元となった辞書の項目
increase
IPA(発音記号)
解説
動詞 “increase” を徹底解説
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “to become greater in amount, size, or number; to make something become larger”
- 日本語: 「量・大きさ・数などが増える、または増やす」。
例えば「売り上げが増える」「人口が増える」というように、何かをより大きくしたい場面や、自然に大きくなる場面で使われる単語です。増加というニュアンスを幅広く表します。
品詞
- 動詞 (Verb)
活用形
- 現在形: increase
- 三人称単数現在形: increases
- 現在分詞/動名詞形: increasing
- 過去形・過去分詞形: increased
他の品詞としての例
- 名詞形: “increase” (名詞としては発音が /ˈɪn.kriːs/ に変わり、アクセントが前に来る点に注意。意味は「増加」)
- 形容詞形は直接的には存在しませんが、派生して “increased” を形容詞的に使う場合があります(例: “increased efficiency”)。
CEFRレベルの目安
- B2 中上級
学校や職場など、ある程度複雑な英語を使う場面で頻出するため、中上級レベルとして扱われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: in- (この場合、ラテン語由来で「~の中で」「~へ」というニュアンスを持つことが多いですが、この単語では強い独立した意味を示すわけではありません)
- 語幹: crease (ラテン語の “crescere = to grow” 「成長する」が語源)
関連・派生語
- “increasingly” (副詞): 「ますます」「いっそう」
- “increaser” (名詞・ややマイナー): 「増やす人・もの」
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- increase rapidly (急速に増加する)
- increase gradually (徐々に増加する)
- increase significantly (かなりの増加をする)
- increase production (生産量を増やす)
- increase awareness (認知度を高める)
- increase by 10% (10%増える)
- increase in demand (需要の増加)
- increase sales (売上を伸ばす)
- further increase (さらなる増加)
- increase pressure (圧力を高める/強める)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “increscere” (in- + crescere “成長する”) から由来し、「内部で成長する」「大きくなる」という原義があります。
ニュアンス
- 「増える」「増やす」という、ごく一般的な増加の意味を表す動詞です。文書でも会話でも使われます。カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで使用可能です。
- “increase” は「大幅に増える」というような量的なインパクトに焦点がある一方で、「ゆるやかに増える」というニュアンスを表す場合でも使えます。文脈に応じて様々な程度を示すことができます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- S + V + O: “We increased our budget.”(予算を増やした)
- S + V: “Our expenses increased.”(経費が増加した)
- 他動詞/自動詞どちらでも使われる点がポイントです。
イディオムや表現
- “increase tenfold” (10倍に増える)
数値表現とともに使うイディオム的な言い回し - “increase in size” / “increase in weight” (大きさ/体重が増える)
“in + 名詞” で「~において増える」という表現
文法上のポイント
- 他動詞で使う場合: “increase (something)”
- 自動詞で使う場合: “(something) increases”
5. 実例と例文
ここでは日常会話・ビジネス・学術的文脈の3場面を想定し、それぞれ3つずつ例文を提示します。
(A) 日常会話
- “My expenses always increase when I travel.”
「旅行するといつも出費が増えるんだよね。」 - “I need to increase my daily water intake.”
「毎日の水の摂取量を増やさなきゃ。」 - “Could you turn up the heat? I want to increase the room temperature a bit.”
「暖房強くしてくれる? 部屋の温度を少し上げたいんだ。」
(B) ビジネス
- “We plan to increase our marketing budget next quarter.”
「次の四半期にはマーケティング予算を増やす予定です。」 - “Productivity has increased since we introduced flexible working hours.”
「フレックスタイム制を導入してから生産性が上がりました。」 - “We aim to increase sales by at least 15% this year.”
「今年は最低でも15%の売上増を目指しています。」
(C) 学術的文脈
- “The data suggests that global temperatures are increasing annually.”
「データは、地球の気温が毎年上昇していることを示しています。」 - “To verify this hypothesis, we gradually increased the concentration of the solution.”
「この仮説を検証するために、溶液の濃度を徐々に上げました。」 - “An increase in sample size could lead to more reliable results.”
「サンプルサイズを増やすことで、より信頼性の高い結果が得られる可能性があります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “grow” (成長する/増える)
- “grow” は生物的・自然的な増加のイメージが強い。「髪が伸びる」や「会社が成長する」などに使いやすい。
- “rise” (上がる/上昇する)
- 主に水位や数字、価格などが上昇するときに用いる(自動詞で使うことが多い)。
- “expand” (拡大する/拡げる)
- 面積や空間的な広がりに重きを置く場合に使うことが多い。
反意語
- “decrease” (減る/減らす)
- “increase” の正反対の意味で、「減る」「減らす」といったニュアンス。
同じ「増える」でも、文脈やイメージする増加の種類によって使い分けが必要となります。
7. 発音とアクセントの特徴
国際音声記号(IPA)
- Verb: /ɪnˈkriːs/
- Noun: /ˈɪn.kriːs/
アクセントの位置
- 動詞: in-CREASE (後ろに強勢)
- 名詞: IN-crease (前に強勢)
イギリス英語とアメリカ英語
- どちらもアクセントの位置はほぼ同じです。ただし、細かな母音の発音が “ɪ” か “i” のような差異が生じる場合があります。
よくある発音の間違い
- 名詞と動詞でアクセントの位置が変わるため、つい同じリズムで発音してしまうミスが多いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “increse” や “inclease” などと書き間違える。
- 名詞と動詞のアクセント位置の混同。
- “increase” を他動詞として使う際に “increase something” ではなく “increase to something” と誤用するケース。正しくは “The company increased the budget.” のように直接目的語をとります。
- 試験対策(TOEIC・英検など)では、類義語(rise, grow, expand など)との置き換え問題や、名詞・動詞のアクセント違いを問う問題として出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “increase” の語源 “in + crescere” を想起して「内で育つ」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 名詞と動詞でアクセントが異なる点が大事なので、繰り返し口に出して覚えましょう。
- 「インクリース(動詞)」「インクリーズ(名詞)」など、日本語カタカナ風にして音の高低や強弱を意識するだけでも、混同を減らせます。
- “in-CREASE” (動)、”IN-crease” (名) と二つのセットでアウトプット練習するとよいでしょう。
以上が動詞 “increase” の詳細解説です。増加・成長を表す場面で幅広く使える重要動詞なので、ぜひ自分の文章や会話に取り入れてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
増える,増大する
意味(2)
(…に)…‘を'増やす《+名+to+名》