get away with
1. 基本情報と概要
単語(句動詞): get away with
品詞: 句動詞(phrasal verb)
意味(英語): to do something wrong or illegal without being caught or punished.
意味(日本語): (悪いこと・違法なことなどを) 罰せられずにやり抜く、うまくやり過ごす。
「何か悪いことをしても、それが見つからずに済んでしまう」というニュアンスで使われます。「ばれずに逃げおおせる、責任を回避する」というイメージです。日常会話でも頻繁に登場し、特に「ズルをしても咎(とが)められない」シチュエーションを表します。
CEFRレベルの目安:B2(中上級)
B2レベルは、日常的な話題に加えて、扱う内容がやや抽象的・専門的になってくる段階です。句動詞を使いこなすと、より自然な英語表現ができるようになります。
活用形について
- get away with – 現在形
- got away with – 過去形
- getting away with – 現在進行形
- gotten away with – 過去分詞形(主に米) / got away with – 過去分詞形(主に英)
「get」は他にも「to get something」「to get on with」など、多数の句動詞を作ります。
2. 語構成と詳細な意味
- get:「手に入れる」、「(状態を)得る」、「(ある場所へ)行く」など、非常に多義的な動詞
- away:「離れて、離れたところへ」
- with:「~と共に」、「~によって」、「~を使って」などの基本的な前置詞
「get away with」は「(よくない行為をして)離れたところに行ってしまう、それを許される」をイメージした表現です。
関連語や派生表現
- get away(逃げる)
- get by(なんとかやっていく)
- away 自体にも「遠くへ」「退場する」というニュアンスがあるので、「逃げ切る」感覚が強まります。
コロケーション(関連表現例 10個)
- get away with murder: 「(比喩的に)何をやっても咎められない」
- can’t get away with (something): 「(何か)は許されない」
- barely get away with: 「かろうじてばれずに済む」
- try to get away with: 「ばれずに済ませようとする」
- get away with lying: 「嘘をついても罰せられない」
- get away with cheating: 「ごまかしをしても咎められない」
- get away with shoplifting: 「万引きしてもばれないでいる」
- let (someone) get away with (something): 「(誰か)を(何か)で見逃す/大目に見る」
- get away with minimal punishment: 「最小限の罰で済む」
- get away with a warning: 「警告だけで済む」
3. 語源とニュアンス
- 語源的背景: 「get」は古英語の「gettan」に由来し、「取得・獲得」「状態や場所の変化」を広く表す語です。「away」は古英語で「aweg」であり「離れたところに」という意味。「with」は古英語「wiþ」で「~と共に」を表す。
- 歴史的な使われ方: もともとは「逃げる」「立ち去る」という「get away」に、対象との関連や状況を示す「with」が加わった形で、悪い行為から「逃れられる」ことを指すようになりました。
- ニュアンスや注意点:
- 多少カジュアルな響きがあり、日常会話やカジュアルな文章でよく使われます。
- フォーマルな文書では「escape punishment」や「evade responsibility」といった別表現が使われることが多いです。
- 誰かを非難したり、羨ましく思ったりする場合にも使われます (e.g. “He always gets away with everything!”)。
- 多少カジュアルな響きがあり、日常会話やカジュアルな文章でよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 句動詞 (phrasal verb):他動詞的使い方をしますが、その目的語が「(悪い行為)」であることが多いです。
- 一般的な構文:
- 主語 + get away with + 名詞/動名詞
- 例: He got away with stealing the money.
- 主語 + get away with + 名詞/動名詞
- フォーマル度:カジュアル寄り。ビジネスシーンでも、相手との距離が近い場合は使っても差し支えありませんが、正式な書類では避けるのが無難です。
5. 実例と例文
日常会話
- “I can’t believe you got away with parking there without getting a ticket!”
- あんなところに駐車しておいて、罰金取られずに済んだなんて信じられないよ!
- あんなところに駐車しておいて、罰金取られずに済んだなんて信じられないよ!
- “He always tries to cheat on tests, but he never gets away with it.”
- 彼はいつもテストでカンニングしようとするけど、絶対に見つかるんだよね。
- 彼はいつもテストでカンニングしようとするけど、絶対に見つかるんだよね。
- “They managed to get away with breaking the curfew last night.”
- 昨夜は夜間外出禁止令を破ったのに、結局お咎めなしで済んだんだよ。
ビジネス
- “The supervisor will notice if you don’t do the tasks properly, so don’t think you can get away with slacking off.”
- ちゃんと仕事をしないと上司にバレるから、手を抜いても許されるとは思わないようにね。
- ちゃんと仕事をしないと上司にバレるから、手を抜いても許されるとは思わないようにね。
- “If you try to manipulate the data, you won’t get away with it in this company.”
- データを操作しようとしても、この会社では絶対に逃れられないよ。
- データを操作しようとしても、この会社では絶対に逃れられないよ。
- “Sometimes, a competitor might try unethical methods, but they rarely get away with it in the long run.”
- ライバル企業が不正な手段を使っても、長い目で見れば大抵は逃げ切れない。
学術的/フォーマル
- “Researchers who falsify data seldom get away with such misconduct indefinitely.”
- データを捏造する研究者は、たいていは不正がいつか発覚する。
- データを捏造する研究者は、たいていは不正がいつか発覚する。
- “No political figure can get away with corruption forever once the media starts investigating.”
- メディアに調査され始めれば、政治家が腐敗行為を永遠に隠すことはできない。
- メディアに調査され始めれば、政治家が腐敗行為を永遠に隠すことはできない。
- “A mere technicality cannot enable one to get away with severe legal violations.”
- ちょっとした法の盲点を突いても、大きな法令違反をうやむやにすることはできない。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- evade punishment (罰を逃れる)
- ややフォーマルな響き。
- ややフォーマルな響き。
- escape blame (責任逃れをする)
- “blame”は他人からの非難をイメージ。
- “blame”は他人からの非難をイメージ。
- pull something off (うまくやってのける)
- 必ずしも「悪い行為」ではなく、「難しいこと」をやり遂げるときにも使う。語感はややポジティブ。
反意語
- get caught (捕まる、バレる)
- 文字通り「捕まる」意味。
- 文字通り「捕まる」意味。
- face consequences (結果に直面する)
- 罪などの結果を受け入れる、罰を受ける。
- 罪などの結果を受け入れる、罰を受ける。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA): /ɡɛt əˈweɪ wɪð/ (米英ほぼ共通)
- アクセント:「away」の第二音節「-way」に強勢が重くなりやすく、「with」は弱く発音されます。
- アメリカ英語では「with」の /ð/ を弱く発音し、早口だと /wɪθ/ のように無声音寄りになることもあります。
- イギリス英語でもほぼ同じだが、人によっては /wɪθ/ が /wɪð/ と有声・無声がやや揺れます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:「get away with」の3つの単語を1つにまとめて「getawaywith」と書くミスや、「get a way with」と余計なスペースを入れる間違い。
- 他の表現との混同:「get away」と「get by」は全く意味が異なるので要注意。
- 試験対策:TOEICや英検などのリスニング・長文読解で、悪いことから「逃れる」文脈で登場することがある。文章の流れが早いと聞き逃しやすいので注意。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「Get + away + with」の順番をイメージ:
- Get:手に入れる、ある状態になる
- Away:遠ざける・離れる
- With:(した行為)を持ったまま
- Get:手に入れる、ある状態になる
「悪い行為」をしたまま逃げるイメージで覚えましょう。
また、“get away with murder”という極端な表現を覚えておくと、「何をやっても罰せられない」という強いイメージが頭に残りやすいです。
以上が「get away with」の詳細解説です。日常会話やビジネスシーンなど、さまざまな場面で活用できるよう、例文やコロケーションとあわせて覚えておくと便利です。
(悪事)をしても罰を受けない, ...をしても捕まらない
...を持って逃げる
...でその場を切り抜ける