bother to
以下では bother to
という表現について、学習者向けにできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: bother
品詞: 動詞(他動詞・自動詞として使われる場合あり)、名詞として使われる場合もあり
その中でも特に「bother to + 動詞」の形は「(わざわざ / 面倒をかけて) 〜する」という意味を表します。英語では “make an effort to do something” や “take the trouble to do something” というニュアンスがあります。
日本語では「面倒だけど、あえて〜する」や「わざわざ〜する」のような状況でよく使われます。日常会話で「そこまでしなくてもいいのに」という気持ちを含むことも多いです。
- 例: He didn’t bother to call me.(彼はわざわざ電話してくれなかった。)
活用形
- 動詞: bother – bothered – bothered – bothering
- 名詞形: bother (面倒、厄介ごと)
- 形容詞形: bothersome (厄介な)
※ 「bother to」はあくまでも「bother」という動詞のあとに「to 不定詞」を置く形です。
CEFRレベルの目安としては B1 (中級)〜B2 (中上級) 程度の頻度で学習する表現です。
2. 語構成と詳細な意味
語そのものの構成
- 語幹: bother
- 語源は「悩ませる、煩わせる」という意味の言葉から派生したといわれています。
- 語源は「悩ませる、煩わせる」という意味の言葉から派生したといわれています。
よく使われる派生語
- bothersome: 形容詞「厄介な、悩ませる」
- unbothered: 形容詞「気にしない、動じない」(カジュアルな表現)
関連フレーズ・コロケーション(10選)
- bother to do something → わざわざ〜する
- can’t be bothered (to do) → 〜するのが面倒でやりたくない
- not bother to check → わざわざ確認しない
- not bother to ask → わざわざ尋ねない
- bother someone about something → (何かについて)誰かを悩ませる
- don’t bother me → 私を困らせないで
- sorry to bother you → お邪魔してすみません
- bother with details → 細かいことを気にかける
- bother yourself about… → …について悩む / 心配する
- don’t bother coming → わざわざ来なくていい
3. 語源とニュアンス
語源は明確な文献が少ないものの、古英語・アイルランド語あたりに由来し、「不安や苦痛をもたらす」という意味合いを持つ言葉が変化して現在の “bother” の形になったと伝えられます。
「bother to 〜」の表現は、相手に対して「そんなに頑張らなくても...」「わざわざ」などと、少し「労力をかける」というニュアンスを含みます。感情的にも「気遣う」や「面倒臭さ」などが混じってくるため、注意しないとぶっきらぼうにも聞こえることがあります。
- 口語か文章か: 一般的には日常会話でよく使われますが、カジュアル寄りの表現です。
- 丁寧な表現: ビジネスメールなどでは「I would appreciate it if you could〜」のように、よりフォーマルな表現を使うほうが好まれます。
4. 文法的な特徴と構文
bother to + 動詞の原形
例: I didn’t bother to check the schedule.
(スケジュールをわざわざ確認しなかった。)bother + -ing 形でも使われる
例: Don’t bother calling me.
(わざわざ電話しなくていいよ。)他動詞 / 自動詞
- 他動詞: “bother me”, “bother someone” など。「誰かを悩ませる」
- 自動詞: “Don’t bother!”(わざわざしなくていいよ)などで直接目的語をとらない形
- 他動詞: “bother me”, “bother someone” など。「誰かを悩ませる」
可算 / 不可算(名詞としての “bother”)
- “It’s such a bother.” → 「これはとても面倒なことだ。」
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
“I’m tired. I won’t bother to cook tonight.”
(疲れたから、今夜はわざわざ料理しないわ。)“Don’t bother to wait for me. I’ll catch up later.”
(わざわざ待たなくていいよ。後で追いつくから。)“He didn’t even bother to say goodbye.”
(彼は別れの挨拶さえしなかった。)
ビジネス(ややフォーマル寄り)
“I didn’t bother to schedule a meeting because no one was available.”
(みんなの都合がつかなかったので、わざわざミーティングを組みませんでした。)“We shouldn’t bother to redesign everything at this stage.”
(現段階で全てを再デザインする必要はないと思います。)“If it’s urgent, don’t bother emailing me; just call directly.”
(もし急ぎなら、わざわざメールしなくていいので、直接電話してください。)
学術的 / フォーマル
“Some researchers do not bother to examine minor discrepancies.”
(一部の研究者は細かな相違点をわざわざ調べないことがある。)“Many authors do not bother to provide detailed raw data.”
(多くの著者は詳細な生データをわざわざ提供しない。)“He preferred not to bother himself with the editing process, delegating it instead.”
(彼は編集作業をわざわざ自分でするよりも、任せることを選んだ。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
“take the trouble to” → わざわざ〜する
- “He took the trouble to visit me.” is almost the same as “He bothered to visit me.” ただし “take the trouble to” のほうが少し丁寧な響き。
“go out of one’s way to” → わざわざ(普段とは違う努力をして)〜する
- “She went out of her way to find me the best price.” → より積極的に頑張ったニュアンス。
“care enough to” → 気にかけて(あえて)〜する
- 心配りのニュアンスが強い。
反意語
- “ignore” (無視する):bother とは逆に「ついに行動を起こさない、わざわざ対応しない」というイメージ。
- “He ignored the message.” → “He didn’t bother to reply.” とも似た表現になるが、文脈によって微妙なニュアンスは異なる。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- イギリス英語 (BrE): /ˈbɒð.ər/
- 第一音節「bo」にアクセントを置き、「ボ(ォ)ダァ」のように発音。
- アメリカ英語 (AmE): /ˈbɑː.ðɚ/
- 第一音節「ba」にアクセントを置き、「バーザー」のように発音。
- イギリス英語 (BrE): /ˈbɒð.ər/
「th」の音 /ð/ (有声歯摩擦音)は日本人学習者にとって難しく、/z/ や /d/ と混同しないように注意が必要です。アクセントは第一音節に置きます。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “brother” と混同したり、“boather” などと誤記する場合があるので注意。
- 同音異義語との混同: 特になし。ただし “bother” と “bothered” など、形が似ているので文脈に合った形を使う。
- TOEIC/英検での出題傾向: “bother to do” は会話文や読解問題で見かける可能性あり。特に「わざわざ〜する/しない」という意味を問う問題が出やすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “bother” =「悩ます/面倒をかける」という感覚から、「(面倒なのに) わざわざする」という連想をすると覚えやすいです。
- “Don’t bother!” は「そんなことしないでいいよ!」という、一種のお断りフレーズとして頻出なので、そのイメージを活用すると印象に残ります。
- 覚えるときのポイントは、”bother“ の /ð/ の発音とスペリング(bo-ther)をセットで意識すること。短く口に出し、「bother to 〜」を使った短い例文を声に出して練習すると良いでしょう。
以上が “bother to” の詳細な解説です。この表現を理解することで、日常会話からビジネスシーンまで、微妙なニュアンスを伝える表現の幅が広がるはずです。ぜひ実際の会話や文章で使ってみてください!
わざわざ...する