元となった辞書の項目
black
解説
以下では、名詞「black」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “black” (as a noun)
- 日本語: 「黒色」「黒(の部分)」
「black」は普段は形容詞(“black shirt”など)として使われることが多い単語ですが、名詞として使うと「黒」という色そのものを指し示します。たとえば「Black is my favorite color.(黒は私の好きな色です)」のように、色としての“black”を話題にするときに使われます。日常会話で「I like black.」といえば、「私は黒色が好きです」という意味になります。「落ち着いた印象」「シックな印象」などを示すニュアンスがあります。
品詞
- 名詞(不可算名詞として扱われることが多い)
活用形
名詞「black」は数えられない(※一般的に不可算)形で使われるため、通常複数形は取りません。
ただし文脈によっては比喩的、あるいは特殊な表現で「blacks」(「黒い部分」「黒人の人々」を指す差別的用法など)という語形が存在しますが、非常に注意が必要で、基本的には使用を控える場面が多いです。
他の品詞形
- 形容詞: black (例: a black cat「黒い猫」)
- 動詞: to black (例: to black out「意識がなくなる / 塗りつぶす」)
- 派生語: blackness(名詞、「黒さ」「暗さ」という抽象名詞)
CEFRレベル
- A1(超初心者レベル)から学習される色の単語です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 語幹: “black”
接頭語・接尾語は特になく、「black」という語幹そのもので成り立っています。
関連語(派生語・類縁語など)
- blackness(黒さ、暗さ)
- blacken(黒くする、黒ずむ)
- blackout(停電、意識喪失)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- black and white → 白黒(写真やはっきりした区別のイメージ)
- little black dress → (女性用の)黒い定番ドレス
- in black → 黒い服を身に着けて(喪服の場合もある)
- black coffee → ブラックコーヒー(砂糖もミルクも入れていないコーヒー)
- black market → 闇市場
- black box → ブラックボックス(飛行機の記録装置や内部が不透明なもの)
- black list → ブラックリスト(要注意人物リスト)
- black Friday → ブラックフライデー(11月下旬の大規模セール日)
- black hole → ブラックホール(天文用語)
- the black of night → 闇夜の黒さ
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “blæc” を由来とし、さらにゲルマン祖語の “*blakkaz” に遡ると言われます。「黒さ」「暗さ」を指す最も基本的な色彩語の一つです。
ニュアンス・使用時の注意
- 色としての「black」は、シック・クール・暗闇など、多彩なイメージがあります。
- 日本語でも「真っ黒」「黒一色」などと言うように、英語でも“black”は「暗さ」や「色としての黒」を表す代表的な語です。
- 形容詞“black”との混同に注意。日常時は形容詞として使うのが一般的ですが、色そのものを示したいときは名詞として“black”を使います。
- 口語・文語問わず非常によく使われる単語ですが、人種表現などセンシティブな文脈では注意が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞としては不可算名詞扱い なことが多いです。
例) “Black is a timeless color.”(黒は時代を超えた色だ) - 「色そのもの」を話題にする場合に使われ、数を表す際にも通常は不可算として扱います。
- 口語でもよく用いられますし、フォーマルな文脈でも問題なく使用可能です。
一般的な構文
- “(Color) + is + (形容)”: “Black is always elegant.”
- “I like (color).”: “I like black.”
イディオム例
- “in the black”: 「(企業・家計などが)黒字である(=収益がある)」
- “black and white”: 「白黒はっきりしている、文章化されている」
5. 実例と例文
日常会話
- “I usually wear black because it’s easy to match with everything.”
(何にでも合わせやすいから、普段は黒を着るの) - “Black really suits you—it’s so stylish!”
(黒は本当にあなたに似合うね。すごくおしゃれ!) - “I love black. It makes me feel confident.”
(私は黒が大好き。自信が持てる感じになるんだよね)
ビジネス
- “Our brand color is black, which gives a sense of sophistication.”
(うちのブランドカラーは黒で、高級感を感じさせます) - “We ended the year in the black, which is great news for our investors.”
(我が社は今年度、黒字で終わったので、投資家にとっては良いニュースです) - “All staff are required to wear black for the formal event.”
(正式なイベントでは全スタッフが黒色を着用しなければなりません)
学術的な文脈
- “The concept of black in physics often refers to the complete absorption of light.”
(物理学での「黒」という概念は、しばしば光を完全に吸収することを指す) - “In art history, black has been used to convey depth, mystery, and formality.”
(美術史においては、黒は深みや神秘性、フォーマル感を表現するのに使われてきた) - “The black in a thermal spectrum indicates absence of any emitted light at certain wavelengths.”
(熱スペクトルにおける黒は、ある波長で光が放出されていないことを示す)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
“dark”(ダーク/暗い)
- 「黒」に近い暗い色一般を指す場合や、光の少なさを強調する場合に使う。
- “black”よりも幅広いニュアンスで、必ずしも「黒色」に限定されない。
- 「黒」に近い暗い色一般を指す場合や、光の少なさを強調する場合に使う。
“ebony”(漆黒)
- “ebony”はより詩的・文芸的な表現で、深い黒色のニュアンスを強調する。
- “ebony”はより詩的・文芸的な表現で、深い黒色のニュアンスを強調する。
反意語
- “white”(白)
- もっとも対照的な色として挙げられる。
- もっとも対照的な色として挙げられる。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA): [blæk]
- アメリカ英語: [blæk](「ア」の母音がやや平たく発音されるイメージ)
- イギリス英語: [blæk](大きな違いはありません)
- アメリカ英語: [blæk](「ア」の母音がやや平たく発音されるイメージ)
アクセントは一音節単語なので特に強勢位置の変化はなく、全体を短く発音します。
よくある間違い: “block” [blɑk / blɒk] と混同しないようにする、母音が微妙に異なることに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “balck”や“blak”などと間違えやすい。
- 同音異義語との混同はあまりありませんが、“block” や “lack”など似た発音の語との区別が必要。
- TOEIC・英検などの試験では、しばしば「in the black」のイディオム(「黒字である」)が出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「黒」は光がまったくない状態というイメージを思い浮かべると、覚えやすいかもしれません。
- スペリングのポイントは、一音節で結ぶ
-ck
の形。「back」「pack」「track」などと同じ仲間と覚えておくと混乱しにくいです。 - 勉強テクニックとしては、他の色名(white, red, blue, green など)とまとめてフラッシュカードを作り、視覚的イメージと結びつけて覚えるのが効果的です。
以上が名詞「black」の詳細解説です。色の学習は英語の初歩ですが、そこからさまざまなイディオムや表現を連想して広げていくと、より豊富な英語表現が身につきます。
意味のイメージ