元となった辞書の項目
fortune
解説
以下では、英単語「fortune」を、学習者向けにできるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: fortune
- 日本語: 「運」「運勢」「資産」「財産」「幸運」などの意味を表す名詞です。
例えば、「He made a fortune on the stock market.(彼は株式市場で一財産築いた)」のように、主に「多額の財産」や「利益」を指す場合もあります。また、「May fortune smile upon you.(幸運を祈ります)」のように抽象的に「幸運」や「運命」を示す時にも使われます。
「fortune」は、日常会話でもビジネスシーンでもよく出てくる単語で、「運」や「幸運」「財産」といった幅広い意味があります。感覚としては、「ラッキー」「運命」「お金をたくさん持っている」といったニュアンスが含まれています。
- 品詞: 名詞 (noun)
- 活用形: 基本的に名詞なので時制による活用はありません。ただし、複数形は「fortunes」となります。
- 他の品詞: 形容詞形は「fortunate(幸運な)」、名詞で「misfortune(不運)」などが派生語としてあります。
CEFRレベル
- 推定B1(中級)
「fortune」は、日常会話や文書でも頻出する単語です。意味と用法を覚えると、表現の幅が広がります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語:なし
- 語幹:「fortun-」
- 接尾語:-e(語尾のeは発音しないことが多いですが、単語の綴りとして残っています)
関連する派生語・類縁語
- fortunate (形容詞) : 幸運な
- unfortunately (副詞) : 不運にも
- misfortune (名詞) : 不運、逆境
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- make a fortune(大儲けする / 財産を築く)
- tell someone’s fortune(誰かの運勢を占う)
- fortune cookie(おみくじクッキー)
- good fortune(幸運)
- bad fortune(不運)
- seek one’s fortune(運を求める/成功を求める)
- a fortune in (something)(〜において大金がかかっている/〜で財産を築いている)
- fortune smiles on/upon (someone)(幸運が〜に微笑む)
- inherit a fortune(財産を相続する)
- fortune favors the bold(運は大胆な者に味方する/大胆不敵な人に幸運が訪れる)
3. 語源とニュアンス
語源
「fortune」はラテン語の「fortuna」から来ており、これはローマ神話の「幸運の女神Fortuna」に由来します。古くは「運命」や「幸運」を司る女神として呼ばれてきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 大きな金額や「お金」を連想させる場合もあれば、抽象的に「運」や「運命」を表すこともあり、文脈によって使い方が違います。
- 日常会話からビジネス、フォーマルな場面まで幅広く使用されます。
- カジュアル: “Good fortune!”(幸運を祈るよ)
- フォーマル: “He amassed a considerable fortune through his investments.”(彼は投資を通じてかなりの財産を築いた)
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文・イディオム
- make a fortune + 前置詞句 / 動名詞
例: “He made a fortune selling vintage cars.” - tell one’s fortune
例: “She told my fortune using tarot cards.”
名詞としての可算・不可算
- 通常「fortune」は可算名詞として扱われ、「a fortune」として「一財産」「一大金」「運命」といった形で使われます。
- しかし、文脈によっては「He lost all his fortune.(彼は全財産を失った)」のように複数形の「fortunes」が用いられることもあります(「fortunes of war(戦運、戦況)」のように抽象的な「運」など)。
フォーマル/カジュアル
- 口語でも使われますし、ビジネス文書などフォーマルな文脈でもよく目にする言葉です。
5. 実例と例文
以下、それぞれ3つの例文を示します。
日常会話
- “I hope fortune smiles on you in the competition!”
(その大会で幸運が君に微笑むといいね!) - “I don’t believe in telling fortunes, but let’s see what the fortune cookie says.”
(占いは信じてないけど、このフォーチュンクッキーに何が書いてあるか見てみよう。) - “She’s always had good fortune finding great deals.”
(彼女は掘り出し物を見つけるのがいつも運がいいんだ。)
ビジネスシーン
- “He made a fortune in real estate and retired early.”
(彼は不動産で一財産築いて早期退職した。) - “Our company’s fortune depends on the success of this new product.”
(我々の会社の将来はこの新製品の成功にかかっています。) - “Invest wisely if you want to build a fortune over time.”
(長期的に財産を築きたいなら、賢く投資をしなければなりません。)
学術的・アカデミックな文脈
- “The concept of fortune in ancient Rome was heavily associated with the goddess Fortuna.”
(古代ローマにおけるfortuneの概念は女神フォルトゥナと深く結びついていた。) - “Historians often examine the changing fortunes of royal families to understand power dynamics.”
(歴史家は権力構造を理解するために、王族の変わりゆく運命をよく研究します。) - “The fortunes of a nation can fluctuate dramatically depending on economic and political influences.”
(国の運勢は、経済や政治の影響次第で劇的に変動しうる。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- luck(運)
- 「luck」はよりカジュアルに「運」を指す。短い言葉で日常的に使われる。
- 「luck」はよりカジュアルに「運」を指す。短い言葉で日常的に使われる。
- fate(運命)
- 「fortune」よりも「避けられない運命」というニュアンスが強い。
- 「fortune」よりも「避けられない運命」というニュアンスが強い。
- destiny(運命)
- 「fate」と近く、人生の方向性を決定づけるイメージ。
- 「fate」と近く、人生の方向性を決定づけるイメージ。
- wealth(富)
- 「fortune」が抽象的な幸運を含むのに対し、「wealth」は主に「経済的富」を指す。
- 「fortune」が抽象的な幸運を含むのに対し、「wealth」は主に「経済的富」を指す。
- prosperity(繁栄)
- 「fortune」は個人レベルで使うことが多いが、「prosperity」は国や企業などの豊かさを示すのにもよく使う。
反意語
- misfortune(不運・不幸)
例: “She overcame many misfortunes in her life.”(彼女は人生における多くの不運を乗り越えた。)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号):
- アメリカ英語: /ˈfɔːr.tʃuːn/
- イギリス英語: /ˈfɔː.tʃuːn/
- アメリカ英語: /ˈfɔːr.tʃuːn/
- アクセントは「for」の部分(第1音節)にきます: FOR-tune
- アメリカ英語とイギリス英語の大きな違いは、アメリカ英語では「r」の音がはっきり発音される点です。
- よくある間違いは「フォーチュン」と発音が伸びすぎることや、「フォー”チェン”」と /tʃən/ をあいまいにすることです。アクセントをしっかり最初に置いて、「フォー(r)-チュン」と言うように意識しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「fortune」と「fortunate(幸運な)」を混同しないようにしましょう。スペルだけでなく、意味と品詞も異なります。
- 「fortune」を「不確定な未来予測」の意味で多用しすぎると誤解を招くことがあります。文脈にあった使い方を心がけましょう。
- TOEICや英検などの資格試験でも、「make a fortune」や「good fortune」といった表現がビジネス文脈・日常表現で出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「fortune」はラテン語の「fortuna(フォルトゥナ)」由来で、幸運の女神を想像すると覚えやすいです。
- 「フォー(tune)」と覚えて「チューン」は音楽のイメージですが、実際は「女神が運を『調整』(tune)する」と連想すると、感覚的に記憶に残ります。
- 「make a fortune」のフレーズは特に頻繁に使うので、ビジネスやニュースを見るときにチェックしてみてください。
以上が、名詞「fortune」の詳細な解説です。「運」や「幸運」「財産」など、幅広い意味で使われる便利な単語なので、ぜひ例文とともに覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉運,運勢,運命
意味(2)
〈U〉〈C〉幸運;《F-》運命の女神
意味(3)
〈U〉富(とみ),財産(riches, wealth);〈C〉大金,巨万の富