元となった辞書の項目
pilgrim
解説
以下では、名詞「pilgrim」をできるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
単語: pilgrim
品詞: 名詞 (可算名詞)
意味(英語): a person who travels to a holy place for religious reasons
意味(日本語): 巡礼者、聖地や特別な場所を目的に旅をする人
「聖地など特別な場所に信仰的・精神的な目的で向かう巡礼者」を指します。宗教上の行為として使われることが多いですが、比喩的に「ある目的を抱いて長い道のりを行く人」というニュアンスにもなる場合があります。
- 活用形: 名詞ですので、単数形「pilgrim」、複数形「pilgrims」となります。
- 他の品詞例: 形容詞形は直接はありませんが、関連語として「pilgrimage」という名詞(「巡礼」の意味)があります。
難易度(CEFRレベル)
- B2: 中上級レベル
日常会話の中では頻繁に登場しないものの、宗教や歴史に関するトピックで出てきやすい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「pilgrim」は、大きな接頭語・接尾語を含まない単語ですが、派生語として「pilgrimage」(巡礼)があります。
関連語・派生語
- pilgrimage (n.): 巡礼、巡礼の旅
- pilgrim father(s): アメリカのピルグリム・ファーザーズ(清教徒でメイフラワー号に乗った人々)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- pilgrim route(巡礼路)
- pilgrim hostel(巡礼者用の宿泊所)
- pilgrim shrine(巡礼地・聖地)
- pilgrim badge(巡礼者のバッジ)
- pilgrim father(ピューリタンの祖先、巡礼祖)
- pilgrim tradition(巡礼の伝統)
- modern pilgrim(現代の巡礼者)
- pilgrim destination(巡礼の目的地)
- Catholic pilgrim(カトリックの巡礼者)
- Pilgrim’s Progress(ジョン・バニヤン著『天路歴程』の原題)
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語の「peregrīnus(異国人、旅人)」が由来。さらに「per(~を通して)」+「ager(畑・土地)」という要素をもつとされ、もともと「外国を通って行く人」という意味合いがあります。
- 歴史的使用: 中世ヨーロッパで聖地(エルサレムやサンティアゴ・デ・コンポステーラなど)へ旅する巡礼者を指す言葉として使われていました。
- ニュアンス・使用時の注意:
- 宗教的・信仰的な文脈で使われることが多い。
- カジュアルな日常会話よりも、宗教や歴史、文学の文脈でよく登場する。
- 「霊的な目的をもつ旅人」というニュアンスが強い。
- 宗教的・信仰的な文脈で使われることが多い。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: a pilgrim / two pilgrims のように数えられます。
- 一般的な構文例:
- “(Someone) is a pilgrim on a journey to 〜.”
- “Pilgrims from different countries gather around 〜.”
- “(Someone) is a pilgrim on a journey to 〜.”
- フォーマル/カジュアル:
- 宗教や歴史文脈ではフォーマルな表現として使われることが多い。
- 口語でも使われることはあるが、特別感を出したい時などに限られる。
- 宗教や歴史文脈ではフォーマルな表現として使われることが多い。
5. 実例と例文
それぞれ異なる文脈(例:日常会話・ビジネス・学術的)での使用例を挙げます。
日常会話 (3例)
- “I met a pilgrim who was traveling on foot through Spain.”
(スペインを徒歩で旅している巡礼者に会ったよ。) - “Have you ever considered going on a pilgrimage, like a pilgrim?”
(巡礼みたいに、巡礼の旅に出たことを考えたことある?) - “My aunt visited a famous temple with a group of pilgrims last year.”
(私のおばは昨年、巡礼者の一団と一緒に有名な寺院に行ったよ。)
ビジネス (3例)
ビジネス文脈で直接“pilgrim”が出てくることは珍しいですが、観光・旅行産業や出版業などでは文脈によって使われることがあります。
- “Our company provides travel packages for pilgrims visiting holy sites.”
(当社は聖地を訪れる巡礼者向けの旅行パッケージを提供しています。) - “Pilgrim tourism has boosted local businesses around the shrine.”
(巡礼者による観光のおかげで、その聖地周辺の地元ビジネスが活性化しました。) - “We published a guidebook specifically for Catholic pilgrims.”
(カトリックの巡礼者向けのガイドブックを特別に出版しました。)
学術的 (3例)
- “Historical records show that medieval pilgrims traveled far distances to visit relics.”
(中世の巡礼者は遺物を拝むために遠方まで旅をしたという歴史的記録があります。) - “The concept of a pilgrim is deeply rooted in religious traditions worldwide.”
(巡礼者という概念は世界中の宗教的伝統に深く根付いています。) - “The Pilgrim Fathers are noted for their role in early American history.”
(ピルグリム・ファーザーズは初期アメリカ史における彼らの役割で知られています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- traveler(旅行者)
- 一般的に旅行する人。宗教的目的は含まないことが多い。
- 一般的に旅行する人。宗教的目的は含まないことが多い。
- wanderer(放浪者)
- 目的なくさまよう人のニュアンスが強い。
- 目的なくさまよう人のニュアンスが強い。
- devotee(崇拝者、信者)
- 信仰や趣味に熱心な人を指すが、必ずしも旅をする人ではない。
- 信仰や趣味に熱心な人を指すが、必ずしも旅をする人ではない。
反意語
- native(地元民)
- ある土地に元から住んでいる人。巡礼者とは逆に「旅人ではない人」というニュアンス。
- ある土地に元から住んでいる人。巡礼者とは逆に「旅人ではない人」というニュアンス。
- local(地元の人)
- 同じく巡礼してきた人の対極として「地域の住民」を示す言葉。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈpɪl.ɡrɪm/
- アクセント: 最初の音節「pil-」に強勢がきます。
- アメリカ英語とイギリス英語: 両者とも発音記号上はほぼ同じですが、アメリカ英語では「r」がややはっきりめに発音される傾向があります。
- よくある発音ミス: “pil” が “peel” と混同されやすいので注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “pilgrim” を “pilgram” と書き間違える例がしばしば見られます。
- 同音異義語との混同: 類似する語はあまり多くありませんが、“pilgrimage”との区別は意識しましょう(“pilgrimage”は巡礼の「行為・旅」そのものを指します)。
- 試験対策: TOEICのようなビジネス英語試験ではあまり頻出しませんが、英検や歴史的文章を読む際に出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「pilgrim」を覚えるときは、宗教画や教科書に出てくる「(一列に歩いている)巡礼者の姿」をイメージすると定着しやすいです。
- “grim” の部分(「険しい」「厳しい」ようなイメージ)から、「困難な旅をあえてする人」という心構えを連想すると覚えやすいかもしれません。
- スペリングでは「pilg-」と始まる点をしっかり確認すること。途中に “l” と “g” が連続しているのが特徴です。
以上が名詞「pilgrim」の詳細解説です。宗教的・歴史的な話題に触れるときには頻繁に登場する重要な単語ですので、ぜひ押さえておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(…への)巡礼者《+to+名》
意味(2)
(一般に)重要な長旅をする人
意味(3)
《P-》Pilgrim Fathersの一人