as far as
1. 基本情報と概要
語句: “as far as”
品詞: 句(前置詞句、接続詞句、副詞句としても機能)
“as far as” は英語で「~の限り」「~まで」という意味を持つフレーズです。
日本語で言えば、「~に関する限り」「~の範囲では」「~に到達するまで」といったニュアンスです。会話や書き言葉の両方でよく使われ、「自分が把握している情報の範囲では…」「物理的な範囲としては…」など、範囲や程度を示すときに便利な表現です。
活用形
- 固定表現のため、動詞のような時制変化はありません。文中での位置や文章構造によって “as far as” の機能が変わります(前置詞的な用法、接続詞的な用法など)。
他の品詞になった場合の例
- “as” や “far” はそれぞれ独立した単語ですが、“as far as” は1セットで使われることが多いです。
- “as” は副詞・接続詞としても用いられます。例: “As I told you, …” (接続詞)
- “far” は形容詞・副詞として、距離や程度を表す際に単独で使われます。例: “How far is it?” (副詞)
- “as” や “far” はそれぞれ独立した単語ですが、“as far as” は1セットで使われることが多いです。
CEFRレベル: B2(中上級)
- B2(中上級):日常会話はもちろん少し複雑な議論でも使いこなせるレベルです。長めの文脈や抽象的な話題でも十分に対応できる表現として扱われます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “as” + “far” + “as” の3つの単語から成るフレーズです。
- as: 「~と同じくらい」を表す接続詞や副詞としてよく使われる単語。
- far: 「遠く、遠い」を表す語(形容詞・副詞)。
- as(再度): 同上。
- as: 「~と同じくらい」を表す接続詞や副詞としてよく使われる単語。
意味の詳細
範囲や制限を示す
例) “As far as I know, he hasn’t arrived yet.”
「私の知る限りでは、彼はまだ到着していません。」物理的な距離を示す
例) “We walked as far as the park.”
「私たちは公園まで歩きました。」
コロケーション・関連フレーズ10選
- “As far as I know” – (私の知る限りでは)
- “As far as I’m concerned” – (私に関する限り、私の考えでは)
- “As far as possible” – (可能な限り)
- “As far as the eye can see” – (見渡す限り)
- “As far as it goes” – (その範囲内では、その程度なら)
- “As far as the budget allows” – (予算が許す限り)
- “As far as I can tell” – (私のわかる限りでは)
- “As far as evidence suggests” – (証拠が示す限りでは)
- “As far as safety is concerned” – (安全面に関して言えば)
- “Go as far as to do something” – (~までする)
3. 語源とニュアンス
- “as far as” は “as (同じ程度) + far (遠く) + as” の組み合わせで、「距離や程度が同じレベルまで」という概念がもとになっています。
- 歴史的には「距離」を表す “far” を中心に、「~と同じ程度まで」「~の範囲まで」という使い方が拡張され、抽象的な範囲(情報や意見など)にも広がったと考えられます。
使用上の注意点・ニュアンス
- カジュアルとフォーマル: どちらでもよく使われますが、例えば「As far as I'm concerned, …」はややフォーマル寄りに、意見を述べる際にも使える表現です。
- 強調の度合い: 「As far as I know」は「自分の知る範囲では」と断りを入れる表現なので、直接的断言を避けつつ情報を伝えたいときに便利です。
4. 文法的な特徴と構文
前置詞的な使い方
“We drove as far as the lake.” → 目的地や到達点を表す。- 後ろには名詞や代名詞などが置かれ、具体的な地点を示します。
接続詞的な使い方
“As far as I know, she hasn’t called.” → ある条件や範囲を示す節を導く。- 後ろに主語+動詞が来る形で、「~する限りでは…」といった文を作ります。
イディオム的な使い方
- “As far as … is concerned” → 「…に関して言うと」
- “As far as … goes” → 「…に関しては」、やや口語的
- “As far as … is concerned” → 「…に関して言うと」
可算・不可算などの区別
- フレーズそのものは名詞ではないため、可算・不可算の区別はありません。
- 文中で前置詞句・接続詞句・副詞句など多様な役割を果たします。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “As far as I know, they broke up last month.”
- 「私の知る限りでは、彼らは先月別れたんだよ。」
- “You can sit anywhere as far as I’m concerned.”
- 「私としては、どこに座っても構わないよ。」
- “I only went as far as the station and came back.”
- 「駅までしか行かなくて、すぐ戻ってきたんだ。」
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “As far as the budget is concerned, we need to cut costs.”
- 「予算に関して言えば、コストを削減する必要があります。」
- “As far as logistics go, everything is on schedule.”
- 「物流面については、すべて予定通りに進んでいます。」
- “As far as the client’s request is concerned, we can accommodate the changes.”
- 「顧客の要望に関しては、その変更に対応可能です。」
学術的な文脈での例文 (3つ)
- “As far as current research indicates, this method is highly reliable.”
- 「現在の研究が示す限りでは、この手法は非常に信頼性が高いです。」
- “As far as the data show, there is a significant correlation between these variables.”
- 「データが示すところによると、これらの変数には有意な相関があります。」
- “As far as theoretical models are concerned, further validation is necessary.”
- 「理論モデルに関しては、さらなる検証が必要です。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “So far as” – (意味はほぼ同じだが、やや古風または文語的)
- “Insofar as” – (もう少しフォーマルで学術的ニュアンスが強い)
- “To the extent that” – (範囲を示すが、フォーマルな場面で使われることが多い)
- “Regarding” – (「~に関して」の意。単語1つで幅広い文脈で使用)
- “Concerning” – (「~に関して」の意。接続詞的ではなく前置詞的に使う)
反意語
- 「範囲を制限しない表現」のため直接の反意語はありませんが、意味合いとして対照的な表現を挙げるなら:
- “Beyond” – (「~を超えて」、範囲の外側)
- “Beyond” – (「~を超えて」、範囲の外側)
“as far as” は基本的に「範囲」を示す表現であるため、反意語というよりは超過や無制限を示す語 (“beyond,” “above and beyond,” など) と対比されるイメージです。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /əz fɑːr əz/ または æz fɑɹ æz
- イギリス英語: /əz fɑːr əz/ または [æz fɑːr æz]
- アメリカ英語: /əz fɑːr əz/ または æz fɑɹ æz
アクセントの位置
- それぞれの単語 “as,” “far,”
as
は短い音で、全体としては “as FAR as” のように “far” にやや強勢を置くことが多いです。
- それぞれの単語 “as,” “far,”
よくある発音の間違い
- “far” を曖昧母音にしてしまうと伝わりにくいことがあります。はっきり “ファー(fɑːr)” と伸ばすようにしましょう。
- 速く話すと “as far as” が [əz·fɑːr·əz] のように一続きに聞こえやすいです。
- “far” を曖昧母音にしてしまうと伝わりにくいことがあります。はっきり “ファー(fɑːr)” と伸ばすようにしましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “as far as” は3つの単語を必ず正しくスペースを入れて書くこと (“asfaras” などと続けない)
- “so far” (今のところ)と混同しない: “so far” は「今までのところ」を表す副詞句。“as far as” とは意味が異なります。
- TH(トーフルやIELTSなど)でも、接続詞・前置詞句の概念を問う文法問題やリーディング中の表現として出現します。「~の範囲で」と訳せるかを問われることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “as far as” は「距離」を思い浮かべると覚えやすいです。
- “as far as the park” → その「公園まで」 (物理的距離)
- 転じて「情報や意見の範囲まで」という抽象的イメージにも広がる
- “as far as the park” → その「公園まで」 (物理的距離)
- “as far as I know” などの定番表現をまるごと覚えると応用が効きます。
- “as (同程度で) + far (遠い) + as (同程度で)" → “同じくらい遠くまで” → 「~の範囲まで」というイメージを常に思い出すと混乱しにくいです。
学習時はまず “As far as I know,” “As far as I’m concerned,” “As far as possible” のように定型表現として覚え、そこから用途を広げると習得しやすいでしょう。
【接】…の限りでは
…と同じ距離まで
《~ ... goes》...に関する限りでは
【前】(ある場所・程度)まで