give rise to
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): give rise to
品詞: 句動詞(phrasal verb)
活用形: give - gave - given
「give rise to」は「~を引き起こす」「~を生じさせる」という意味を持つ英語表現です。何かが原因となって、結果として別の何かが生じる、という因果関係を示すときに使用されます。文語的・フォーマルな響きを持ちやすい表現で、会話でも使われることはありますが、特にビジネスや学術的な文脈でよく見かけます。
- 雰囲気としては「原因になって、結果をもたらす」「問題を生み出す」といったニュアンスで、書き言葉でも話し言葉でも使えますが、ややフォーマル度が高めです。
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 日常的な内容だけでなく、抽象的・専門的なトピックでもある程度説明でき、自分の意見を述べられるレベル。
他の品詞になった時の例
- 「give」を名詞(例: “a give and take”)として使うことはある程度ありますが、「give rise to」全体としては句動詞なので他の品詞に変換することはほとんどありません。
2. 語構成と詳細な意味
- give: (動詞)「与える」
- rise: (名詞)「上昇、増加」/(動詞)「上がる」
- to: 前置詞
「give rise to」は直訳すると「上昇(rise)を与える(give)→結果として何かを生じさせる」というイメージです。
結果や状況、出来事などが「発生する・起こる・生じる」ことを伝える際に使います。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ 10選
- give rise to controversy
- 「論争を引き起こす」
- give rise to debate
- 「議論を巻き起こす」
- give rise to suspicion
- 「疑いを生じさせる」
- give rise to concern
- 「懸念を引き起こす」
- give rise to fear
- 「恐れを生む」
- give rise to misunderstanding
- 「誤解を生む」
- give rise to conflict
- 「対立を引き起こす」
- give rise to violence
- 「暴力を助長する」
- give rise to rumors
- 「噂を引き起こす」
- give rise to a new idea
- 「新しい考えを生みだす」
3. 語源とニュアンス
- give: 古英語の “giefan” から派生した語で、「与える」を意味します。
- rise: 古英語の “rīsan” に由来し、「上に上がる」「興る」などを意味します。
「give rise to」は、もともと「何かを上昇させる、立ち上げる(結果を起こす)」というニュアンスから使われてきた表現です。
比較的フォーマルな文脈や書き言葉でよく見られますが、口語でも使用可能です。ただし、カジュアルな会話では “cause” や “lead to” のほうがよく使われるかもしれません。
論文やビジネス文書などでは、事象が原因となって「他の状況を発生させる」ことを丁寧に表現したいときに用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 基本構文: [主語] + give rise to + [名詞 / 代名詞 / 名詞句]
例: The new policy gave rise to various complaints. - 他動詞?自動詞?
- 「give」は他動詞ですが、ここでは短い名詞句 “rise” と前置詞 “to” を伴う句動詞のように機能します。
- 「give」は他動詞ですが、ここでは短い名詞句 “rise” と前置詞 “to” を伴う句動詞のように機能します。
- フォーマル / カジュアル
- フォーマルなニュアンスが比較的強い表現ですが、口語でも使えなくはありません。
5. 実例と例文
日常会話での例文
“All this gossip gave rise to a lot of misunderstandings in our group.”
- (このゴシップが原因で、グループ内に多くの誤解が生まれたよ。)
“Her ambiguous answer gave rise to even more questions.”
- (彼女の曖昧な答えは、より多くの疑問を生むことになった。)
“The sudden rain gave rise to a last-minute change of plans.”
- (突然の雨で、直前になって計画を変更することになった。)
ビジネスでの例文
“The restructuring of the company gave rise to numerous concerns among employees.”
- (会社の再編は、従業員の間に数多くの懸念を生じさせた。)
“The CEO’s statement gave rise to a heated debate within the board.”
- (CEOの声明が、役員会内で熱い議論を巻き起こした。)
“These marketing strategies might give rise to a new wave of customers.”
- (これらのマーケティング戦略が、新たな顧客層を生みだすかもしれません。)
学術的な文脈での例文
“His groundbreaking research gave rise to innovative treatment methods.”
- (彼の画期的な研究は、新たな治療法を生みだした。)
“This phenomenon gives rise to a series of complex chemical reactions.”
- (この現象は、一連の複雑な化学反応を引き起こす。)
“The cultural exchange gave rise to new forms of artistic expression.”
- (文化交流が、新しい芸術表現の形を生みだした。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- cause(~を引き起こす)
- もっと直接的に「原因になる」と表現するときに使われます。
- もっと直接的に「原因になる」と表現するときに使われます。
- lead to(~につながる)
- 結果を強調する際に用いられます。因果関係をストレートに示します。
- 結果を強調する際に用いられます。因果関係をストレートに示します。
- bring about(~をもたらす)
- ややフォーマル、ポジティブな変化や大きな影響を伴う時に使われることが多いです。
- ややフォーマル、ポジティブな変化や大きな影響を伴う時に使われることが多いです。
- result in(~という結果になる)
- 結果を淡々と示すニュアンスが強いです。
- 結果を淡々と示すニュアンスが強いです。
- trigger(~を引き金として引き起こす)
- 急激な出来事や、感情・反応が突然起こる場合によく使われます。
反意語
- prevent(防ぐ)
- 何かを起こらないようにするニュアンスで、因果関係を反転させるような役割を担います。
- 何かを起こらないようにするニュアンスで、因果関係を反転させるような役割を担います。
- stop(止める)
- 進行中のものを止める、または起こりかけているものを阻止する意味。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ɡɪv raɪz tu/
- イギリス英語: /ɡɪv raɪz tʊ/
- アメリカ英語: /ɡɪv raɪz tu/
- 強勢(アクセント)の位置: 「give RISE to」と “rise” の部分がやや強めに発音されやすいです。
- よくある間違い
- 「give」と「rise」を別の単語と間違えてしまわないよう注意。特に “give rice to” (お米をあげる?)のように聞き違えないようにしましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「give rise to」は一まとまりの表現であり、途中を分割や置き換えしにくいので、そのまま覚えるのがおすすめです。
- スペルミスとしては “give raise to” と “raise” を使ってしまうミスがあることに注意してください。意味が変わってしまいます。
- TOEICや英検の読解問題では、フォーマルな文脈で “give rise to conflict, debate” などと使われることがありますので、読む際に意味を把握しておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「何かを 上昇(rise)させる = 新たな結果を生みだす」とイメージしておくと覚えやすいです。
- “To give rise to something” という流れで、一連のフレーズとして何度も声に出して練習すると、自然に定着します。
- コロケーションとして同時に覚えることで、使いどころを具体的にイメージしやすくなります(例: give rise to controversy, give rise to misunderstandings)。
以上が「give rise to」の詳細解説です。ビジネスや学術場面で頻出する表現なので、例文と一緒に押さえておきましょう。
(好ましくない事・状況など)を引き起こす, ...のもととなる, ...の引き金となる, ...を生じさせる