名詞 “quarter” の詳細解説

1. 基本情報と概要

英単語: quarter

品詞: 名詞 (可算名詞)

意味 (英語 / 日本語)

1. A quarter (one-fourth) / 「4分の1」

   
   
   • 何かを4つに分けたときの1つ分を指す意味です。たとえば “a quarter of an hour” というと「15分（1時間の4分の1）」を指します。
     
   
   



2. A quarter (25 cents in US currency) / 「25セント硬貨」

   
   
   • アメリカの通貨で25セント硬貨を指すときに “quarter” と呼びます。日本にはないコインなので最初は戸惑うかもしれませんが、日常会話で頻繁に登場します。
     
   
   



3. A quarter (an area or district) / 「地域、地区」

   
   
   • 町などの一部の区域を “quarter” と呼ぶことがあります。歴史的には都市の特定の地区（たとえば “the Latin Quarter”）のように使います。
     
   
   



4. (In sports) a quarter / 「（試合などの）クォーター」

   
   
   • バスケットボールなどで試合を4つに分けた各区切りを指します。
     
   
   



5. (In time periods) a quarter year / 「四半期」

   
   
   • ビジネスや会計で3か月ごとを指すときに “quarter” と言います。
     
   
   

「quarter」は主に「4分の1」や「四半期」など、分割された4つのうちの1つを示すニュアンスで使われます。ビジネスで報告書を出すときの期間の区切りや、日常生活でちょっとしたコインの話まで、幅広いシーンで見かける単語です。

活用形

• 名詞なので、数を表す場合は “quarters” という複数形になります。
  
  例: “two quarters” (2枚のクォーター硬貨、または4分の2の部分 など)

他の品詞形

• quarter (verb): 「…を4等分する」「(部隊などを)宿泊させる」
  
  例: “They quartered the team in a nearby hotel.” (彼らはチームを近くのホテルに宿泊させた)
  


• quarterly (adjective/adverb): 「四半期ごとの／四半期ごとに」
  
  例: “We publish a quarterly report.” (私たちは四半期ごとのレポートを発行します)

CEFRレベル

• B1 (中級)
  
  
  
  • 単語そのものは日常会話で頻繁に使われ、通貨や時間、ビジネスなど幅広い場面で登場するため、比較的早い段階で学ぶのに適しています。
  
  

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 語源: ラテン語 “quartus”（4番目）にさかのぼり、そこからフランス語 “quartier” を経て英語化。
  


• 接頭語・接尾語: 特に目立つ接頭語・接尾語はありませんが、語幹 “quart” (4) が見えます。

他の単語との関連性

• quart: 液量単位のクォート (約1リットル弱)
  


• quarterly: 四半期の、四半期ごとの
  


• quartet: 四重奏、四人組
  

よく使われるコロケーション（共起表現）10選

1. “a quarter of an hour” → 「15分」
   


2. “first quarter” → 「第一四半期」
   


3. “quarter past ~” → 「～時15分過ぎ」
   


4. “quarter to ~” → 「～時15分前」
   


5. “living quarters” → 「居住区/宿泊施設」
   


6. “the French Quarter” → 「（地名）フレンチ・クォーター」
   


7. “quarter final” → 「準々決勝」
   


8. “report quarterly results” → 「四半期の業績を報告する」
   


9. “coin a quarter” → 「25セント硬貨を使う/発行する」 (口語的に)
   


10. “quarter of the population” → 「人口の4分の1」
    

3. 語源とニュアンス

語源

• ラテン語 “quartus”（「4番目」）に由来し、フランス語の “quartier” が英語に入ったものです。歴史上は「四分の一」を表現する際に使われ、そこから「地区」「25セント」「四半期」へと派生しました。

使用時のニュアンス・注意点

• カジュアルかフォーマルか: 日常会話でもビジネスでも広く使われます。
  


• 地理的地区を指す場合: 特定の地域名 (Latin Quarter, French Quarterなど) として使うことがよくあります。
  


• 通貨を指す場合: アメリカ英語圏では極めて日常的です。観光中に “Do you have a quarter?” と言われたら25セント硬貨を求められています。
  

4. 文法的な特徴と構文

• 可算名詞: “a quarter” / “two quarters” のように数えられます。
  


• 前置詞の使い方:
  
  
  
  • “a quarter to nine” (9時15分前)
    
  
  
  • “a quarter past nine” (9時15分過ぎ)
    
  
  


• スポーツや会計で使う場合も意味は文脈で判断します。
  


• 文脈によっては「宿泊させる」という動詞で使われるので、活用に注意しましょう (quarter, quartered, quartering)。

5. 実例と例文

日常会話での例文 (3つ)

1. “Do you have a quarter? I need to pay the parking meter.”
   
   （25セント持ってる？ パーキングメーターにお金を入れないといけなくて。）
   


2. “It’s a quarter past eight, we’re running late for the meeting!”
   
   （今8時15分だよ。ミーティングに遅れちゃうよ！）
   


3. “Can I get a quarter of that pizza? I’m not that hungry.”
   
   （ピザを4分の1だけもらってもいい？あまりお腹空いてなくて。）

ビジネスシーンでの例文 (3つ)

1. “We will release our quarter results at the end of March.”
   
   （3月末に四半期の業績を公表します。）
   


2. “Sales dropped in the last quarter due to the economic slowdown.”
   
   （経済の停滞が原因で、前四半期の売上が落ちました。）
   


3. “We need to prepare the quarterly earnings report by next Friday.”
   
   （来週の金曜までに四半期の収益報告書を作成する必要があります。）

学術的/フォーマルな文脈での例文 (3つ)

1. “A quarter of the respondents reported a significant increase in stress levels.”
   
   （回答者の4分の1がストレスレベルの大幅な増加を報告しました。）
   


2. “In her research, she focused on the historic quarter of the city.”
   
   （彼女の研究では、その都市の歴史地区に焦点を当てています。）
   


3. “Around a quarter of global emissions can be attributed to the industrial sector.”
   
   （世界的な排出量のおよそ4分の1は工業部門に起因しています。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. segment (セグメント)
   
   
   
   • 「区分」という意味が強調される。必ずしも4等分でなくても使われる。
     
   
   


2. portion (ポーション/部分)
   
   
   
   • 「部分」の一般的な表現。分量を強調し、4分の1とは限らない。
     
   
   


3. fraction (分数、1部分)
   
   
   
   • 「分数」や「部分」の意味。1/4に限定されない。（例: 1/2, 3/5など）
   
   

反意語 (Antonyms)

• “whole” (全体), “entirety” (全体)
  
  
  
  • 「4分の1」など部分と対比して「全体」を表すときに使う。
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• IPA: /ˈkwɔːr.tər/ (イギリス英語), /ˈkwɔːr.t̬ɚ/ (アメリカ英語)
  


• アクセント: “quar” の部分に強勢があります。
  


• アメリカ英語とイギリス英語の違い:
  
  
  
  • アメリカ英語では “t” がやや柔らかい/flapっぽい発音になる場合も。
    
  
  
  • イギリス英語では末尾の “r” をはっきり発音しない（非音声的）地域も多いので “kwaw-tuh” のように聞こえることも。
  
  

8. 学習上の注意点・よくある間違い

• スペルミス: “quarter” の “a” と “e” の位置を入れ替えて “quater” と書いてしまうミス。
  


• 意味の混同: “quartet” (四重奏) と別単語なので注意しましょう。
  


• 発音の誤り: “quarter” の “quar” は “kwor” のような音、語尾の “-ter” は “タ” or “ター”。
  


• 試験対策: TOEICや英検などで「四半期」や「4分の1」を表現する文章に登場しやすいです。ビジネス文脈、時間表現での出題も多いので、文脈で区別できるようにしましょう。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• “四角い”イメージ: “quarter” は「4」というイメージがキーワード。「4つの角」を思い浮かべると覚えやすいかもしれません。
  


• “クオーター”というカタカナでも定着: 日本語でも「クォーター制」「クォーター・ファイナル」という表現があるので、関連づけて覚えると定着しやすい。
  


• 25セントのコインを思い浮かべる: アメリカへ旅行したときの硬貨イメージで記憶すると「fact + イメージ」で定着します。
  

以上が名詞 “quarter” の詳細解説です。数字に関する表現やビジネス文脈、日常会話など幅広いシーンで登場する単語ですので、ぜひ活用してみてください。