so as to
以下では「so as to」について、9つの観点から詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
【品詞・フレーズの種類】
・連結表現(接続詞的/前置詞的な用法を持つ慣用句)
・文中では多くの場合、「〜するために」という目的を表す副詞句として用いられます。
【英語・日本語の意味】
・英語意味: “in order to”
・日本語意味: 「〜するために」
たとえば「I left work early so as to catch the train.」は「電車に乗るために早退した」という使い方です。
「in order to」と同じ意味ですが、やや丁寧・フォーマルなニュアンスが加わります。カジュアルな会話ではあまり使われない傾向があります。
【活用形】
「so as to」は熟語なので、通常の動詞のように「活用形」があるわけではありません。ただし、否定形として「so as not to」という形がよく使われます。
- 肯定形: so as to + 動詞の原形
- 否定形: so as not to + 動詞の原形
【他の品詞になった時の例】
単独で名詞や形容詞、動詞形になることはありません(あくまでフレーズです)。
【CEFRレベル目安】
・B2(中上級)
「in order to」と同様の意味ですが、文語ややフォーマルな表現として使われるためB2レベル程度が目安です。
2. 語構成と詳細な意味
「so as to」は、下記の語が組み合わさった熟語です。
- so:ここでは「〜するように」という意味合いを持つ接続的要素
- as:比較や関連性を表す接続詞/副詞
- to:不定詞を導く前置詞的要素
これらが一緒になって、「目的を達成するために」という意味を表します。
関連表現・派生語
- 「so as not to」:〜しないように
- 「in order to」:ほぼ同義の表現
- 「so that」:節を導く形で「〜するように」「〜できるように」
コロケーション・関連フレーズ(10例)
- so as to avoid (something) – (何かを) 避けるために
- so as to improve (skills) – (スキルを) 向上させるために
- so as to provide (information) – (情報を) 提供するために
- so as not to be late – 遅刻しないように
- so as to ensure (success) – (成功を) 確実にするために
- so as to reduce (costs) – (コストを) 減らすために
- so as to meet (deadlines) – (締め切りを) 守るために
- so as to secure (funding) – (資金を) 確保するために
- so as to maintain (relationship) – (関係を) 維持するために
- so as not to cause (trouble) – (問題を) 起こさないように
3. 語源とニュアンス
「so」と「as」という英語の古い形が組み合わさってできた表現で、伝統的には「ある目的を果たすためにこのようにする」というような論理的なつながりを示すフレーズでした。現代では「in order to」と同じ意味で使われることが多いですが、少し文語的・フォーマルな響きがあります。
使用時の注意点
- ややフォーマル: 日常のカジュアルな会話では「to」や「in order to」が多用される傾向があります。
- 文章寄り: 文面やスピーチなど、文語的なニュアンスを出したい時に使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
主語 + 動詞 + so as to + 動詞の原形 + ...
例: I woke up early so as to finish my work.主語 + 動詞 + so as not to + 動詞の原形 + ... (否定形)
例: He covered the cage so as not to let the bird escape.
名詞・動詞の使い分け
- 「so as to」はあくまで「〜するために」を示すフレーズなので、名詞や形容詞を直接修飾する用途には使いません。
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: so as to
- カジュアル: to, in order to
5. 実例と例文
① 日常会話 (カジュアル〜ややフォーマル)
- I turned off the TV so as to focus on my homework.
(宿題に集中するためにテレビを消した。) - She took a different route so as not to get stuck in traffic.
(交通渋滞にはまらないように彼女は違う道を選んだ。) - We left home early so as to arrive before everyone else.
(他の人より前に着くために早く家を出た。)
② ビジネス場面
- I updated the software so as to enhance productivity.
(生産性を高めるためにソフトウェアを更新しました。) - Our team held a meeting so as not to overlook any critical details.
(重要な詳細を見逃さないように会議を開きました。) - The company revised its policy so as to comply with new regulations.
(新しい規制に従うために、会社は方針を修正しました。)
③ 学術・アカデミック場面
- The researcher conducted multiple experiments so as to verify the hypothesis.
(仮説を検証するために複数の実験を行った。) - The authors used a standardized protocol so as not to introduce bias.
(バイアスが入らないように標準化された手順を用いた。) - The study was designed so as to measure the long-term effects of the medication.
(薬の長期的な効果を測定するために、その研究は設計された。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- in order to(〜するために)
- 「so as to」より少しだけカジュアル。文章・会話ともに広く使用される。
- 例: I studied in order to pass the exam.
- 「so as to」より少しだけカジュアル。文章・会話ともに広く使用される。
- to(〜するために)
- 最もカジュアルでよく使われる。短くてシンプル。
- 例: I left early to catch the train.
- 最もカジュアルでよく使われる。短くてシンプル。
- so that(〜するように)
- “so that + 主語 + can/will/may + 動詞の原形”の形で用いられることが多い。目的をはっきり示す場合はこちら。
- 例: I left early so that I could catch the train.
- “so that + 主語 + can/will/may + 動詞の原形”の形で用いられることが多い。目的をはっきり示す場合はこちら。
反意表現
目的を表す反意語はあまりありませんが、内容に応じて「〜しないように」を表す場合は「so as not to」を使います。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- so /soʊ/ (米), /səʊ/ (英)
- as /æz/
- to /tuː/, /tʊ/, 速い発音では /tə/
一続きに発音すると、
soʊæstə, səʊæstə
のようになります。
ネイティブのリズムでは “so as to” と区切りながら発音するより、やや続けて「ソアズトゥ」のように聞こえます。
アクセント・注意点
- アメリカ英語では “so” が /soʊ/、イギリス英語では /səʊ/。
- 「to」の発音は文中で弱くなり /tə/ と聞こえることが多いです。
- “as” と “to” が近いので、一気に詰まった音として聞こえる場合があります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「so as to」と「so that」の混同
- 「so that」は節(主語 + 動詞)を伴うのが基本ですが、「so as to」は不定詞を伴います。
- 「so that」は節(主語 + 動詞)を伴うのが基本ですが、「so as to」は不定詞を伴います。
- 「so as not to」を忘れる
- 否定形で誤って「so not as to」と書かないように注意しましょう。
- 否定形で誤って「so not as to」と書かないように注意しましょう。
- スペルや配置ミス
- 「so as to」は一つのまとまったフレーズ扱いです。特に手紙文やエッセイで綴りなどに気をつけてください。
- 資格試験対策
- TOEICや英検などでは、「in order to」のフォーマルなバリエーションとして出題される可能性があります。正しい文脈で使えるかを問われる問題が出ることもあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「目的を示す 表現=in order to, so as to, to」のセットで覚えると便利です。
- 「so as to」は「そうあすとぅ」と読めるので、「そうあす(そうやって)to(〜するために)」と、日本語で無理やり関連付けると印象に残りやすいかもしれません。
- エッセイやレポート、上級レベルの文章を書くときに「so as to」を使うと少しフォーマルかつ多様な表現ができるようになります。
以上が「so as to」の徹底解説です。少しフォーマルな目的表現として、ぜひ使い分けてみてください。
《目的》 …するために