を)好んで,好きで《+of+名(do*ing*)》