元となった辞書の項目
pants
解説
1. 基本情報と概要
単語: pants
品詞: 名詞 (通常は複数形で用いられます)
意味 (英語)
- (主にアメリカ英語) trousers
- (主にイギリス英語) underpants
意味 (日本語)
- (アメリカ英語の場合)「ズボン」を指します。
- (イギリス英語の場合)「パンツ(下着)」を指します。
「アメリカでは“pants”と言えばズボンのことですが、イギリスでは下着を指すことが多い」というように国によって意味が大きく異なる単語です。服装の話をするときに頻繁に使われる便利な語ですが、イギリス英語では誤解を招かないように注意が必要です。
活用形
- 単数形は通常使われず、常に “pants” と複数形で用います。(英語では “a pair of pants” という言い方をします。)
他の品詞への変化例
- “pant” (動詞):息を切らす、あえぐ
- 例: He was panting after running for an hour. (1時間走ったあと、彼はあえいでいた。)
CEFRレベル目安: A2 (初級)
- 日常の基本的な会話でよく使われる単語ですが、アメリカ英語とイギリス英語で意味が異なる点に注意が必要です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- pants はイタリア語由来の “pantalone” → フランス語で “pantalon” → 英語で “pantaloons” と変化した語が短縮されてできたとされています。
- 厳密には “pant” (動詞) との直接的な語源のつながりは異なりますが、つづりが似ているので混同に注意しましょう。
関連語(派生語・類縁語)
- pantaloons: 歴史的に使われた「(ゆったりした)ズボン」を意味する言葉
- underpants: 下着用のパンツ(イギリス英語でも通じやすい)
コロケーションや関連フレーズ(10個)
- wear pants (パンツを履く)
- put on pants (パンツを身につける)
- take off pants (パンツを脱ぐ)
- baggy pants (ダボダボのズボン)
- tight-fitting pants (ぴったりしたズボン)
- a pair of pants (1着のパンツ)
- cargo pants (カーゴパンツ)
- dress pants (スラックス、スーツ用のズボン)
- sweatpants (スウェットパンツ)
- short pants (ショートパンツ)
3. 語源とニュアンス
語源
- “pants” は先述のように “pantaloons” が短縮化された形です。
- “pantaloons” はイタリア語の “Pantalone” (コメディア・デラルテの登場人物の名前)に由来するとされます。
ニュアンス・使用時の注意点
- アメリカ英語では、日常からフォーマルまで「長ズボン全般」を指し、最も一般的な言い方です。
- イギリス英語では、 “pants” はカジュアルでもフォーマルでも「下着(パンツ)」を指す言葉として使われるため、ズボンの意味で使うと誤解を招く可能性があります。
- スラングとして、イギリス英語で “pants” は「つまらない」「ださい」など否定的な意味合いで使われることもあります。(例: “This movie is pants!”)
4. 文法的な特徴と構文
- 可算/不可算: 英語では “pants” は常に複数形扱いの可算名詞です。ズボン1着を言う場合は “a pair of pants” と言います。
一般的な構文やイディオム
- “to wear the pants (in the relationship)”
- 「(家庭や組織などで)主導権を握っている」を意味するイディオムです。
- 「(家庭や組織などで)主導権を握っている」を意味するイディオムです。
- “fly by the seat of your pants”
- 「(計画なしに)ぶっつけ本番で進める」「当てずっぽうでやる」という意味の表現です。
- 「(計画なしに)ぶっつけ本番で進める」「当てずっぽうでやる」という意味の表現です。
- “to wear the pants (in the relationship)”
フォーマル/カジュアル
- 日常会話などカジュアルな場面でよく使われますが、ビジネスシーンでもスーツのズボンを指す場合に “dress pants” と自然に使用されます。
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
- “I just bought a new pair of pants at the mall.”
(ショッピングモールで新しいパンツを買ったんだ。) - “My pants are too tight after that big meal.”
(大食いしたら、ズボンがきつくなっちゃった。) - “Do you prefer jeans or dress pants?”
(ジーンズとドレスパンツ、どっちが好き?)
ビジネス (3例)
- “Our company’s dress code requires formal pants and a collared shirt.”
(当社のドレスコードでは、フォーマルなズボンと襟付きのシャツが必要です。) - “Could you wear dark-colored pants for tomorrow’s meeting?”
(明日の会議にはダークカラーのパンツを履いてきていただけますか?) - “He presented a professional image in a suit and neatly pressed pants.”
(彼はスーツときちんとアイロンのかかったズボンで、プロフェッショナルな印象を与えた。)
学術的な文脈(3例)
- “Historical accounts describe how pantaloons evolved into modern pants.”
(歴史的な文献には、パンタロンが現代のパンツへと進化した過程が記されています。) - “In the fashion industry, the cut of pants can signify different social or cultural trends.”
(ファッション業界では、パンツのシルエットが社会や文化のトレンドを示すことがあります。) - “Researchers analyzed the environmental impact of producing denim pants.”
(研究者たちはデニムパンツを生産する際の環境への影響を分析しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- trousers (トラウザーズ)
- 主にイギリス英語で「ズボン」を指します。アメリカ英語ではややフォーマルまたはあまり日常的ではありません。
- 主にイギリス英語で「ズボン」を指します。アメリカ英語ではややフォーマルまたはあまり日常的ではありません。
- slacks (スラックス)
- ゆったりめのズボン、特にビジネスやフォーマル寄りのものを指すことが多いです。
- ゆったりめのズボン、特にビジネスやフォーマル寄りのものを指すことが多いです。
- jeans (ジーンズ)
- デニム生地で作られたズボン。カジュアルウェアの代表です。
- デニム生地で作られたズボン。カジュアルウェアの代表です。
反意語
- 衣服として直接の対義語はありませんが、強いて言えば “top”(トップス)や “shirt”(シャツ)が上下の服装の対比として挙げられます。
ニュアンスの違い
- “pants” は汎用的で、あらゆるズボンに対して使えますが、“slacks” はよりフォーマルより、 “jeans” はデニム限定という具合に、素材やスタイルを限定する言葉も多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /pænts/
- アメリカ英語: [pænts]
- イギリス英語: [pænts] (意味の違いに注意)
- アメリカ英語: [pænts]
- 1音節の単語なので、強勢は特になく「パ(短いア)ンツ」のように発音されます。
- よくある間違いは “pant” と単数形を言いがちですが、衣服としての “pants” は常に複数形を使います。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “pants” を “pantsu” や “pant” と書いてしまうケース。
- “pants” を “pantsu” や “pant” と書いてしまうケース。
- 同音異義語との混同
- ほぼ同音のものはありませんが、“pant” (あえぐ) との意味差に注意。
- ほぼ同音のものはありませんが、“pant” (あえぐ) との意味差に注意。
- 英米差による誤用
- イギリス英語では “pants” が「下着」を指すことが多いので、アメリカ英語のつもりで “pants” と言うと、相手に誤解を与える可能性がある。
- イギリス英語では “pants” が「下着」を指すことが多いので、アメリカ英語のつもりで “pants” と言うと、相手に誤解を与える可能性がある。
- 試験対策
- TOEICや英検などでは、服装・ファッションに関する語彙問題で出題されることがあります。英米差の問題や “a pair of pants” など、複数形の形を問われる可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「パンタロン(pantaloons)」が短くなって “pants” になったと覚えると、昔風のズボンから現代のズボンへとイメージをつなげやすいです。
- 「パンツは常に2つの足が入るから複数形の “pants” で覚える」とイメージすると、一単語で複数扱いをする理由が納得しやすいでしょう。
以上が名詞 “pants” の詳細です。英米の使い分けに注意しながら、TPOに応じて自然に使えるように練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
《おもに》パンツ(underpants);(婦人・小供用の)パンティー
意味(2)
《米》ズボン(trousers),ジーパン,スラックス