元となった辞書の項目
set up
解説
1. 基本情報と概要
単語: set up
品詞: 動詞(句動詞)、名詞(「setup」や「set-up」と綴られることも多い)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
意味(英語)
- (動詞)To establish, arrange, or organize something.
意味(日本語)
- (動詞)「設立する」「準備する」「設定する」「手はずを整える」という意味です。例えばイベントや会議を「準備する」「設置する」「設置して動作可能にする」というニュアンスを持ちます。状況に応じて「仕組んで(だます)陥れる」という意味にもなるので注意してください。
- (名詞)「状況の設定」「装置やシステムの構成」などの意味として用いられます。
「set up」は「何かを一から整えて、形にする」というイメージのある句動詞です。日常会話からビジネスまで幅広いシーンで登場するため、覚えておくと非常に便利です。
活用形(動詞の場合)
- 現在形: set up (I/you/we/they set up, he/she sets up)
- 進行形: setting up
- 過去形・過去分詞形: set up (set の形に引きずられて変化しません)
他の品詞形
- 名詞形: setup, set-up (例:
The setup of this computer is quite complicated.
) - 形容詞形: set-up は形容詞として使われることはあまり一般的ではありませんが、「set-up program」などの形で名詞を修飾する用法は見られます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- set + up
- 「set」は「置く」「設定する」「確立する」など幅広い意味を持つ単語です。
- 「up」は上方や完了を表す副詞・前置詞として、句動詞で「完全に」「準備完了する」というニュアンスを付加します。
- 「set」は「置く」「設定する」「確立する」など幅広い意味を持つ単語です。
よく使われる派生語や関連表現
- setup (名詞): 「設定」「手順」「準備」
- setting (名詞): 「環境」「設定」など
- settle (動詞): 場所・気持ちなどを「落ち着かせる」という別の派生単語
コロケーションや関連フレーズ(10個)
- set up a meeting(会議を設定する)
- set up a company(会社を設立する)
- set up equipment(機器を設置する)
- set up a date(日程を組む、デートを取り付ける)
- set up a tent(テントを張る)
- set up a plan(計画を立てる)
- set up the venue(会場の準備をする)
- set up a trap(罠を仕掛ける)
- set someone up for failure(誰かを失敗するように仕向ける、失敗に追い込む)
- be set up with someone(誰かとお見合い・デートの段取りをする)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「set」という英語の古い形(古英語 “settan” が起源)に、副詞「up」が組み合わさったものです。
- もともとは「物を置く」+「上へ(完了)」という感覚で、「完全に何かを作り上げる・確立する」という方向への意味が発展しました。
ニュアンスと使用時の注意
- 「set up」はポジティブな意味合い(準備する、設立する)から、ネガティブな意味合い(人をだます、罠にかける)まで幅広く使われます。文脈をしっかりと把握して使うことが大切です。
- スタイルとしては、日常会話からビジネス文書まで広くカバーするフレーズです。フォーマル・カジュアルを問わず使えますが、悪意のある文脈(「罠にかける」など)ではネガティブな印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞としての用法
- 目的語が必要:
set up (何を)?
- 例:
I set up the projector for the presentation.
- 目的語が必要:
名詞としての用法
We need a proper setup for this experiment.
- 冠詞(a/the)を伴って使われることが多いです。
時制の使い分け
- 「set」は不規則動詞ですが、過去形・過去分詞形も「set」なので注意。
- 現在完了などで使う場合:
We have set up the system successfully.
- 「set」は不規則動詞ですが、過去形・過去分詞形も「set」なので注意。
イディオム的な使い方
set someone up
は「誰かを陥れる」「誰かを罠にはめる」の意味もあります。誤解を生まないよう、文脈に留意しましょう。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
Could you help me set up this printer?
- (このプリンターを設定するのを手伝ってくれますか?)
I'm going to set up an online meeting with my friends.
- (友達とオンラインミーティングを設定するつもりです。)
We need to set up the tent before it gets dark.
- (暗くなる前にテントを張る必要があるね。)
ビジネスでの例文(3つ)
I will set up a conference call for next Monday.
- (来週月曜日に電話会議を設定します。)
The IT department is responsible for setting up new user accounts.
- (IT部門は新しいユーザーアカウントを準備する責任があります。)
We have set up a new branch office in Chicago.
- (シカゴに新しい支店を設立しました。)
学術的な文脈での例文(3つ)
Researchers set up a controlled environment to conduct experiments.
- (研究者たちは実験を行うために制御された環境を準備しました。)
We need to set up a hypothesis testing framework before collecting data.
- (データ収集を始める前に仮説検証の枠組みを作る必要があります。)
They set up a series of tests to evaluate the new algorithm's performance.
- (彼らは新しいアルゴリズムの性能を評価するために一連のテストを用意しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
establish(確立する)
- よりフォーマルで永続的なニュアンス。
- 例:
He established a new protocol for the lab.
- よりフォーマルで永続的なニュアンス。
arrange(手配する、準備する)
- 「(細かい計画を)調整する」というニュアンスが強い。
- 例:
She arranged a car to pick us up at the airport.
- 「(細かい計画を)調整する」というニュアンスが強い。
organize(組織する、整理する)
- 「大規模に準備を進める」印象。
- 例:
We organized the conference last month.
- 「大規模に準備を進める」印象。
install(設置する、導入する)
- 「ハードウェアやソフトウェアを導入する」というニュアンスに特化。
- 例:
I need to install this software on my laptop.
- 「ハードウェアやソフトウェアを導入する」というニュアンスに特化。
反意語
- dismantle(解体する)、take down(撤去する)
- 何かを解体・除去する意味で、「準備する」の逆のニュアンスを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号: /ˈsɛt ʌp/
- 【アメリカ英語】と【イギリス英語】で大きな違いはありません。 /ˈset ʌp/ のようにほぼ同じ発音です。
- 【アメリカ英語】と【イギリス英語】で大きな違いはありません。 /ˈset ʌp/ のようにほぼ同じ発音です。
- アクセント: 「set」に強勢(アクセント)が置かれやすい
- “SET up” とやや「SET」の部分を強めに発音します。
- “SET up” とやや「SET」の部分を強めに発音します。
- よくある間違い:
- 「sit up /sɪt ʌp/」と混同しないように注意してください(「背筋を伸ばす」の意味など)。
- 名詞の場合の「setup(セットアップ)」も「sit up」の音とゆるく混同しがちです。
- 「sit up /sɪt ʌp/」と混同しないように注意してください(「背筋を伸ばす」の意味など)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングの違いに注意
- 動詞句としては「set up(2語)」、名詞形なら「setup(1語)」または「set-up(ハイフン付き)」が多いです。
- 動詞句としては「set up(2語)」、名詞形なら「setup(1語)」または「set-up(ハイフン付き)」が多いです。
- 文脈による意味の幅
- 「設立する」「罠にはめる」など文脈次第で多様な意味を持つため、どちらのニュアンスか見極める必要があります。
- 「設立する」「罠にはめる」など文脈次第で多様な意味を持つため、どちらのニュアンスか見極める必要があります。
- 時制の誤用
- 過去形も「set up」(setの部分が変わらない)なのでうっかり
setted up
と書かないように。
- 過去形も「set up」(setの部分が変わらない)なのでうっかり
- TOEICや英検などでの出題傾向
- 句動詞として頻出。「誰が何をset upするか」というパターン認識が重要な場合が多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「置く(set)」+「上に(up)」で“準備完了の状態に向かう” というイメージを持つと覚えやすいです。
- テントを張る場面や、パソコンの初期設定をする場面など、具体的なシーンと結びつけて記憶すると定着しやすくなります。
- 「setup」は一語、「set up」は二語ということで役割(名詞か動詞か)を視覚的に覚えるのも効果的です。
以上が「set up」の詳細解説です。句動詞の「set up」は多面的な意味と幅広い使用シーンがあり、慣れるまでは少し混乱しやすいですが、用例をたくさん見て体得していきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
を設置する
意味(2)
を用意する