元となった辞書の項目
ecstasy
IPA(発音記号)
解説
名詞「ecstasy」の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語の意味: “Ecstasy” は、非常に強い喜びや恍惚感(こうこつかん)、有頂天の状態などを指す英語の名詞です。
日本語の意味: 「非常に強い幸福感」「恍惚感」「歓喜の極み」といったニュアンスをもつ言葉です。たとえば、何か素晴らしい出来事があって、我を忘れて喜んでしまうようなシーンにぴったりの単語です。
- 品詞: 名詞(n.)
- 活用形:
- 単数形: ecstasy
- 複数形: ecstasies(「複数の種類の恍惚感」といった文脈で使われることもありますが、日常的にはあまり使わない)
- 単数形: ecstasy
他の品詞の例
- 形容詞: ecstatic(例:She was ecstatic about the news.)
- 副詞: ecstatically(例:They danced ecstatically all night.)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 感情表現としてやや高度で、文脈によっては文学的・比喩的に使われるため。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「ecstasy」は明確な接頭語・接尾語をもたない単語ですが、語源上はギリシャ語の「ekstasis(立ち去る、抜け出す)」に由来します(後述)。
派生語・類縁語
- Ecstatic (adj.): 恍惚となった、熱狂した
- Ecstatically (adv.): 恍惚として、歓喜して
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- in ecstasy(恍惚状態で)
- be overwhelmed with ecstasy(歓喜に圧倒される)
- a moment of ecstasy(一瞬の恍惚)
- the ecstasy of love(愛の歓喜)
- religious ecstasy(宗教的恍惚)
- drug-induced ecstasy(薬物による陶酔感)
- sheer ecstasy(純粋な歓喜・この上ない喜び)
- a shout of ecstasy(歓喜の叫び)
- on the brink of ecstasy(恍惚の寸前)
- lose oneself in ecstasy(歓喜のあまり我を忘れる)
3. 語源とニュアンス
語源
- ギリシャ語の “ekstasis” (ek- + stasis:外へ+立つ) が語源で、「自分の通常の意識状態から外に出る」という意味が含まれます。
ニュアンスと使用上の注意
- 宗教的・神秘的な文脈: 古くは神秘体験や宗教的恍惚を表す際にも使われてきました。
- 激しい感情を表現: 非常に強い感情状態で、通常の理性や平静を失うような「うっとりした」「夢中になった」感覚を表します。
- 薬物との関連: 「Ecstasy」は麻薬(MDMA)の通称としても使われるため、文脈によっては誤解が生じないよう注意が必要です。
カジュアルかフォーマルか
- 一般的にはややフォーマル寄り、あるいは文学的な響きがあります。カジュアルに使う場合でも、大袈裟な感じ(ドラマチックな言い回し)を与えることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (countable/uncountable): 多くの場合は不可算名詞として扱われることが多いですが、「ecstasies」のように複数形で語るときは「複数の種類の恍惚感」などのニュアンスを出したい場合です。
- 一般的な構文例
- be in ecstasy / go into ecstasy(恍惚状態になる)
- fill someone with ecstasy(誰かを恍惚感で満たす)
- be in ecstasy / go into ecstasy(恍惚状態になる)
イディオムやよくある表現
- go into ecstasy over (something): (何か) に熱狂する、うっとりする
- reach an ecstasy of (emotion): (ある感情) の頂点に達する
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “When I heard the news, I was in ecstasy!”
(そのニュースを聞いたとき、本当に有頂天になったよ!) - “She smiled in ecstasy after winning the contest.”
(彼女はコンテストに勝った後、恍惚の笑みを浮かべていた。) - “His music performance left the audience in ecstasy.”
(彼の演奏は観客を恍惚状態にさせた。)
ビジネスでの例文
- “The new product launch put our entire team in a state of ecstasy.”
(新製品の打ち上げによって、チーム全体が興奮状態になった。) - “She felt a brief ecstasy when the deal was closed, but then got back to work.”
(契約が成立したときは一瞬歓喜に浸ったが、その後すぐ仕事に戻った。) - “We must remain professional even if we experience ecstasy upon achieving our goals.”
(目標を達成して歓喜に包まれたとしても、プロとして落ち着いていなければならない。)
学術的・専門的な文脈での例文
- “In medieval mysticism, accounts of ecstasy often describe intense visionary experiences.”
(中世の神秘主義においては、恍惚体験は激しい幻視体験としてよく記される。) - “Psychologists study ecstasy as an altered state of consciousness.”
(心理学者は恍惚状態を意識の変容状態として研究している。) - “The phenomenon of religious ecstasy has been documented across multiple cultures.”
(宗教的恍惚の現象は多文化にわたり記録されている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- bliss(至福): 幸福感が強いが、ecstasyより静かなイメージ。
- rapture(歓喜、うっとりした状態): 文学的・宗教的な文脈でしばしば使用され、ecstasyと近い意味だが、やや荘厳なニュアンス。
- euphoria(高揚感): 医学・心理学の分野ではポジティブな高揚感を示す際に使う。
反意語
- misery(悲惨), agony(苦悶), despair(絶望) などが挙げられる。ecstasy と正反対の感情を示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈɛk.stə.si/
- 強勢(アクセント): 最初の “ec-” の部分にアクセントが置かれます。
- アメリカ英語とイギリス英語: 大きな違いはほぼありませんが、イギリス英語ではやや /ˈek.stə.si/ のように「ɛ」がはっきりする場合があります。
- よくある発音ミス: アクセントが “-sta-” に来てしまったり、子音を省略して [ekˈta.si] のようにしてしまうことがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “ecstacy” や “exctasy” など、つづりを間違えやすいので注意。
- 同音異義語との混同: 似た音をもつ一般的な単語は少ないが、音 として「XTC(エックス・ティー・シー)」などのスラング的表現と混同しないように。
- 試験出題傾向: TOEICや英検ではあまり一般的ではありませんが、高度な読解問題や文学・宗教的表現の文章中で出てくる可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源イメージ: “ek-” + “stasis” で、立ち去る+立つ → 「通常の思考・状態から外へ飛び出る」イメージで覚えるとよいです。
- 変化型とのセット学習: 「ecstasy(名詞)」「ecstatic(形容詞)」「ecstatically(副詞)」をまとめて覚えれば、使い分けがしやすいです。
- スペリングのコツ: “ec + sta + sy” と3つの塊で分けて書いてみるとミスが減ります。
「ecstasy」は感情のピークを表すとてもドラマチックな単語です。強烈な幸福感や恍惚状態をイメージすると覚えやすいでしょう。文学的・宗教的、あるいは薬物の文脈でも用いられるため、文脈を意識して使い分けしてください。
意味のイメージ
意味(1)
有頂天,無我夢中,恍惚(こうこつ)