latter
以下では、形容詞“latter”について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: latter
品詞: 形容詞(※「the latter」の形で代名詞的に使われることもあります)
CEFRレベル: B2(中上級レベル/少し高度な文脈で使われる傾向があります)
意味(英語→日本語)
- 「the latter」は「前述の二者(または二つのもの)の後者」「後の方」を意味します。
- 形容詞としては「後のほうの、後半の」という意味を持ちます。
意味のニュアンス
- 二つあるもののうち、「後のもの」「最後に挙げられたもの」を強調するときに使う表現です。
- たとえば、“the former and the latter”で「前者と後者」というペア表現でよく見かけます。
活用形と他の品詞
- “latter” は形容詞として使われる場合、第三者単数形や時制による変化はありません(比較級や最上級は通常ありません)。
- 代名詞としては「the latter」で「後者」という意味になります。
- 動詞や名詞など、他の品詞としては変化しにくい単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “latter” は古英語の “lætra” などがもとと言われており、
- 「late(遅い)」と比較級を表す “-er” との関係があると言われています。
関連する単語
- “late” (形容詞: 遅い、遅れた)
- “later” (副詞/形容詞: 後で、後の)
よく使われるコロケーション(共起表現) 10選
- the latter half → (後半)
- the latter part → (後半部分)
- the latter period → (後期)
- the latter stages → (後の段階)
- the latter option → (後者の選択肢)
- the latter years → (晩年、後の数年)
- the latter case → (後者の場合)
- the latter approach → (後者のアプローチ)
- in the latter scenario → (後者のシナリオで)
- the latter category → (後者の部類)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語 “lætra”(遅いの比較級形)から来ているとされます。
- 時間的・順番的に「遅いほう」「後のほう」を示す表現として使われるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 文章で二つのものを挙げた時、「最後に言及したもの」を指す際に、ややフォーマルな文脈で使うことが多いです。
- 口語でも使われますが、やや固めの印象を与えることがあります。
- 「後の方」という意味だけでなく、「後になるほど重要」といったニュアンスになる場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 形容詞なのでこの区別は関係ありません。
- 他動詞/自動詞の使い分け: 動詞ではないため、この区別もありません。
- 一般的な構文: “the former ... the latter ...”
- “The former refers to X, and the latter refers to Y.” のように用いられます。
- 代名詞的に “the latter” だけで「後者」と言い切ることも多いです。
- “The former refers to X, and the latter refers to Y.” のように用いられます。
イディオムや定型表現
- “the former and the latter” → (前者と後者)
- “in the latter case” → (後者の場合)
- “during the latter half of XXX” → (~の後半期間に)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
“Between tea and coffee, I prefer the latter because it wakes me up more.”
- 「紅茶とコーヒー、どちらが好きかといえば、私は後者(コーヒー)のほうが目が覚めるので好きです。」
“Do you like cats or dogs? I used to prefer cats, but now I like the latter.”
- 「猫と犬ではどっちが好き? 昔は猫だったけど、今は後者(犬)の方が好きかな。」
“We could watch a movie or go for a walk. The latter sounds nicer to me.”
- 「映画を観るか、散歩に行くか。後者のほうが私はいいな。」
ビジネスシーンでの例文(3つ)
“Our company aims to improve both quality and efficiency, with greater emphasis on the latter.”
- 「当社は品質と効率の両方を向上させることを目指していますが、その後者(効率)の方を特に重視しています。」
“The board discussed two proposals; the latter was more cost-effective.”
- 「取締役会は2つの提案を検討しましたが、後者のほうがコスト面で有利でした。」
“Please review the initial data and the revised data. We believe the latter to be more accurate.”
- 「初期データと修正データの両方を確認してください。後者の方が正確だと考えています。」
学術的な文脈での例文(3つ)
“In his early theories, he focused on economic growth; in his latter works, however, he addressed social inequality.”
- 「初期の理論では経済成長に焦点を当てていましたが、後期の著作では社会的不平等を扱いました。」
“The researchers considered two hypotheses; the latter proved to have stronger empirical support.”
- 「研究者たちは2つの仮説を検討しましたが、後者の方が実証的に強い裏付けがあることが分かりました。」
“In the latter half of the 20th century, technological advancement accelerated dramatically.”
- 「20世紀後半に、技術の進歩は劇的に加速しました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “later” → (後で、後者の)
- 時間的な「あとで」を表す副詞や形容詞。 “latter” は二者のうちの「後者」を特定する際に使う。
- “second” → (第二の)
- 単に「二番目」の意味。 “the latter” は文脈的に、二者を提示した場合の後者を特に指す。
- “subsequent” → (後続の、続いて起こる)
- 一連の出来事のうち、後に続くものを表す。二つに限定されない。
反意語
- “former” → (前者)
- 「二つのうち前の方」を指す形容詞/代名詞。 “the former” と “the latter” はセットでよく使われる。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号: /ˈlæt.ər/ (イギリス英語), /ˈlæt̬.ɚ/ (アメリカ英語)
- アクセント: 頭の “la” の部分に強勢があります。「ラッター」のように発音します。
- アメリカ英語 / イギリス英語 どちらも母音の音が少し違う場合がありますが、強勢の位置は同じです。
- よくある間違い: “latter” と “later” のスペル混同や、発音で混同する問題が多いです。 “later” (レイター) と “latter” (ラッター) の発音は異なります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “later” と書き間違えたり、どちらの意味か混同したりすることがあります。
- 発音混同: “later”(/ˈleɪ.tər/)の方が母音が「エイ」に近い。
- 使用上の文脈混同: 単に「後で」を言いたい時に “latter” と言ってしまったり、その逆をしてしまうことがあります。
- 試験出題傾向: 英検やTOEICなどでも、“the former ... the latter ...” として読解文中に登場し、前後の文脈を理解しているかが問われる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 覚え方のコツ:
- “former” は “first” と頭文字 “f” が同じ → 前者
- “latter” は “last” に近い響き → 後者
- “former” は “first” と頭文字 “f” が同じ → 前者
- スペリングをイメージで: “later” は「A」の音が強い(レイター) → 時間があとで 。 “latter” は「A」の音が短い(ラッター) → 一連の選択肢の後者。
- 勉強テクニック: 文章中で二つのものが挙がったら、「前者 = former」「後者 = latter」と覚えておくと混同が少なくなります。
以上が、形容詞“latter”の詳細な解説です。二つあるものを挙げたときに「後のもの」を指す際の便利な単語なので、ぜひ使いこなしてみてください。
《the, thisまたはtheseと共に名詞の前にのみ用いて》(ある期間のうち)後半の,後のほうの