than
1. 基本情報と概要
単語: than
品詞: 前置詞 / 接続詞 (文法書にもよりますが、現代英語では接続詞と説明されることが多いです)
英語の「than」は、日本語では「〜よりも」という意味になります。比較をするときに用いられ、例えば「AはBよりも大きい(高い、速い etc.)」のように、2つの対象を比べる際につなぐ役割をします。日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使われる非常に基本的な単語です。
前置詞として:
例) He is taller than me.
(彼は私より背が高い)
※この形では「than」の後に目的格(me, him, her など)が続きます。接続詞として:
例) He is taller than I am.
(彼は私がそうであるよりも背が高い)
※「than」の後に節(主語+動詞)が続く形です。
活用形:
「than」は前置詞あるいは接続詞としての機能を持ちますが、動詞のように時制による活用はありません。
他の品詞になった時の例:
「than」は、他の品詞で使われることは基本的にありません。
CEFRレベル:
- A2 (初級)
比較級や最上級が出てくる時点で、中学英語レベルを学んでいれば使える非常に初歩的な単語です。
2. 語構成と詳細な意味
「than」は、構成上、明確な接頭語や接尾語をもたない単独の単語です。
派生語・類縁語
- 比較に関連する単語としては、比較級の形容詞・副詞 (taller, bigger, faster, more expensive など) と常にセットで使われます。
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- better than 〜
(〜より良い) - worse than 〜
(〜より悪い) - more than 〜
(〜より多い/〜以上) - less than 〜
(〜より少ない/〜未満) - rather than 〜
(〜よりもむしろ) - sooner than 〜
(〜よりも早く) - later than 〜
(〜よりも遅く) - taller than 〜
(〜より背が高い) - farther than 〜 / further than 〜
(〜よりも遠い) - older than 〜
(〜より年上の)
3. 語源とニュアンス
「than」の語源は、古英語の “þanne” (then) や “þænne” に遡り、「〜よりも」という比較対比の意味を持つようになりました。
歴史的にも比較を示す機能を持っており、現代英語でも比較構文には欠かせない接続詞/前置詞となっています。
- ニュアンス:
- 比較級とのセットで使われるため、必ず「何かを他のものより優位・下位として位置づける」際に用いられます。
- フォーマル・インフォーマルどちらでも広く使われますが、形式的な文章では「than」の後を主格にするか目的格にするかなど文法的な議論があり、ややフォーマルなニュアンスにおいては「He is taller than I (am).」という言い方のほうが伝統的に正しいとされる場合があります。
- 比較級とのセットで使われるため、必ず「何かを他のものより優位・下位として位置づける」際に用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文:
- 主語 + be動詞 / 一般動詞 + 形容詞/副詞(比較級) + than + 目的語 (名詞/代名詞)
例) She is taller than me. - 主語 + be動詞 / 一般動詞 + 形容詞/副詞(比較級) + than + 主語 + 動詞
例) She is taller than I am.
- フォーマル / カジュアル:
- 日常会話では「He is taller than me.」が一般的
- フォーマルな文書やスピーチなら「He is taller than I am.」と書くことがあります。
- 日常会話では「He is taller than me.」が一般的
名詞の可算・不可算の使い分け:
- 「than」は比較の対象をつなぐ働きなので、名詞の数え方はあまり直に影響しませんが、比較する名詞が可算か不可算かにより、たとえば「more」とセットにする表現が変化します。
例) more water than… / more books than…
5. 実例と例文
ここでは使用場面別に例文を提示します。
日常会話 (3つ)
- “I think this pizza is better than the one we had yesterday.”
(昨日食べたピザよりも、今日のピザのほうがおいしいと思うよ) - “My backpack is heavier than yours.”
(私のリュックはあなたのより重いよ) - “She’s taller than her older sister.”
(彼女はお姉さんより背が高いよ)
ビジネス (3つ)
- “This year’s sales results are higher than last year’s.”
(今年の売上は昨年よりも高いです) - “His management skills are more advanced than expected.”
(彼のマネジメントスキルは期待していたよりも高いです) - “We should finish this project sooner than the scheduled deadline.”
(私たちは予定の締め切りよりも早くこのプロジェクトを終わらせるべきです)
学術的な文脈 (3つ)
- “The new data set shows a greater variance than previously recorded.”
(新しいデータセットは、これまで記録されていたものより大きな分散を示しています) - “The experiment yielded more consistent results than the pilot test.”
(その実験は予備テストよりも一貫した結果を出しました) - “These findings are more significant than those of earlier studies.”
(これらの発見は、以前の研究よりも重要度が高いです)
6. 類義語・反意語と比較
- 類義語
- “rather than”(むしろ〜):単なる大小比較というより、「〜ではなく、むしろ〜」と選択や好みを強調するニュアンスがあります。
- “instead of”(〜の代わりに):比較というより、ある選択肢を別の何かで置き換えるニュアンス。
- “rather than”(むしろ〜):単なる大小比較というより、「〜ではなく、むしろ〜」と選択や好みを強調するニュアンスがあります。
- 反意語
- 厳密な意味で “than” 自体に対応する反意語は存在しませんが、比較をしない・同等であるという文脈では “as … as” 構文が使われます。
例) “She is as tall as her sister.” (彼女は姉[妹]と同じくらい背が高い)
- 厳密な意味で “than” 自体に対応する反意語は存在しませんが、比較をしない・同等であるという文脈では “as … as” 構文が使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ðæn/
- アクセント:
- 一音節の短い単語のため、明確な強勢位置は「than」全体にかかります。
- 一音節の短い単語のため、明確な強勢位置は「than」全体にかかります。
- アメリカ英語とイギリス英語の発音:
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では「æ」がややはっきり口を開いて発音される傾向があります。
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では「æ」がややはっきり口を開いて発音される傾向があります。
- よくある発音の間違い:
- /ð/ の発音が /d/ や /z/ になりがちです。舌先を歯の間に軽く当てるイメージで発音しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「than」を「then」(「それから、次に」の意味)と混同することがよくあります。
- 同音異義語・混同しやすい単語:
- then (副詞: そのとき、次に) と混同は非常に多いので注意が必要です。
- then (副詞: そのとき、次に) と混同は非常に多いので注意が必要です。
- 文法的なミス:
- 伝統的な文法では接続詞として「He is taller than I (am)」が正しいとされる一方、口語では「He is taller than me」が普通に使われており、試験などのフォーマルな場面でどう扱われるか意識する必要があります。
- 伝統的な文法では接続詞として「He is taller than I (am)」が正しいとされる一方、口語では「He is taller than me」が普通に使われており、試験などのフォーマルな場面でどう扱われるか意識する必要があります。
- 試験対策:
- TOEIC や英検などで、比較構文を問う文法問題で「than」と「then」を区別する問題は定番です。
- 比較級の形容詞、副詞とのセットで出題されやすいです。
- TOEIC や英検などで、比較構文を問う文法問題で「than」と「then」を区別する問題は定番です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「than」は「比較する取っ掛かり」と覚えましょう。
- “then” と書き間違いが多いので、スペルを確認する際は「比較する時は“a”、時系列を説明する時は“e”」と区別すると良いです。
- 「thanのあとには比較の対象が来る!」というイメージを強くもつと、文章の構造がつかみやすくなります。
以上が、「than」の詳細な解説です。比較表現を学ぶ際には必ず出てくる重要な単語なので、例文と一緒に覚えておくと理解が深まります。