元となった辞書の項目
in contrast
解説
1. 基本情報と概要
単語(表現): “in contrast”
品詞: 前置詞句(英語の文中で副詞的・接続詞的な役割を果たすことが多い)
概要
- 英語の意味: “in contrast” は「対照的に」「それとは対照して」「一方で」という意味をもつ表現です。
- 日本語の意味: 全体として「対照的に」「それに比べて」「一方で」を表します。
- 例: 「ある事柄と比べて、はっきりとした違いを強調するときに使います。」
“in contrast” は書き言葉でよく使われる、ややフォーマルな表現です。話し言葉で使うこともありますが、特に文章やプレゼンテーションなどで、異なる2つの内容や状況を対比するときに用いられることが多いです。
活用形と他の品詞
- 多くの場合、定まった形として “in contrast” をそのまま使用します(時制や数による変化はありません)。
- 似た表現として “by contrast” や “in contrast to ~” などもあります。
- 「contrast」が動詞になる場合は “to contrast (A with B)”「(AとBを)対比させる」という使い方になります。
CEFRレベル
- B2(中上級): 一般的な文章構成やプレゼンでの比較表現として、学習者が身につけると効果的なフレーズです。
2. 語構成と詳細な意味
- 構成: “in” + “contrast”
- in: 前置詞。「〜の中に」「〜の状態で」を示すことが多い。ここでは「対照の中に位置づける」「対比する」というニュアンスを補助します。
- contrast (名詞): 「対比、対照」という意味。
- in: 前置詞。「〜の中に」「〜の状態で」を示すことが多い。ここでは「対照の中に位置づける」「対比する」というニュアンスを補助します。
関連表現・派生語
- by contrast: 「それとは対照的に」
- in contrast to / with ~: 「〜とは対照的に」
- contrast (動詞): 「対照をなす、対比する」
- contrasting (形容詞): 「対照的な」
よく使われるコロケーション(10個)
- “in contrast to previous results”
- (以前の結果とは対照的に)
- (以前の結果とは対照的に)
- “in contrast with common belief”
- (一般的な信念とは対照して)
- (一般的な信念とは対照して)
- “in stark contrast”
- (はっきりと対照的に)
- (はっきりと対照的に)
- “in sharp contrast”
- (際立って対照的に)
- (際立って対照的に)
- “in contrast to your opinion”
- (あなたの意見に対比して)
- (あなたの意見に対比して)
- “in contrast to the norm”
- (通常とは対照的に)
- (通常とは対照的に)
- “in marked contrast”
- (著しく対照的に)
- (著しく対照的に)
- “serve as a contrast to ~”
- (~に対する対比として役立つ)
- (~に対する対比として役立つ)
- “in contrast, however”
- (しかしながら、それに比べて)
- (しかしながら、それに比べて)
- “stand in contrast with ~”
- (~と対照をなす)
- (~と対照をなす)
3. 語源とニュアンス
- 語源: “contrast” はラテン語の “contrastare”(contra = 「反対に」、stare = 「立つ」)から来ています。「反対に立つこと」→「対照的に置くこと」を表す語です。
- 使用上のニュアンス:
- “in contrast” はフォーマル・セミフォーマルな文脈で、2つの事柄をはっきり区別して比較する際に使用されます。
- 日常会話でも使われることはありますが、論文・レポート・プレゼンテーションなど思想や意見を整理するときに特に適しています。
- カジュアルに会話するときは “but” や “on the other hand” を使う場面が多いです。
- “in contrast” はフォーマル・セミフォーマルな文脈で、2つの事柄をはっきり区別して比較する際に使用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- 「in contrast」は副詞句や挿入句のように機能し、文頭や文中で、前文の内容との対比を示します。
- 例: “This method is very costly. In contrast, the new method is cheaper.”
- 例: “This method is very costly. In contrast, the new method is cheaper.”
- “in contrast to ~” および “in contrast with ~” という形で前置詞句となり、直接名詞を伴って「〜とは対照的に」という意味を表します。
- 例: “In contrast to his calm personality, his sister is very energetic.”
- 例: “In contrast to his calm personality, his sister is very energetic.”
フォーマル/カジュアル
- フォーマルな場面: 論文、レポート、ビジネス文書などで好んで使われる。
- カジュアルな場面: 使っても問題はありませんが、日常会話では “but,” “however,” “on the other hand” などがより一般的です。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I usually like sweet desserts. In contrast, my brother prefers spicy food.”
- いつも甘いものが好きなんだ。対照的に、弟は辛いものを好むんだ。
- いつも甘いものが好きなんだ。対照的に、弟は辛いものを好むんだ。
- “My weekend was pretty relaxing. In contrast, hers was quite busy.”
- 週末はすごくのんびりだったよ。それに比べて、彼女はかなり忙しかったみたい。
- 週末はすごくのんびりだったよ。それに比べて、彼女はかなり忙しかったみたい。
- “I’m a morning person. In contrast, my roommate stays up late every night.”
- 僕は朝型なんだ。一方で、ルームメイトは毎晩遅くまで起きているんだよ。
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Our sales declined this quarter. In contrast, the competitor’s numbers are rising steadily.”
- 今期は売上が落ち込みました。それに比べて、競合他社の数字は着実に伸びています。
- 今期は売上が落ち込みました。それに比べて、競合他社の数字は着実に伸びています。
- “In contrast to last year’s merger, this acquisition seems more strategic.”
- 昨年の合併とは対照的に、今回の買収はより戦略的なようです。
- 昨年の合併とは対照的に、今回の買収はより戦略的なようです。
- “Our new branch is seeing a lot of foot traffic. In contrast, the old location is slowing down.”
- 新店は来客数が多いです。対照的に、旧店舗の客足は落ちています。
(3) 学術的/レポートでの例文
- “In contrast to previous studies, our findings suggest a different correlation.”
- 先行研究とは対照的に、我々の研究結果は別の相関関係を示しています。
- 先行研究とは対照的に、我々の研究結果は別の相関関係を示しています。
- “The experiment shows a significant increase in resistance. In contrast, the control group remains unchanged.”
- 実験群は抵抗値が大きく上昇しています。一方で、対照群は変化が見られません。
- 実験群は抵抗値が大きく上昇しています。一方で、対照群は変化が見られません。
- “In contrast with the conventional theory, this model addresses multiple variables simultaneously.”
- 従来の理論とは対照的に、このモデルは複数の変数を同時に扱います。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- on the other hand(一方で)
- 日常会話でもビジネスでも使われるが、ややカジュアル。
- 日常会話でもビジネスでも使われるが、ややカジュアル。
- by contrast(対照的に)
- 意味はほぼ同じ。やや“in contrast”よりも簡潔な印象を与える。
- 意味はほぼ同じ。やや“in contrast”よりも簡潔な印象を与える。
- conversely(逆に)
- 何らかの前提をひっくり返すように表現するときに使われる。
- 何らかの前提をひっくり返すように表現するときに使われる。
- whereas(〜である一方で)
- 等位接続詞的に文中で用いられる(“whereas S+V” の形)。
- 等位接続詞的に文中で用いられる(“whereas S+V” の形)。
- however(しかしながら)
- 対比や逆説全般に使えるが、文中挿入など使い勝手が広い。フォーマル度は中程度。
- 対比や逆説全般に使えるが、文中挿入など使い勝手が広い。フォーマル度は中程度。
反意語
- similarly / likewise(同様に)
- 類似点を示すときに使われる表現。
- 類似点を示すときに使われる表現。
7. 発音とアクセントの特徴
音声記号(IPA):
- イギリス英語: /ɪn ˈkɒn.trɑːst/
- アメリカ英語: /ɪn ˈkɑːn.træst/
- イギリス英語: /ɪn ˈkɒn.trɑːst/
アクセント: “CONtrast” で最初の音節 “CON-” に強勢があります(名詞としての “contrast” は第一音節にアクセント)。
よくある発音の間違い: 動詞か名詞かでアクセント位置が変わる場合がありますが、ここでは名詞として使われるので “CONtrast” と発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 誤用例
- “on contrast” や “at contrast” は誤りです。“in contrast” と決まった形で使う必要があります。
- “in the contrast” と “the” を入れてしまうのも間違いです。
- “on contrast” や “at contrast” は誤りです。“in contrast” と決まった形で使う必要があります。
- 同音異義語との混同: とくに “contrast” と “contract” (契約) をスペリングで間違えるケースがあります。
- 試験対策
- TOEICや英檢などで、対比表現を問う問題や、文章構成で接続詞・副詞句の正しい使い方を問われることがあります。“in contrast to/with” の形を正確に覚えておくと役立ちます。
- TOEICや英檢などで、対比表現を問う問題や、文章構成で接続詞・副詞句の正しい使い方を問われることがあります。“in contrast to/with” の形を正確に覚えておくと役立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「2つのものが向かい合っている」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 関連ストーリー: “contrast” が “contra + stand (立つ)” に由来するという“反対に立つイメージ”を頭に描くと、「反対に置いてみる=対比する」という流れで覚えられます。
- 覚え方のコツ: “in contrast” はセットで使うものだと意識し、「コントラストの中に(状態として)ある」→「他と比較してみると違いがはっきり」とイメージしましょう。
以上が “in contrast” の包括的な解説です。文章やプレゼンテーションなどで、何かと何かを比べるときに使うと、文脈がスッキリ整理される便利な表現です。
意味のイメージ
意味(1)
対照的に, 対して
意味(2)
《...と》比べて《to ...》