retired
1. 基本情報と概要
英単語: retired
品詞: 形容詞 (adjective)
活用形:
- 比較級: (通常は比較級無し)more retired(※しかし実際にはあまり用いられません)
- 最上級: most retired(こちらもほとんど使われません)
「retired」は英語で「引退した」「退職した」という意味です。
「Retired teacher(退職した教師)」や「He is retired(彼は引退している)」のように、人が正式に仕事を辞めているという状況・状態を示す形容詞です。「もう仕事をしていない」「現役を退いている」というニュアンスがあります。日常会話やニュース記事など、さまざまな場面で使われます。
- CEFRレベル目安: B1(中級)
- B1: 基本的なコミュニケーションができるレベルで、比較的よく使われる単語であり、より深い話題でも理解が可能です。
他の品詞への派生
- retire (動詞): 「退職する」「引退する」
- 例: “He plans to retire at the age of 60.”
- 例: “He plans to retire at the age of 60.”
- retiree (名詞): 「退職者」
- 例: “A retiree often has more free time than before.”
- 例: “A retiree often has more free time than before.”
- retiring (形容詞): 「控えめな」「内気な」という意味もありますが、文脈によっては「もうすぐ引退する」という意味になることもあります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- retire + -d
- 「retire」はフランス語の “retirer”(引き下げる、退く)に由来し、「引退する」「退職する」を意味する動詞です。その過去分詞形 “retired” が形容詞として使われるようになりました。
10のよく使われるコロケーション
- retired teacher(退職した教師)
- retired officer(退役した将校)
- retired worker(退職した労働者)
- retired judge(退任した判事)
- retired life(退職後の生活)
- recently retired(最近退職した)
- officially retired(正式に引退した)
- newly retired(新たに退職した)
- partially retired(部分的に引退した、仕事を一部だけ続けている)
- early retired(早期退職した)
これらはいずれも、「現役をすでに退いている」「職を辞している」という文脈で使われる表現です。
3. 語源とニュアンス
語源
- 「retire」は古フランス語 “retirer” からきており、 “re-”(再び)+“tirer”(引く)という要素があります。もともとは「舞台裏へ引っ込む」「居室に退く」というような「人目から離れる・引きこもる」といったニュアンスもあり、そこから「社会的な仕事の場面から退く」という意味が派生しました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「retired」は公的にも私的にも使われ、フォーマルすぎずカジュアルすぎず、どちらのシーンでもよく使える単語です。
- 「年齢的に若い、しかし事情があって“引退した”」人に対しても用いられますが、その場合は「early retired(早期退職した)」などと補足することがあります。
- 特定の状況で、プライバシーや年齢の話題に関わるので、失礼にならないように注意しつつ使用するほうが良い場合があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞としての使い方: “He is retired.” のように補語(主語+補語)で使ったり、 “a retired doctor” のように名詞を修飾したりします。
- 可算・不可算の区別: 形容詞なので、可算/不可算の概念はありません。
- フォーマル/カジュアル: どちらでも使えますが、名刺や肩書きなどではややフォーマル寄りに使われることが多いです。
一般的な構文例
- “He is retired.”(彼は退職しています)
- “She’s a retired police officer.”(彼女は退職した警官です)
- “He has been retired for five years.”(彼は5年間引退している状態です)
5. 実例と例文
それぞれの文脈で3つずつ例文を示します。
(1) 日常会話での例文
“My father is retired now, so he spends most of his time gardening.”
- (私の父は今引退していて、ほとんどの時間を庭いじりに費やしています。)
- (私の父は今引退していて、ほとんどの時間を庭いじりに費やしています。)
“I heard Mr. Lewis is retired; he used to be a great pianist.”
- (ルイスさんはもう引退したらしいよ。昔はとても有名なピアニストだったんだ。)
- (ルイスさんはもう引退したらしいよ。昔はとても有名なピアニストだったんだ。)
“She’s retired, but she still loves to volunteer at the local library.”
- (彼女は引退してるけど、今でも地元の図書館でボランティア活動をするのが大好きなんだ。)
- (彼女は引退してるけど、今でも地元の図書館でボランティア活動をするのが大好きなんだ。)
(2) ビジネスシーンでの例文
“He’s a retired CEO who occasionally advises start-up companies.”
- (彼は退任したCEOで、ときどき新興企業に助言をしている。)
- (彼は退任したCEOで、ときどき新興企業に助言をしている。)
“We invited a retired financial consultant to speak about investment strategies.”
- (私たちは投資戦略について話してもらうために、退職したファイナンシャルコンサルタントを招いた。)
- (私たちは投資戦略について話してもらうために、退職したファイナンシャルコンサルタントを招いた。)
“Although she’s retired, she continues to mentor young entrepreneurs.”
- (彼女は引退しているが、若い起業家たちを指導し続けている。)
- (彼女は引退しているが、若い起業家たちを指導し続けている。)
(3) 学術的な文脈での例文
“According to a retired professor of sociology, demographic shifts greatly affect retirement trends.”
- (ある社会学の退職教授によると、人口動態の変化は退職の動向に大きな影響を与えるそうだ。)
- (ある社会学の退職教授によると、人口動態の変化は退職の動向に大きな影響を与えるそうだ。)
“In many fields, retired scholars publish valuable retrospective analyses.”
- (多くの分野で、引退した学者たちは価値のある回顧的な分析を発表する。)
- (多くの分野で、引退した学者たちは価値のある回顧的な分析を発表する。)
“Retired researchers often maintain affiliations with universities for collaborative projects.”
- (引退した研究者は、共同研究のために大学との関係を維持することが多い。)
- (引退した研究者は、共同研究のために大学との関係を維持することが多い。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
former(かつての)
- 元職であることを強調。「retired」が「引退」という状態を指すのに対し、「former」は「以前にその職に就いていた」ことを示します。
- 例: “He is a former president of the company.”(彼は以前その会社の社長を務めていました。)
- 元職であることを強調。「retired」が「引退」という状態を指すのに対し、「former」は「以前にその職に就いていた」ことを示します。
ex- ~(前~)
- 親しい相手との会話やカジュアルな表現で使われがち。厳密には「引退した」より「前にその職だった」というニュアンス。
- 例: “My ex-boss moved to another city.”(前の上司は別の街に引っ越した。)
- 親しい相手との会話やカジュアルな表現で使われがち。厳密には「引退した」より「前にその職だった」というニュアンス。
pensioned off(年金生活に入った)
- イギリス英語よりで、やや古風な響き。公的年金で退職したことを指す場合に使われます。
- イギリス英語よりで、やや古風な響き。公的年金で退職したことを指す場合に使われます。
反意語 (Antonyms)
- employed(雇われている)
- active(現役の)
- “He is still active in the industry.”(彼はまだその業界で現役だ。)
- “He is still active in the industry.”(彼はまだその業界で現役だ。)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /rɪˈtaɪərd/
- アメリカ英語 (AmE): [ri-TAI-urd / rɪˈtaɪɚd]
- イギリス英語 (BrE): [ri-TAI-əd / rɪˈtaɪəd]
- アメリカ英語 (AmE): [ri-TAI-urd / rɪˈtaɪɚd]
アクセントの位置
- “re*tired*” の “ti” の部分に強勢がきます。 /rɪˈtaɪərd/ の ˈtaɪ のところが強く発音されます。
よくある発音の間違い
- 語尾の “-ed” を /ɪd/ と発音せずに /d/ だけにしてしまう場合があるため、注意が必要です。また、イギリス英語では語中の
r
を強く巻かない(非回転音)点に注意します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “retired” の “ti” の部分でスペルミスが起こりやすい(ex. retiered など)。
- “retired” の “ti” の部分でスペルミスが起こりやすい(ex. retiered など)。
- 同音異義語との混同
- “tired” (疲れた) と紛らわしい場合あり。しかし、頭の “re-” 部分が付いているので、注意して区別しましょう。
- “tired” (疲れた) と紛らわしい場合あり。しかし、頭の “re-” 部分が付いているので、注意して区別しましょう。
- TOEIC・英検などでの出題
- 職業や雇用形態に関する話題でよく出てきます。「retire」の派生形として「retired」がセットで選択肢に出てくる場合があるため、定義や用法をしっかり覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「re-」は「再び、後方へ」「引き返す」のイメージ、「tire」は「引く」というフランス語由来のイメージがあります。
- 「引っ込む」「退く」ニュアンスを思い浮かべると「退職した」「引退した」の意味を覚えやすいです。
- “re*tire*d” のスペリングも、 “tire” の形を残したうえで「d」をつける、と意識すると間違いにくいです。
- 一度「舞台から退く」というイメージを思い浮かべれば、頭に焼きつきやすいでしょう。
以上が形容詞 “retired” の詳細な解説です。現役を退いた状態を示す便利な単語なので、ぜひ使いこなしてください。
引退(退職)した;退職者のための
へんぴな,人里離れた,引きこもった