動詞 hold の詳細解説

1. 基本情報と概要

単語: hold

品詞: 動詞 (他にも名詞として使われることがあります)

意味 (英語): to have or keep something in your hands or arms; to keep something in a particular position; to organize or conduct (an event), etc.

意味 (日本語): 手や腕でしっかりと持つ、ある特定の位置に保つ、行事や会議などを主催する、などの意味を持ちます。

「手で物を持つ」「会議やイベントを開催する」など、多用途に使われる単語です。

活用形:

• 現在形: hold (三人称単数: holds)
  


• 過去形: held
  


• 過去分詞形: held
  


• 現在分詞形: holding
  

他の品詞になった時の例:

• 名詞としての hold : 「つかむこと」「支配」「船舶の貨物室」という意味もあります。例) “Get a hold of yourself.”（落ち着け）
  


• 形容詞的表現は特にありませんが、過去分詞 held を形容詞風に使うことがあります。例) “The best-held secret” のような表現
  

CEFRレベルの目安: B1 (中級)

→ hold は英語学習で比較的早い段階からよく出てくる重要動詞ですが、使い方が多いため、意味の広がりを習得するには中級相当の学習が必要です。

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 特定の接頭語や接尾語はありません。


• 語幹 hold は古英語由来で、現在のコミュニケーションでも頻繁に使われる基本的な語彙です。

詳細な意味

1. (手や腕で) しっかり持つ・保持する
   
   例：Hold an umbrella. (傘を持つ)
   


2. (位置・状態) を保つ・維持する
   
   例：Hold a position. (ポジションをキープする)
   


3. (会議・イベント) を開く・主催する
   
   例：Hold a meeting. (会議を開く)
   


4. (感情・意見などを) 抱く
   
   例：Hold an opinion. (意見を持つ)
   


5. (電話・通話で) 保留にする
   
   例：Could you hold, please? (少々お待ちください)
   
   など、多様な場面で使われます。

よく使われるコロケーション（共起表現）10個

1. hold a meeting → 会議を開く
   


2. hold a party → パーティーを開催する
   


3. hold your breath → 息を止める
   


4. hold hands → 手をつなぐ
   


5. hold onto something → 何かをしっかりつかむ
   


6. hold an opinion/belief → 意見・信念を抱く
   


7. hold a record → 記録を保持する
   


8. hold the line → (電話を切らずに) 待つ / (比喩的に) 立場を維持する
   


9. hold back → 抑える / (感情などを) 抑制する
   


10. hold up → 持ちこたえる / (物が) 支える、または「強盗する」（句動詞）

3. 語源とニュアンス

語源:

• 古英語の “healdan” に由来し、「保つ」「保護する」「支える」といったニュアンスを持っていました。中世英語を経て現在の “hold” に至っています。

ニュアンス・使用時の注意点:

• hold は非常に一般的な語で、フォーマルからカジュアルまで幅広く使われます。
  


• 「物を手で持つ」「意見・態度を維持する」「イベントを開催する」など多くの意味があるので、文脈によってどの意味かを判断する必要があります。
  


• 口語で「Hang on (ちょっと待って)」と同じ意味で 「Hold on」 もよく使います。

4. 文法的な特徴と構文

一般的な構文

1. 【S + hold + O】
   
   
   
   • She held the baby gently. (彼女は赤ちゃんを優しく抱っこした)
     
   
   


2. 【S + hold + O + 副詞(句)】
   
   
   
   • Hold your glass upright. (グラスをまっすぐに持って)
     
   
   


3. 【hold + N】(開催の意味)
   
   
   
   • They will hold a conference next month. (彼らは来月、会議を開く予定だ)
   
   

イディオム例

• hold on : 待つ / 電話を切らないでおく
  


• hold up : 遅れさせる / 強盗をする / 持ちこたえる
  


• hold out : 持ちこたえる / 差し出す
  


• hold off : 遅らせる / 引き延ばす
  

文法上のポイント

• 動詞としては、原則「他動詞（~を持つ/保持する）」ですが、句動詞として自動詞的に使われる場合もあります (例: “Hold on!”)。
  


• 会議を「開く」などの意味では、必ず目的語が必要です (hold a meeting, hold a party) 。

5. 実例と例文

日常会話での例文

1. “Could you hold this bag for a second?”
   
   (このバッグをちょっと持っていてもらえますか？)
   


2. “Hold on! I need to grab my keys.”
   
   (ちょっと待って！カギ取ってくるから。)
   


3. “I can’t hold my laughter anymore!”
   
   (もう笑いをこらえられない！)

ビジネスでの例文

1. “We’ll hold the annual general meeting next Friday.”
   
   (我々は来週の金曜日に年次総会を開催します。)
   


2. “Please hold the line, I’ll transfer you to the manager.”
   
   (電話を切らずにお待ちください。マネージャーにおつなぎします。)
   


3. “Our company holds a strong position in the market.”
   
   (当社は市場で強い地位を保っています。)

学術的・フォーマルな文脈での例文

1. “Scholars hold the view that this theory needs more evidence.”
   
   (学者たちは、この理論にはさらなる証拠が必要だという見解を持っています。)
   


2. “The committee decided to hold a symposium on climate change.”
   
   (委員会は気候変動についてシンポジウムを開催することを決定しました。)
   


3. “He holds the office of chairperson at the research institute.”
   
   (彼はその研究所で委員長の地位に就いています。)

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. “keep” (保つ)
   
   
   
   • 日本語訳: 保持する/保管する
     
   
   
   • 違い: “keep” は「状態を維持する」のニュアンスが強く、物理的に持つだけでなく状態も保つ。
     
   
   


2. “grip” (しっかり握る)
   
   
   
   • 日本語訳: 把持する/しっかりつかむ
     
   
   
   • 違い: “grip” は力強く握る/つかむという物理的なイメージがより強い。
     
   
   


3. “carry” (運ぶ)
   
   
   
   • 日本語訳: 運ぶ/持ち運ぶ
     
   
   
   • 違い: “carry” は移動することを前提に何かを持ち運ぶニュアンス。
     
   
   

反意語

• “release” (離す、解放する)
  
  
  
  • 日本語訳: 離す/解放する
    
  
  
  • “hold” の真逆は「つかまえている状態を解く」ことです。
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号 (IPA): /hoʊld/ (米) , /həʊld/ (英)
  


• アクセント: 「ホウ（ホウ）」に強勢があり、語頭にストレスが来ます。
  


• アメリカ英語とイギリス英語の違い:
  
  
  
  • アメリカ英語: /hoʊld/ (ホウルドのように ou がやや長め)
    
  
  
  • イギリス英語: /həʊld/ (ホゥルドのような “əʊ” 音)
    
  
  


• よくある間違い: “hold” の “l” を発音し忘れたり、“o” を短く発音し過ぎて “hod” のようにならないように注意。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス: “hould” や “hole” のように間違えることがあるので注意。
   


2. 同音異義語: 特にはありませんが、発音が似ている語 “fold” (畳む) との混同に注意。
   


3. 句動詞が多い: hold on, hold up, hold back など多彩な表現があるので、それぞれの意味を区別して覚える必要があります。
   


4. 試験対策: TOEIC や英検などでも、句動詞やイディオムとして “hold on” “hold off” などが出題されることがあります。必ず句動詞も覚えておきましょう。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「手に“ホールド”する(持つ)」というスポーツ用語のイメージ: クライミングで “ホールド” といえば、つかむ岩の突起のこと。直接手でつかむイメージが湧きます。
  


• “hold” = “手でつかんで所有するイメージ” と覚えると、「開催する」「感情をもつ」など、広い意味も「しっかりと持っている」の延長と考えるとわかりやすいです。
  


• 句動詞として “hold on” = 「しがみつく/待つ」、 “hold up” = 「持ち上げる/支える/強盗する」など、絵でイメージすると定着しやすくなります。
  

以上が動詞 hold の詳細解説です。持つ・握るという基本的な用法から、会議を開くや感情を持つなど、幅広く使われる重要な単語ですので、ぜひニュアンスごとに使い分けを習得しましょう。