元となった辞書の項目
cancer
解説
以下では、英単語「cancer(名詞)」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “cancer” = A serious disease caused by uncontrolled cell growth, forming malignant tumors.
- 日本語: 「癌(がん)」= 細胞が異常増殖して悪性の腫瘍を形成し、組織や臓器に侵襲していく疾患。
こういう場面で使われる単語で、医療分野や日常の健康談義など幅広く登場します。また、比喩的に「社会をむしばむもの」「組織にとっての深刻な問題」のようにも使われます。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 基本的に不可算名詞(例: “He has cancer.”)。可算名詞として使うケースもあり(特定の種類などを指すとき “various cancers”)
- 形容詞形: “cancerous(癌性の)”
他の品詞への変化例
- “cancerous” (形容詞): “cancerous cells”「癌細胞」
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
・医療や健康関連の話題に頻出する単語でありながら少し専門的要素があるため、中上級レベルに相当する印象です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 「cancer」はラテン語由来で、明確な英語の接頭語・接尾語は含まれていませんが、語幹として“cancer-”があります。
派生語や類縁語
- “cancerous” (形容詞): 癌性の
- 天文学・占星術の名称としての“Cancer” (カニ座) も同じ語源。文脈が異なれば天体や星座名として使われます。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- “breast cancer” → 乳がん
- “lung cancer” → 肺がん
- “colon cancer” → 結腸がん
- “cancer screening” → がん検診
- “cancer treatment” → がん治療
- “cancer research” → がん研究
- “cancer diagnosis” → がんの診断
- “cancer cells” → がん細胞
- “stage IV cancer” → ステージIVのがん
- “cancer survivor” → がんを克服した人
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “cancer” から。もともと “crab(カニ)”を意味し、ガン化した腫瘍の形状などがカニの脚のように広がる様子から、そう呼ばれるようになったとされています。
ニュアンスや使用時の注意点
- 深刻で重々しい響きがあるため、日常的に使う際には慎重に扱われることが多いです。
- 医療分野でのフォーマルな文脈はもちろん、メタファー(比喩)として「社会や組織をむしばむ問題」といったカジュアルな批判文脈でも使われます(例: “This corruption is a cancer on society.”)。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として使われるとき、可算・不可算の両方の用法があります。
・不可算例: “He died of cancer.”
・可算例: “Various cancers affect different organs.” - フォーマル・カジュアルどちらでも用いられますが、内容が深刻なため、文脈は主に医療・健康や社会問題に関係することが多いです。
イディオム
- “to be diagnosed with cancer” → 「がんと診断される」
- “a cancer on/within society” → 「社会をむしばむもの、がん的存在(比喩)」
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “My aunt was diagnosed with cancer last year.”
(私のおばは昨年がんと診断されました。) - “He’s worried about his mother’s cancer treatment.”
(彼は母親のがん治療を心配しています。) - “We should support cancer research by donating if we can.”
(できるなら寄付をしてがん研究を支援すべきです。)
(B) ビジネスシーンでの例文
- “Our company supports several cancer charities.”
(我が社はいくつかのがんチャリティーを支援しています。) - “The health insurance plan covers cancer screenings.”
(健康保険のプランにはがん検診が含まれます。) - “Raising awareness about cancer prevention is part of our CSR activity.”
(がん予防に対する意識を高めることは、弊社のCSR活動の一環です。)
(C) 学術的な文脈での例文
- “This study explores the genetic factors contributing to cancer proliferation.”
(この研究は、がんの増殖に関わる遺伝的要因を探究しています。) - “Researchers have developed a new drug to target aggressive forms of cancer.”
(研究者たちは、進行度の高いタイプのがんを標的とする新薬を開発しました。) - “Early detection significantly enhances the survival rates of most cancers.”
(多くのがんにおいて、早期発見は生存率を大幅に高めます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “tumor”(腫瘍)
- 良性・悪性を含む「腫瘍」を指す一般的な用語。必ずしも悪性とは限りません。
- 良性・悪性を含む「腫瘍」を指す一般的な用語。必ずしも悪性とは限りません。
- “malignancy”(悪性腫瘍)
- 医学的に「悪性であること」を強調するやや専門的表現。
- 医学的に「悪性であること」を強調するやや専門的表現。
- “carcinoma”(癌腫)
- 上皮細胞由来の癌を定義する非常に専門性の高い医学用語。
- 上皮細胞由来の癌を定義する非常に専門性の高い医学用語。
反意語
- “health”(健康)
- 明確な医学的対比語ではありませんが、概念としては「健康」との対比で語られることが多いです。
- 明確な医学的対比語ではありませんが、概念としては「健康」との対比で語られることが多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈkæn.sər/(アメリカ英語), /ˈkæn.sə/(イギリス英語)
- 強勢(アクセント)は第1音節 “CAN” に置かれます。
- よくある誤りとしては「キャンサー」と日本語のカタカナ発音が強く残りすぎることが多いですが、英語では“k”をはっきり発音し、母音は「カン」に近い音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル:「cancer」は“c-a-n-c-e-r”で、rが1つです。“cancer”を“cancar”などと間違えないようにしましょう。
- 同音異義語との混同はあまりありませんが、“cancel”(キャンセル)にスペリングが似ているので注意が必要です。
- TOEICや英検などでも、健康や医療に関する長文読解問題の中で頻出する単語なので、しっかり覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源は「カニ」。カニがハサミや脚を広げるイメージで腫瘍が周囲に広がる様子を連想すると、スペルや意味が記憶しやすいかもしれません。
- スペリングは「can + cer」で、発音上は「キャン + サー」。
- 「キャンサー」とカタカナで意識されやすいので、英語の発音に慣れるために、母音をほんの少し短めにするとよいです。
上記のポイントを押さえれば、「cancer」という単語の意味や用法をしっかり理解できます。医療の世界だけでなく、比喩表現としても登場する大事な単語なので、ぜひ覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉〈C〉がん
意味(2)
〈U〉〈C〉害悪
意味(3)
《Cancer》(星座の)カニ座